バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

Wカードフュージョン 7話 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

f:id:OirenW:20170719102958j:plain


Wカードフュージョン 7話/1 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ1

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「んぁ・・・」
 「双歩さんっ!!」
 目を開けた時、一番に視界に入ってきたのは、白い天井を背景に少し左下の方から僕の顔を心配そうに覗き込み見つめる映命さんだった
 「ここは・・・?」
 「病院です・・・よかった・・・」
 映命さんの両目からあふれ出る涙が、僕の頬に滴り落ちてきた・・・少し、嫌な感じだ・・・
 「泣かないで・・・・ほら・・・」
 右手を上に伸ばし、右親指で映命さんの右目をの涙をぬぐい、次に、左目の涙をぬぐう、
 単に、落ちてくる涙が気持ち悪かっただけだ、そう・・・
 「双歩・・・さんっ!!」
 胸元に、いきなり映命さんが跳び込んできた、首元に、映命さんが両手を回す
 「双歩さんっ!!双歩さんっ!!双歩さんっ!!うわぁああああああ!!」
 これは・・・泣き止むまで、このままなのか・・・?
 僕の名前は鋼野 双歩(はがねの ならぶ)
 飛角小学校の四年二組で、
 茶髪の前の方を上に上げたナイスガイ・・・って、よく童顔だって言われるんだけどね、
 そういや・・・今の服装は・・・?
 下の方をチラリと見ると、映命さんが泣きつく中で、僕を乗せた白いベットに僕の上に掛かる白いシーツ、
 それに、映命さんの下から僕が着る薄青の簡素な病院着がしっかりと見えた、
 そして、向こう少し奥とその右側少し遠くには白い壁があり、右側には中央左上に縦長長方形のガラス窓が付いた白いスライド式のドアが少し見え、左側の方には、鉄の枠にはまった窓ガラスが天井から僕の腰ほどの高さで横に並び、左手前側には高い鉄の棒が見えた、
 高い鉄の棒には上の方で左右に枝分かれし右側に黄色い薬液の詰まった透明な袋をつるしていて、その袋から下に管が通っており、その管は僕の左腕中ほどに繋がっていた、
 どうやら、僕は点滴を受けているようだ、
 「双歩さん・・・双歩さん・・・よかった・・・よかった・・・」
 で、僕の胸元で少し落ち着きながらも今だに嗚咽混じりに泣いているこの子、
 左半身が黒の、右半身が白のロングのストレートヘヤーに泣きはらした同じ色の瞳、それにどこかおっとりした印象を与える顔つきをしていて、
 着ているのは秋をイメージしたかのような木の葉が多数描かれた袖付きワンピースで、そでとスカートの端に白いフリルが付いており、左胸に金縁黒で関の字が書かれたバッチを付けている・・・
 そういえば、前に見た時と着ている服が違う、どれだけ寝てたんだ、僕は、
 「よかった・・・本当に・・・」
 今この状態の映命さんに聞くのは、気が引けるな、
 急がないし、後でも・・・
 ガラガラガラ・・・・・・
 ん?右の方から、扉が開く音?
 「よぅ!気が付いたか!!」
 女性の声、誰だ?
 右の壁の方を見てみると、左に開いたスライド式のドアの前に一人の女性が立っていた、
 頭の上で赤い長髪をまとめた髪型をした切れ長の赤目で20代前半の、どこか機敏な感じがする女性だ
 体に白衣を着て、下には黄色いポロシャツを着、さらにその下に長めのジーンズをはいている、
 と、その女性がこちらに足早に近づいてきて、僕を見据え、
 「どうやら、命を燃やしすぎたのが原因のようだ、一週間ぐらいは寿命が縮んだことを覚悟しておいた方がいい、もっとも・・・」
 その女性が目を細め、少し笑う
 「大切なものを守れたのなら、寿命一週間ぐらいはどうってことはないだろうがな」
 さらに、その女性はすぐさま踵を返し左の方からチラリと僕を見て
 「じゃあな!データ上は異常がないっぽいから、後は他の医者に任せる!!」
 正面に向き直ると右手を上げてヒラヒラ振りつつ歩き出しさっき出てきた扉からとっとと出て行った
 ・・・何だったんだ、一体・・・
 ん、あれ、映命さんが泣き止んだ?
 映命さんは泣き止んだ後、ゆっくりと顔を上げ、ドアの方を向く、が、すでに女性の姿はどこにもない
 「今のは・・・」
 映命さんが戸惑い、目を見開いている、まぁ、嵐のように来て言いたいことを言いきって嵐のように去っていたのだからこの反応も当然だろう、
 あ、そうだ!さっき聞きたかったことを聞いておかないと!!
