カードゲームライトノベル Wカードフュージョン17話 メインサーバーの元、現れしエンジニア18
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「いって!」
メインサーバが黒く変色していくのにあっけをとられ、そのまま落ちてしまった、もっとも、かなりの高さから落ちたはずなのに痛いで済んでいる感じしかしないのは幸運としか言いようがないが・・・
それとも、これもカーディンとの一体化の影響か?にしても・・・
一体どうなってるんだよ・・・?
周りを見ると、みんながメインサーバを見上げている、
僕も急いで見上げると・・・
そこでは、メインサーバが下から真っ黒に染め上っている所だった、
それは根っこから葉のカードの隅々にまで行きわたり、生い茂る白黒半々で中心に灰色のWの文字を頂いたカードたちも、その全てが黒に染まりつつある、
そして、すべてが黒に染まった途端、メインサーバが崩壊していく・・・
幹が裂け、葉が塵へと流れるように帰り、根が崩れ去って行き、上に付いたガイキシンの兜や鎧が下に落ちる
その中で左頬が砕け飛んだガイキシンの兜が朽ちる幹の中心に降ってきた
ズドン!
「双歩」
「行こう」
油断なく立ち上がって、目の前のガイキシンに近づき、突然、ガイキシンの目の部分に光が宿る
「ふふふ、少し無茶をさせすぎたようだ・・・」
「ガイキシン・・・」
「ガイキシン・・・」
立ち止まり、僕とカーディンは、ガイキシンの巨大な兜を見据える
「どうやら、私の負けのようだ、好きにすればいい・・・」
「好きにしろと言われても・・・」
これ、次元をつなぐ門て、メインサーバの力を使ってたんだよね・・・
何か嫌な予感がするけど、とにかく、この世界から僕達の世界への侵攻はこれで無くなったわけで・・・
・・・
思い直し、思い切り、毅然と、ガイキシンの方を見る
「僕達は当面の目的は達成しました、もうこれ以上何もしません、あなたを倒しに来たわけじゃないし、僕達の世界を守りたいだけです、後に何かあるなら・・・それは、あなたとあなたの部下、それにレジスタンスの仕事であり、僕達は、ここから去ります、せめて後ろから撃つようなマネだけはしないでほしい」
「・・・了解した、部下にもそうするように伝えよう・・・」
ガイキシンの目がしばらくの間点滅し・・・
「人間である君とカーディン達を襲わないように指示しておいた、場所や詳細は伝えていないが、私の命令を無視するものもいるだろう、早く行くがいい」
「ありがとう」
「ガイキシン」
「すまないが、少し疲れてしまったようだ、少しの間休ませてもらおう・・・」
ガイキシンの目の光が消える
と、いきなり体に違和感が、っつっ!
一瞬の痛みの後に、いつの間にか、左手側に人型で立つカーディンが現れた!
「カーディン!」
「双歩!」
「どうやら、元に戻ったようだな」「そうだな」「そうね」「まったくですね」「ああ!」「へっ!」
「あれ?レオリングは?」
一つ足りない声に、周りを見渡してみると、いつの間にかレオリングがいなくなっていた
「恐らく、獅子堂レオンの所に戻ったのではないか?」
「・・・だろうね・・・」
カーディンの言葉に思わず納得する、
ということは、少なくとも、レオリングにはもう辺りから敵意が感じられなくなった、ってことか・・・?
・・・ん?・・・
安心した途端、さっきの悪い予感の意味を理解した、
メインサーバの崩壊によって、門が使えなくなった、ということは・・・
「カーディン!映命さんは!?」
「そうだ、この城の門は・・・!?」
カーディンが何かを探すようにあたりを見回し
「ダメだ、私のセンサーでは読み取れない、ここからじゃ何とも言えない・・・」
「他の皆も?」
「無理だ「俺も「私も「残念ながら「だな「何もわからねぇよ」
「そんな、急いで戻ろう!!」
「わかった!みんな!!」
「おう「ああ「ええ「はい「おお「うむ」
それぞれが入り口の方を向いてロボモードから変形して乗り物型に、そして、僕は急いでカーディンの助手席の方に走り込み、
右の手で扉を開けて乗り込んで、反対の手で閉め、ドアのロックをかけて左肩上のシートベルトを引きだし右腰の金具に繋げる
「双歩、急ぐぞ!」
「うん!」
首を縦に振って返した途端、皆が入り口に向かって走り出す・・・
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