カードゲームライトノベル Wカードフュージョン13話 急襲、キューブフィアーザー!守れ、牧場!!3
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「馬鹿な・・・牧場だと!?今まで見たことなかったぞ!?」
確かに、カーディンの言う通りだ、ここに来るまで、牧場どころか、畑とかすら見たこと無かった、
さらに、そこには一杯に緑の草原が広がっているのだ、
牧場があるのだからその周りに植物が生い茂っていたとしても何の不思議もない、
だが、ここに来るまで、その植物が生い茂る光景、というものを一度足りとて見たことなかったのだから異常以外の何物でもない、
その牧場は見渡す限りの草原の中、白い木の柵でかなりの範囲が覆われ、向こうの方には二棟の建物が左右に並んでいる、
一つは、円筒状で上に半球の丸型屋根が付いた建物が横にある、高さの有る三角屋根の建物で、屋根は赤く、他は白い、下の方には簡素な扉と横日の字のガラス窓も付いている、
もう一つは、かなり大きな平厩舎で、白い木の平べったい三角の屋根が上に付き、下には柵をそのまま大きくしたような茶色い丸木の骨組みが見え、
中には様々な動物がおり、左手の方には緑の金網の檻すら見える、
厩舎右手にはこげ茶色の岩の鎧をまとった四足頭両上曲角縦長平べ顔の牛のようなものがいて、
中ほどには、左右に伸びる同じく四足で三角耳と体にまとう薄灰色の綿がキュートな少し斜め前下に伸びた薄クリーム色の肌の顔のヒツジのようなものが、
金網の檻の中には、ひざ下程度の大きさの、二本足で立つ鳥類がいくつも放されていて、それは、少し丸みを帯びた体に短めのくちばしと羽毛持つ両翼、それに、骨のように細い足持つ鶏のような生物なのだが、そのとさかは鋼の輝き放つ刃であり尾羽の先に岩のような大きめのこぶが存在している、
と、なんか、僕が知ってる生物とは違う感じの生物が目白押しである、
ううむ・・・これは・・・
「ねぇ、カーディン!あの牧場に少し寄って行こう!」
「だが、先を急いだほうがいいのでは?」
「少し、数分ぐらいだったらいいじゃない、なんか、見ておかなきゃいけない気がして、ほら、カーディンだって時々僕に運動させるじゃない、ずっと座ってると運動不足だとかエコノミー症候群になるとか・・・」
「ふむ・・・」
カーディンが黙り込む、カーディンはどういう判断を下すだろうか・・・・少しぐらいならいいと思うのだが・・・
「確かに、誰も見ていないようだし、監視カメラの類も一応はなさそうだ、少しよるぐらいならいいだろう、だが、すぐに出かけるぞ!誰かきたりしてもすぐに出る!!」
「わかってるよ!」
言いつつ、カーディンが道沿いの牧場横に止まる、
急いで右腰の金具に指をかけ、スイッチを押してシートベルトを外すと、左手でドアの持ち手を引いて扉を開けて外に出、
草原にその両足を付けつつ右手でドアを閉める、
バスッ!
ひさしぶりの草を踏みしめる感覚だが、少し硬い気がする、なんでだろうな・・・
っと、今はそれよりも・・・
少し進み、周りを見渡してみる、今はあの羊みたいな動物を放牧しているのか、柵の中そこかしこで歩いていたり、突っ立っていたり、草をはんでいたり、寝転んで日向ぼっこしていたりする、
ううむ、のどかだ、のどかで平和・・・
あ!左手から、あの羊みたいなものが一匹こっちに通りすがってくる!
思わず柵に寄りかかりながらその右手を羊のようなものに伸ばしていた、
もうちょい、もうちょい、あとちょっと・・・
懸命に体を伸ばし・・・
よし!届いた!!
ようやく右手が届く!!
が、その右手に覚えた感覚は、想像していたふわふわしたものではなく、どちらかと言えばゴワゴワしたものだった、
・・・ううん、さわりごこちがいいとはとても言えない、なんていうか、そういう防具に身を包んでいるような・・・
これは毛を刈る時にきっと苦労しているに違いない、いや、こいつらの毛を刈る必要性があるのかは知らんが、
きゃぁぁぁ~
うわぁぁぁ~
ん?なんだこの声?
ドサッ!!
突如、左手の方に何かが降ってきた、思わずそちらの方を見、
あっ!!
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