 「そうだ!映命さん!!」
 「あ!はい!?なんでしょうか!!」
 扉の方を向いていた映命さんがあわてて僕の方に振り返る、
 「映命さん、あのね、あの時からどれぐらいたったの?あの・・・映命さんが鎧兜駅のショッピングモールに行った時から」
 映命さんが真正面から僕の方を見つめてきた
 「あの時から、もう三日ほど、心配したんですよ、大きな狼男が暴れてるって聞いてショッピングモールから避難して、狼男がいなくなったって耳に挟んで駅前に戻ったら駅前がところどころも燃えていて、消防車と消防士が消火活動をしている中で・・・救急車に・・・双歩さんが入れられて・・・」
  映命さんが顔をうつむかせ、その瞳に再び涙がたまり始める、その時のことを思い出しているのだろう、まったく、もう、
 「僕は今ここで目覚めて映命さんと話してるでしょ、ほら、泣くのをやめて、ね!!」
 おもわず右手で映命さんの頭を撫でてしまう今日である
 「双歩さん・・・」
 映命さんが顔を上げ、僕の方を見つめる、と、今度は、涙の溜まった瞳を自分で右手を使って拭った
 「ああ、そうだ、買い物の途中で双歩さんの妹さんに会ったんですよ、本当・・・双歩さんにそっくりで・・・」
 「あいつ、ショッピングモールに行ってたのか・・・」
 思わず少し笑ってしまう、映命さんも、少し笑っているように見える
 「でも、大丈夫ですよ、狼男が出たって聞いてショッピングモールから一緒に逃げ出しましたから、なんか、興味津々で、今にも狼男を見に行きそうでしたけどね、ああ、それでですね、救急車にも一緒に乗ったんですよ、どうしてだか、手を引っ張られて」
 「あいつ、何考えてんだ本当に」
 「本当に、うふふ・・・」
 「あはは・・・」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Wカードフュージョン 7話/2 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ2

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「退院、おめでとうございます!!」
 「ありがと」
 病院の入り口で、笑顔で迎えてくれた映命さんに対し、思わず素っ気なく返した、
 ここは僕が入院していた士道病院の出入り口で、病院である白い凸型の建物、その中央下前にある、
 病院は、上の狭い部分を除いては五階、上の狭い部分は二階ある七階建ての建物で、
 入院する前に見た限りでは、上の方に赤い十字架がでかでかと掲げられ、狭い上二つ以外の階に窓がずらっと並んでいたはずだ、
 そして、今僕がいる出入り口は、上に白い少しぶ厚めの板が屋根を形成、
 左右中央にある白い四角い柱がその屋根を支え、後ろは透明なガラスで構成された左右にスライドして開くタイプの自動ドアとなっていて、
 出入り口の前には、前の大きな幹線道路から分岐してこの出入り口まで来れるように少し大きめの道路があり、
 その道路は病院の前でのみ直線を構成後、そのまま元の大きな幹線道路の方に戻って行く仕組みとなっている、
 ちょうど、右から来て左に戻っていくイメージだ、
 この病院、士道病院とは少し変な名前だと思ったが、なんでも、戦国時代以前から存在していたと言われる歴史ある病院で、
 侍のはしりと共に生まれたとか生まれていないとか、だから士道病院?
 そして、実際に戦国時代自体にも活躍したらしい・・・本当かよ?
 まぁ、漢方や東洋医学に精通しているらしい、ということは確かだ、そういう課があるんだから・・・
 僕が入院して、検査やら健診やらで三日が過ぎ、
 今日、異常無しで晴れて退院した、
 ついでに、今の服装は上に左肩裏に車輪と飛行機の片翼がくっついたようなオブジェが付いた赤いジャケットを着て、ジャケットは袖端や下端が白いというデザインになっていて、
 そのジャケットの下にオレンジのシャツを着用し、
 腰には茶色のベルトを巻き、下半身には濃い色のジーパンに白い靴下、白いスニーカーをはいている、
 そういえば、結局あの変な女医はあれ以来一度も顔を見せなかった、どうやら、本当に他の医者に全部任せてしまったようだ、
 あの変な女医が言っていた、一週間ほど寿命云々というのも気になるが、
 実際、確かめる方法なんぞないし、僕の寿命一週間程度でレオン君とレオリングとリュッケンを引かせられたのなら、まぁ、今は良しとしておこう
 「あのう、双歩さん?」
 「あ、ああ、ごめん、なに?」
 「え・・・えっと・・・ですね・・・その・・・」
 いきなり映命さんが黙り込んで顔を赤くしつつ顔をうつむかせ僕の事をチラチラ見てきた、
 映命さんもこの三日、毎日見舞いに来てくれたっけ、
 今日は、白の基礎色にオレンジの丸い断面がいくつもプリントされた短めの袖のロングスカートワンピースを着て、背中に赤いランドセルを背負い、左胸に関の字が金ぶち黒が書かれたバッチを付け、
 下には白い靴下に藍色の靴をはいている、
 ランドセルしょっているのは学校の帰り際だからだろう、現に今はそんな時間だし、ここは学校にも近い、僕の家にも歩いて行き来できる距離だ、
 もっとも、そんな状況だから母さんは別の用事を優先して退院であるにも関わらず早めに来て荷物だけ持って帰って行った、っていうか、妹は来いよとも思うけど、あいつは自由奔放だからしゃあない
 「あの・・・その・・・」
 「よう!双歩!!ようやく退院だな!!」
 「ちょっと!!空気読みなさいよ!!」
 いきなり映命さんの二つ右側にいた男の子が僕に向かって笑いかけ、
 映命さんの一つ右側にいた女の子が注意した、
 「いやー、だってさ、このまんまだとオレ達の事忘れ去られそうだしさ~」
 「だからってってタイミングがあるでしょタイミングが!!」
 子慎君と弧菜さんだ
 一番右の方にいる、僕に気さくに笑いかけてきた少年が子慎君
 黒髪黒目で、横にバサッと広がった髪が特徴的、身長は少し高めで、標準体形、上の方に黄色い星が中央に描かれた紫の長袖シャツを着て、
 下には薄黄色の長ズボンに緑と白のスニーカーをはいており、背中に黒いランドセルをしょっている、
 で、その左側、映命さんの一つ隣にいるのが弧菜さんだ、
 短髪茶髪でどこか活発な感じを漂わせ、上の方にはブルーの半そでシャツを着て、下には短めのジーパンをはき、
 さらにその下に青と白のスニーカーを履いていて、背に赤いランドセルを背負っている、
 「ほら、映命ちゃん」
 弧菜さんが唐突に右手で映命さんの背中を押した、
 映命さんは少し戸惑いつつ少し前進し、改めて僕の方を見据えてきた、
 「あ・・・あの、双歩さん!!こんど、二人で・・・動物園に行きませんかっ!!」
 「いいよ」
 「え・・・あ・・・いや・・・でも・・・今、いいって」
 「だからいいって言ったじゃない」
 なぜかたどたどしく動揺した映命さんが僕に向かって聞き返してきた、
 っていうか、この動揺のしよう、映命さんは僕を何だと思ってるんだ?
