バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

失踪、失意、絶望、/23 カードゲーム小説WカードFu

f:id:OirenW:20170721181016j:plain
 
カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、23
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「うぉおおお!」
 跳び込んだ穴の先、そこには、元あった部屋と同じような部屋が広がっていた、
 が、人気は無い、誰かが待ち構えていてもおかしくないと思ったんだけど・・・
 ブォン!
 背後から何かが切れる音がして、思わずそちらの方を向くと、僕達がこっちの方に来た時と同じような穴が、背後のこれまた同じような輪っかの中にあり、
 それが徐々に小さくなって、ついには消えてしまったところだった
 「ふむ、これで、孤立無援というわけだな」
 「大丈夫だよカーディン、とりあえず、僕がいる」
 「はは、ありがとう、さて、これからどうするか、とりあえず、正面のドアから調べるか」
 そう、ここには、元いた部屋と同じく、まるで鏡あわせの様に正面にドアがあるのだ、当然、左手後ろの方にコンソールもある、
 そして、カーディンが扉に近づき
 「ふむ、このぐらいなら、コンソールを操作すれば開けられるかな・・・」
 「じゃ、早速」
 カーディンが少しバックして助手席側から補助アームを展開、コンソールにかける
 「博士があの時押していたボタンは・・・おそらくこれだ!」
 ポチッ!
 補助アームの先で一つの青い四角いボタンを押す、すると、正面の扉が、左右にスライドして開いた、
 先の方には、広い通路が何処までも続いていて、同じような扉が断続的に続いているのだが、正面の扉が開いたときにすでにそれら先の扉も、上下や左右や斜めや逆斜めに開いて行くところだった
 「さぁ双歩、ここは一気に駆け抜けるぞ」
 「うんっ!」
 カーディンが一気に走り出す!
 通路は左右に扉が残る白い壁が通っており、機械的な部分と開け放たれた扉があることを除けばまるでトンネルのようだ、
 そして、先の方に光が見え始めた、
 「カーディン、光だ!」
 「一気に走りぬけるぞ!」
 光の中に跳び込むと、その光で一瞬目がくらみ、徐々に目が慣れてくる、
 そこにあったのは、ところどころで機械が地肌から見える、岩と砂にまみれた荒野!
 上の方では僕たちのいた場所と同じ青空が広がっている、
 と、ふと後ろを見ると、そこには、白い機械のドームが見えた、ドームの中央下では白いドアが左右から閉まっていくのも見える、恐らく、あそこから出てきたのだろうが・・・
 「双歩、恐らく、背後のあのドームに目標となる人物はいない、ジョーカーもセンサーに引っかからないし、エルドガンが残したデータによれば、エルドガンがさらわれた先はおそらく、もっと別の場所」
 「もっと別の場所!?」
 「そうだ、そこから私達の街に穴を繋げているに違いないと」
 「ど、どういうこと・・・?」
 「詳しい原理はわからないが、穴というものは繋がった場所の近郊でしかつながらない、つまり、あの白いドームは、私達がガサ入れしたあの場所とその近辺しかつながらないし、その近くに別の穴があってもしかりというわけだ」
 「なるほど、エルドガンが連れ去られたのなら、僕達の街と繋がるもっと別の場所と」
 「そうだ、そしてそこが、恐らく奴らのアジトだろう」
 確かに、その通りだ
 「いずれにしても、まずはそこに向かうのがいいだろう、いる可能性の少ない場所は後で来ればいい、最悪、リュッケン達を探し当て、捕まえて吐かせるという手もある」
 「ま、ジョーカーよりかは吐きそうだ、知らない可能性もあるけど」
 こっちに来た時、ジョーカーは姿を現さなかった、センサーが強化されたカーディンなら、姿を隠したジョーカーも見つけることができるから、それができないってことは、恐らく、施設も放棄して逃げ出したんだろう
 ということは、一番居所を知るであろうジョーカーを探すにしても、その僕達の街と繋がる敵のアジトに行くのが得策と言える、
 「カーディン!行こう!!」
 「ああ、まずはこの荒野を走り抜け、近くの町まで行くぞ、そこで情報収集だ!」
 「うん!」
 僕とカーディンは走り出す、この荒野を、希望を持って、走っていく!
 
Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、
FINISH!!
Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう に、続く!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――