 「い、いいですよね!!あ・・・ありがとうございます!!」
 いきなり映命さんが頭を下げてくる
 「いや、頭下げなくてもいいよ、っていうか、僕の事なんだと思ってるの?」映命さんが僕を見るように顔を上げ
 「だ、だって、最近、」少し気まずそうに視線をそらす「忙しそうでしたから・・・」
 「多分、大丈夫だと思うよ、警察から事情聴取多くって・・・」映命さんの顔が明るくなりつつ僕の方に向き直る
 「そ、そうですよね!!さすがに、あの遊園地の一件からは一段落しましたよね!!」
 明るく嬉しそうな笑顔を浮かべていく
 そう、大丈夫なはずだ・・・今までも前の襲撃からは期間が少し空いて・・・
 ん?ちょっと待て、なんで期間が空いてるんだ?
 確かに、襲撃間隔は一週間前後、前回から六日経ってるからあと少しで来るのか?
 「双歩さん?」
 「あ!うん!!大丈夫!!大丈夫!!」
 「ですよね!!よかった!!」
 「よかったね!!映命ちゃん!!」
 「やったじゃないか双歩~!!」
 映命さんと弧菜さんが顔を向かい合せて和気あいあいと笑いあい、
 いきなり僕の首に子慎君が左腕を強引に回してきた、
 ・・・大丈夫だよね、まさか、当日に来るなんてことは・・・無いよね・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/3 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ3

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「ふむ・・・ついた!!」
 青空の下、目の前にあるは巨大な工場、正面には三角螺旋の門があり、左右にはかなりの距離伸びる白い塀、
 塀と門の内部にはいくつもの大きな簡素な金属の板で仕切られた建物があり、
 それらの建物にはかなり大きなシャッターが付いていて、右の塀のこっち側の端のあたりに、濃い緑の金枠の板に金文字で、闘魂ロボット研究開発工場と書いてある、
 おそらく、その広さは普通の学校を優に超えるだろう、
 に、しても、デッキケースの受け取りはともかく、他にも色々聞きたいことがあるってなんだろうな、
 おまけに、カーディンが今だ修理中で轟さんにパトカー無いから、ここまで徒歩でっていう・・・
 デッキケースが無いから呼び出しも博士からの電話だったし・・・
 よく考えればこれが普通か、呼び出したい時は電話、移動は徒歩、
 いや、徒歩なのは時と場合によるか、
 退院して当日の夜に電話がかかってきて、翌日の学校の後にこうして来ている、
 動物園に行くのは次の日曜と、とと、これは別に今は思い出さなくていいか・・・、
 とにかく、意外と近かった、歩いていける距離だとは知ってたけど・・・
 ええっと、こっからどうしたらいいんだろう、前にカーディンがやってたように、
 「すいませ~ん!!」
 ・・・・・・・・・・・・
 工場に向かって叫ぶも、何の反応も無い・・・ちょっと早く来すぎたかな・・・
 「す・い・ま・せ・~・ん!!」
 ・・・・・・・・・・・・
 ダメだこりゃ、こうなったらこの門、越えられないかな、この三角螺旋門、微妙に超えづらそうだけど・・・
 いや、門横の塀なら・・・
 門横、左の方の塀に近づいて行ってみる、
 高さは大人の身長よりもちょっと低い程度、この低さは工場の大きさを示すためなのか、別の理由があるのか、とにもかくにも、中に入るだけなら簡単そうだ、
 よし!
 「すいませ~ん!!勝手に入りますよ~!!」
 ・・・・・・・・・・・・
 反応無いし、行くか!
 少し後ろに下がり、思い切り塀に向かって走り、勢いよく、跳ぶ!!
 両手を塀の端に伸ばし、
 ガシッ!!
 よし!!掴んだ!!
 そのまま両の手で体を引き上げつつ右足を右上に上げて塀の上に伸ばし、塀の上に登る!!
 そこから前後反転しつつ足を塀の向こう側に伸ばし、両手を塀の端にかけつつゆっくりと下に・・・降りる!!
 おっし!降りられた!!
 で、次は・・・
 後ろにある、門正面の大き目な建物の方に視線を向ける、
 そこには、カーディンすらも楽々入れるほど大きなシャッターがあった!
 あれを上げなきゃ中には・・・
 ・・・よく考えたら、僕以外誰もいないんだし、あれを全部上げる必要なんてなかったな・・・
 歩いてシャッターに近づき、まじまじとシャッターを見る、
 これ、鍵とかかかってたらどうしよう、今度は、この工場の中を叫んで周る羽目になるのかもしれないけど・・・
 いや、とりあえず、下に両手を入れてみよ・・・
 お、入った!開く!!
 シャッターの下に両手の指を入れてみると、確かにシャッターが浮き上がった、ちょっと重いが・・・
 そのままシャッターを頭の上にまで上げ、左手でシャッターを上げて置きつつ工場の中にゆっくりと入る、
 工場の中は、しんと静まり返っており、鉄の天井と壁、コンクリートの床の冷たさを加え、ある種不気味さすら感じる、
 よく考えると、前に工場に来た時もこんな感じだった、普段、研究員や工場の人は奥の方で仕事しているんだろう、
 その奥の方はといえば、鉄板で出来た天井はその天井を支えるように連なる四角い鉄の骨組みが見えていて、
 左右の壁は波打つ鉄板で出来、左側のみ、一定間隔で交差する鉄の骨組みで支えられ、右の方には窓が存在している、曇りガラスを鉄の枠組みで囲った窓だ、
 さらに、すぐ右側の壁にはアルミか何かで出来た扉があって、その扉は上中央に曇りガラス板がはまり、右側に丸いノブが付いている、
 後ろの方に向いて、ゆっくりとシャッターを閉める、
 って、こっからどうしよう、博士の部屋に行けば誰かいるかな、
 呼ばれたのは僕なんだし、時間もそろそろだ、行っても文句は言われないだろう、
 奥の方に振り返って歩き出し、先の方にあるT字路を右に曲がる、
 確かこの先に、あっ!先に開けた空間が見えてきた!!
 「よし!三連勝だ!!」
 えっ?今の声は、カーディン?
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/4 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ4

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「その眼鏡強すぎんのよ!!」
 今度は別の人の声?口調は女性っぽいのだが、なぜかノイズがかかったような聞き取りづらい声だ、
 っていうか、この声と口調、なんとなく聞き覚えがあるような気がする、いや、ノイズがかかったこの声自体は聞いたことないはずなのだが・・・
 「攻撃が単調で私のカウンター戦法にきっちりはまってしまったようだな!!」
 「うるさい!!私のスターウォーリアーをいなすとは!!」
 スターウォーリアー・・・なんか、このワードも聞き覚えが・・・
 何やってるんだ、一体・・・
 おそるおそる先に進むと、開けた空間に出た、
 そこは、右の方にある下に車輪が付いた座りの丸いイスとそのそばで右側の壁の方を向くいくつもの引き出しの付いた鉄の簡素な机、それに、机の上にあるノートパソコン以外は何も無いそこそこ広い空間、
 そう、机と椅子とノートパソコンがある以外はがらんとした場所である、何もない部屋だが、必要に応じて色々持ってくるのだろう、
 また、左右の壁の上の方に、横長の鉄枠の窓が存在していて光が差し込んでおり、天井に丸い電球がぶら下がっている、
 昼間はあの窓から、夜間はあの電球から明かりを取るに違いない、奥の方の壁に白い角の丸い四角いカバーで覆われ上下に二つ並んだ白色押し込み湾曲シーソー型スイッチがあるから、あれでオンオフするのだろう、
 いや、そんな事よりも今問題なのは現に今持ち込まれている物である、
 右側の方、机の手前でそれを使ってパトカーのパーツをまとったロボットと黒ずくめの不審者がテレビゲームをしているのだ、
 奥にいるロボットはパトカーのパーツが体全体にそれぞれ付いており、
 両肩にパトカーの前部が付き、前部外側が両腕のパーツを構成、
 後方部分が足についていて、四肢に一つ一つタイヤが付いており、
 その頭は先の切り取られたような三角頭に、額に羽とパトランプの金のエンブレムが付いていて、
 その鋼の顔には黄色い機目が付いている、
 ただし、そこ以外のパトカーの介在しない胴部分に赤色が追加されている、前はあんな色だったかな、
 いや、それよりも問題はその手前にいる不審者、
 ところどころに鉄板の付いた黒の分厚いトレンチコートを深々と着て、騎士風の黒いフルフェイスの兜をかぶり、その上に黒色のサングラスを付け、足と手に、黒いブーツと薄くて黒い色の手袋を付けている、
 トレンチコートを着ているせいで体型はわからないが、身長は大人なりに少し低いようだ
 その二人が、ロボット、カーディンの方は両の人差し指の指先からそれぞれ細い鉄の棒と丸い関節を組み合わせた三本指の補助アームを出して介してとはいえ、
 前にある黒く四角く平べったいゲーム機と大きな黒厚いテレビを前にして、
 地べたに座って白く四角く横長く十字ボタンと左右に並ぶ二つの丸ボタンの付いたコントローラーを補助アームと両手に持ち、
 人気対戦アクションゲームをプレイしているのである、あの場外に吹っ飛ばすやつだ、
 さっきのスターウォーリアーはそのゲームに出てくるキャラクターである、おそらく、さっき眼鏡と形容したものもそうなのだろう、
 ええっと、どうしよう、この場合は・・・
 「もしも~し」
 「はっ!?」「はっ!?」
 カーディンと不審者が一斉にこっちの方を向く、
 「双歩!?」
 「双歩君!?」
 そして、即座にカーディンがその目を光らせ、
 不審者がゲーム機のスイッチの一つを押す、
 すると、テレビ画面が少し暗くなり、右上側に時計が、中央左側にゲーム再開と書かれて、中央右側にゲームを終了と書かれた左右二つの白いボタンがそれぞれ映った画面に移行する
 「あっ!もうこんな時間か!!」
 「とっととやめましょう!!」
 そのままカーディンは慌てて床にコントローラーを置き、
 不審者はコントローラを床に置くのに加えてゲーム機の別のスイッチを押す、
 その瞬間、ゲーム機に繋がったテレビは黒い画面に替わり、
 不審者とカーディンが素早く立ち上がって僕の方を向き、不審者が歩いて僕に近づき僕を真正面から真面目に見据え、
 「はじめまして双歩君、私がエルドガンよ」
 「もう遅い」
 至極真面目に話しかけてきたのだが、思わず返してしまった
 「双歩、退院おめでとう」
 「お前は修理してたんじゃなかったのか」
 カーディンがこちらも至極真面目に話しかけてきたのだが思わず返してしまった
 が、カーディンはショックを受けた様子もなく
 「ああ!そのままバージョンアップしてもらっていた!!」
 返してきた、って、
 「バージョンアップ?」
 「そうだ!色々追加された!!今、内部チェックの真っ最中なんだ!!」
 「内部チェック?」
 「ほら、背中からケーブルが伸びてるでしょ?」
 不審者、エルドガンが右手の人差し指をカーディンの腰の背中の方に伸ばす、
 あ、本当だ、カーディンの腰の後ろから黒くど太いケーブルが机の向こうの方に伸びてら、テレビに目が行って気づかなかった
 「あのケーブルで専用の機械にデータを伝達してるのよ」
 確かに、黒太いケーブルの先、机の向こう側の影に何やらところどころ光る四角い鉄の塊のような大きめの機械がある、
 「で、動けないから暇つぶしにゲームしてたの?」
 「そうだ!!」
 なぜ、自信満々に返してくる・・・
 っていうか・・・
 「ゲームするんだ、カーディン・・・」
 「博士に使ってないパソコンを借りてネットもする!!」
 「ああ・・・そう・・・」
 思わず呆れてしまった・・・
 「ネットに高度なAIを直につなぐのは危険だからね・・・ウィルスとか・・・自我の崩壊とか・・・」
 ううん・・・そういうことを言っている気はしないけど・・・って、自我の崩壊なんて大げさな・・・
 「そうだ!双歩!!」
 今度はなんだ?
 「今の私なら、新しいカードが出てくるかもしれない!!」
 「あ・・・まぁ、確かに・・・」
 バージョンアップしたなら、その能力も変わっているかも知れない・・・か・・・
 と、いきなり不審者がコートのポケットに右手を入れて何かを取り出し差し出してきた、
 「はい、これ」
 それは、上が白で下が黒の四角い物体、
 中央にはカーディンが付けている物と同じパトライトに羽を模した金のエンブレムが存在している、
 あ!これ、僕のデッキケース!!
 「なんであんたが持ってんだよ!!」
 「検査してたのよ」
 「検査、なんで?」
 「色々とね、それはカードをとってから話しましょう、バージョンアップしたカーディンのカードは私も興味があるわ」
 「ふうん」
 ま、いいや、
 右手で不審者の持つデッキケースを受け取り、カーディンの方に向ける、
 「それじゃ、行くよ~」
 「おおっ!!」
 カーディンが気合を入れて右拳を握る中、
 右手に持つデッキケースの右手親指のあたりにあるデッキケースのスイッチを、連続で、押す!!
 カチッ、シュッ!!
 デッキケース上部奥からカードが出てきた!!
 さて、どんなカードだ・・・?
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/5 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ5

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「どうだ、双歩!強くなっているか!?」
 強くなっているかと問われても・・・
 バージョン上がってもパワーは変わってないんだよなぁ、あ、でも!
 「パワーは変わってないけど、効果は使いやすくなってるよ!!」
 「そうか!ならよかった!!」
 ん?後ろに気配・・・?
 「まぁ私が調整したからなんだけどね」
 うわっ!いきなり後ろから!?
 驚き後ろに振り返りつつ飛び退くと、いつの間にか不審者がそこにいたっ!?
 「いつの間に後ろに・・・」
 「あなたがカードに集中している間にね」
 「はぁ・・・」
 なんつー人だ、なんか、警察から逃げ続けられたっていうのもわかる気がする・・・
 呆れつつも手に入れた色々なカードを左手に持・・・
 っと、そうだ、後ろにいるカーディンの方を左からチラリと見つつ質問する、
 「ねぇカーディン、博士は?今日は博士に呼ばれてきたんだけど」
 「あなたを呼んだのは私よ、色々聞きたくてね」
 「え?」思わず正面の不審者の方に振り返る
 この不審者が?なんで?
 「どうして、って顔してるわね、単純な話よ、よく一日三回三分の召喚であの強豪たちを撃退し続けて来たのか、その戦略を聞きたくてね」
 「一日三回三分の召喚?」
 「一日三回三分の召喚?」
 思わずカーディンと声を合わせて不審者の方を見る、
 「あら、違ったかしら?でも、あなた、デッキケースを初めて触ってからそんなに日にち経ってないでしょう?」
 ええっと、最初に触ったのは
 「大体一ヶ月ぐらいだな」
 背後からそう言ったのは、カーディンだ、確かに、そんな感じである
 「あら、それならまだ時間も回数もそんなに増えてないと思うけど、寝ずにカードバトルやってもそこまでは増えないでしょうし・・・」
 まて、一体この人は何を言ってるんだ・・・?
 「すみませんが・・・何か話の齟齬があるようです、失礼ですが、あなたが私に組み込んだシステムを教えていただけませんか?」
 「あら、あの博士から聞いてない?」
 「いえ、一応は聞いているのですが、もう一度、詳しくお聞かせ願えませんでしょうか?」
 そうだ、カーディンの言う通り、ここはちゃんと質問して、話の齟齬を直した方がいいだろう、
 不審者が首を不思議そうに傾げながらも、カーディンの方を見据える、
 「そう、なら、ちゃんと話すわね、いい、私がカーディンに組み込んだのは、一日に数回数分間、デッキケースからカードに描かれた幻影を呼び出すシステムよ、まぁ、後でわかったんだけど、未完成だったのに勝手に突っ込んでっちゃって・・・」
 「未完成!?」「未完成!?」
 思わずカーディンと一緒に叫ぶ!
 「そうよ、おまけに結局材料なくて完成できそうにない上、代替案も後で論理自体破綻してたことがわかってどうにもできそうにないし、そっちの双歩君が発動させたから周りは完成してたって勘違いしたんでしょ、ま、動作させる前にデッキケースが双歩くんの手に渡って使われたって話だし、どうにか撃退できたんならそれでもいいでしょ」
 未完成なのも驚いたけど、っていうか、
 「それって、完成したと勘違いしてふけてたって事じゃ・・・」
 「何か言った?」
 「いいえ・・・」
 「ふむ・・・・・・まぁいいわ・・・」
 聞こえてた・・・かな、こっちも色々あるんだけどとか考えてた感じだけれど・・・っと、それよりも・・・
 今度は右手を上げて呟きではなく大声で訊く!
 「質問!」
 「はい、何かしら?」
 当てられたんでっと・・・
 「カードバトルの機能は?付けたんですか?」
 「カードバトル・・・ああ!!」
 不審者が何かを思い出したかのように上を見た後改めて僕の方を見据え、
 「あれはデッキケースに本来付いている能力よ、幻影を呼び出す能力もそれ、私はそれを機械に組み込んだだけ、後、デッキケースにはさっきやったようにカードを作る力もあるけど、幻影を呼び出す能力以外はカーディンが使用できるようには考慮していないわ、発動するかもしれないけど、発動しないかもしれない、ま、カーディンから外しちゃったから、問題無く使えるんでしょうね」
 「じゃあ、カードバトルで、敵を倒すなんてことは・・・」
 「無理よ」
 不審者がきっぱりと言い放つ
 「そもそも、カードバトルで出す幻影はちゃんと呼び出す幻影に比べてかなり薄い存在なの、同じカードバトルのためにデッキケースから呼び出された幻影ならいざ知らず、現実に存在するものに影響を及ぼすなん・・・て・・・」
 不審者がいきなり一歩、後ろに引く、
 どうやら、カーディンや僕の質問の意図にようやく気付いたようだ、あの仮面の中で顔をひきつらせているに違いない
 「う・・・嘘・・・」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/6 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ6

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「カードバトルで・・・?カードバトルで・・・現実の脅威を打ち崩してきたの・・・?」
 不審者が後ろに下がったままこちらを凝視している、
 まぁ、驚くのも仕方ないだろう、さっき言ったことを聞く限り、カードバトルで敵を倒す、
 この機能を入れた覚えは無さそうなんだから、
 でもこの機能、一体誰が入れたんだ?あと、こんなの入れられそうなのは
 「おお~いお前ら!そろそろゲームかたづけるぞ~!!」
 不審者の後ろの通路から、聞き覚えのある声が聞こえ、不審者の右後ろの方から部屋の中に一人の柔和な雰囲気の老人が姿を現した、
 青いつなぎの上に白衣を着るという奇妙な出で立ち、
 すでに白に染まった髪、無精ひげのような少し長めの白いひげを口元と顎から生やし、
 多めの分量の白い眉毛は少したれ気味で、その両足に履いた緑のスニーカーはボロボロになってまではきつぶしている、
 そう!さすわし博士である!!
 ちょうどいいところに来た!早速聞いてみよう!!
 「博士!博士がデッキケースに付けたシステムって、本当にマスター認証だけですか!!」
 「おお!!双歩くん、来とったのか、って、何じゃいきなりそんな質問」
 「いいから答えてください」
 まわりの、カーディンと不審者もじーっと博士の方を見つめている、
 そんな様子に博士はたじろぎ、
 「何じゃお前らその視線は!わしは正真正銘デッキケースに付けたのはマスター認証だけじゃぞ!!そもそも、それすらうまくいじれんのに他のなんかを付けられると思うてか!!他のやつを付けられんなら、今頃デッキケースをいじくりまわしとるわいっ!!」
 まぁ、そうだよね・・・
 となると他は・・・
 「エルドガンさん、他に心当たりは?」
 「無いことは、無い、考えづらいけど・・・」
 あ、あるんだ
 「進化よ」
 「は?」
 「は?」
 「は?」
 今度は不審者以外の全員が一斉にあっけらかんとした声を上げ、不審者の方をあっけにとられ、見る、
 いや、ちょっと待って、デッキケースって機械だよね?
 なんで機械が勝手に進化してるの・・・?
 「恐らくは、デッキケースが外部のシステムを感受、取り込むことにより、新たなシステムが構築されたのよ」
 外部のシステム?それって、カーディンのシステムのこと?
 それならつまり、カーディンのシステムを感じ取ることにより、デッキケースのシステムがカードバトルで相手を倒すシステムを構築させたってこと・・・?
 なんか、ちょっと言い方がくどい気が、進化だの感受だの・・・
 「ん?ちょっと待って、じゃあ・・・、とすると・・・あのデッキケース・・・」
 なんだ、いきなり口元に右手を持ってきて考え事を始めてからに・・・
 刹那、不審者が僕の方に顔を向けてきつつ右の手を口の辺りから離し
 「少し、確かめたいことが出来たわ、博士、広い場所をお借りしても?」
 「構わんよ、今日は大掛かりな実験とかも無いからな、中央広場が空いとるじゃろ」
 ん?なんだろ、一体・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「さて、準備はいい?二人とも、デッキケースを構えなさい」
 空は青空が広がり、取り囲む様にかなり離れた場所に波打つ鉄板で立てられた建物が立っている、そんな場所で、
 不審者が、なぜか僕達と対峙している、
 まわりには、青いつなぎや白衣を着た人たちが心配そうに事の成り行きを見守っていており、
 僕たちは突如として、不審者によって博士の部屋から連れ出され、どうしてだかこんなところに連れてこられたのだけど・・・
 「カーディンの検査は・・・中止よ、私がいなくても検査は出来るけど、これは私自身で確かめておきたいから・・・」
 とかいう台詞付きで、カーディンの検査を一旦中止してまで・・・
 と、不審者の右後ろに立つ博士が、不審者の方を目を少し細めて心配そうに見
 「いいのか?ちゃんと話せたのか?」
 「問題ないわ、別に殺す気じゃない、ただ、力を見たいだけよ、新しく構築されたシステムと一緒にね、さ、あなたはここの人たちに注意を呼びかけなさい、ここは少しの間危険な場所になるからね」
 「う、うむ・・・」
 不審者の言葉を聞いた博士が、突如両手を広げて口元左右に当て
 「お前ら~!!怪我したくないならもっと離れろ~!!いざって時は逃げるんじゃぞ~!!」大声を出す!!
 博士の叫びを聞き、まわりの人たちが方々に散っていく
 「あなたも離れなさい」不審者が僕達の方を見据えながらおそらく博士に向かい言葉を放つ
 「あ、ああ・・・」
 その声を聞き、博士があわてて後ろの方を向いて走り、かなり離れたところからおそるおそるこちらの方を見返してきた、
 「さぁ、もう一度言うわ、デッキケースを構えなさい、構えないなら、こっちから行く!!」
 刹那、不審者がコートの中に右手を入れて四角い何かを出し、前に突き出してきた!!
 それは、灰色の縦にちょい長の長方体で、中央にただただ小さく、鋼の歯車を模したオブジェが埋め込まれている
 「召喚!!鎧機・震!!」鎧機・震っ!?
 次の瞬間、上の方から人型の機械が降ってきて、地面に着地した!
 ズドンッ!!
 それは、大きな音を立て、床のコンクリートを振るわせていく!!
 そこに立っていたのは、騎士を模したマッシブな機械の巨人!!
 全身を西洋の騎士と思わせるような鋼の甲冑が覆い、頭の上に鉄のとさかが存在し、
 左腰元には巨大な片刃の剣を携行し、全身の鎧の隙間からは鋼色のマッシブコードが垣間見え、
 背中に戦闘機の銀翼を一組とロケットエンジン二つを持ち、兜の目の隙間から見える黄色い機瞳でカーディンを見据えている!!
 っつ!あれは、メカロード 鎧機!?実際に見ると威圧がきついな!!
 でも、メカロード 鎧機って確か、あれは名前少し違うけど、でも、映命さんが使ってた・・・いや、ちょっと待って、映命さんで思い出したけど、確か病院で・・・
 「鎧機、そうね、あの子を少し小突いてやりなさいな、ゆっくり歩いていって、ね」
 聞えた声に慌てて思考を中断し正面を向き直ると、不審者がいつの間にか左手の人差し指を伸ばして僕の方を指し示していた!!
 鎧機が不審者の指示を受け、ゆっくりと僕に向かい歩き始める!!
 ズガンッ!!
 「やめろっ!!」
 そこにカーディンが僕をまたいで走り出し、右拳を振り上げ、鎧機の胴に向かって叩きつける!!
 ガインッ!!
 しかし、カーディンの拳は弾かれ、カーディンは少し離れたところに着地する!!
 「カーディンッ!!」
 「鎧機!!障害を排除しなさい!!拳を一発当てるだけでいいわ、ただし、周りにいる人間たちには誰一人として危害を加えないように!!」
 「このおっ!!」
 カーディンが再び右拳を振り上げ、鎧機に向かって行く!!
 そして、その拳を、今度はいきなり下に回し、下から鎧機の腹に向かって叩きつけた!!
 ガンッ!!
 しかし、鎧機は全く動かない!!
 さらに、鎧機が右拳を振り上げ、前方内側に向かって振り降ろし、カーディンを左の方に吹っ飛ばす!!
 ズガァ!!
 「ぐぁ!!」
 だが、カーディンはあまり吹っ飛ばず、倒れただけ、まわりの人間たちに危害を加えないようにという命令が効いているのだろう、現に、カーディンが倒れこんだ場所には、先の方に白衣の人と青いつなぎの人がいるだけで、カーディンが倒れこんだ場所自体には誰一人としていなかった
 そこを、鎧機はカーディンの両足をまたぎ、ゆっくり進む
 ズガンッ!!
 「まだだぁ!!」
 カーディンが両手を地に付け伸ばし足を曲げて鎧機の下から抜いて立ち上がり、僕の前まで走ってくる!!
 「双歩!!行けるかっ!?」
 「もちろん!!」
 右手に持ちっぱなしのデッキケースのふたをデッキケース手前左に左手親指を入れて開け、
 デッキケースから出っぱなしのカードをその左の手に取ってデッキケースに放り込みデッキケースのふたを閉める!!
 そして、デッキケースを前に突き出す!!
 すると、デッキケースが一瞬光り、僕の前に半透明で緑の角の丸い四角い板に緑の画面が現れた!
 緑の画面には向こうで前後反転させた緑の半透明の角の丸い四角い板が写され、
 そして、僕がそのデッキケースを緑の半透明の板左側に置くと、デッキケースからデッキがはずれてシャッフルされ山札になりながらその場に置かれ、
 デッキケースの方は上下反転すると共に山札の左側に移動し、
 っと、今回は画面に手札を引けとだけ出てるな、っていうことは、2T1S5Tルールか!
 右手で山札からカードを引いてチラリと見つつ左手に移して手札とする、
 これを計五回繰り返し、手札に五枚のカードを溜め、
 さぁ、2T1S5Tルールのカードバトル開始だ!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/7 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話7 テガカリトデンキシンゴウ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 まずは、何もカードが置かれていない、板右側のチャージゾーンに向かって、
 「リチャージ!」
 「ほう!ようやくやってきたな!!」
 不審者が叫ぶ間にも淡々と山札に右手をかけ、一枚、引くっ!!
 「ドロー!」
 「ならば、こっちも本気を出そうか!」
 突如、不審者が右手を思い切り振り上げる!!
 「ビット、射出!!」
 鎧機の背中から左右にそれぞれ、突如、二機のハニカム構造の小型機械が飛ぶ!!
 それは黄色く六角形の横向きの短い柱と、その左右に大きな六角形の盾が、
 上に飛行するための前後に大きなプロペラの付いた機械!!
 「さらに!!衝撃!!」
 鎧機が両手を開いて一気に前に出す!!
 すると、鎧機の体からあたりの景色が歪んでいく!!
 「ぐっ!!これはっ!?」
 カーディンがいきなり姿勢を下げその右膝を床に付けた!?
 「カーディン!?」
 「なに、ちょっとした衝撃波を発し続けるだけさ、でも、鎧機に近づこうとしたらきついだろうね!!おっと、ビットと鎧機にはこの衝撃にきちんと耐えられる構造だからね!!」
 続けて、エルドガンがそのデッキケースを持ったままの右手を前に出す!!
 「続けて、パワーチャージ!!」
 鎧機がその両手を握って上に上げ、頭の上で勢いよくぶつける!!
 ガチン!!
 と、その勢いからか、鎧機の両拳から両腕にかけ、微弱な電流が流れた!!
 ああっ!?今のパワーチャージでハンドカード使ってせっかく減った画面に映る向こうの手札が・・・戻ったぁ!?
 ズガンッ!!
 またも鎧機がゆっくり進む!!
 ええいっ!こうなったら、やれるまでやる!!
 今引いたカードは、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2!!
 で、残りの左手の手札は、バトルマシンズ カーディン カーモード、バトルマシンズリッグエース、バトルマシンズリブブースト、電撃付きトランプ爆弾スペード8、電撃付きトランプ爆弾ハートの9、
 ええっと、これで勝てるのか?
 でも、こうしてこうしてこうすれば・・・よし!!
 なら、とりあえず、こいつだ!!
 右手にある、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2のカードを左手の手札に移し、
 続けて、左手の手札から、右手で一枚のカードを引いて緑の半透明の板中央少し奥の1番に置き、
 残った手札を全て、一気にチャージゾーンに裏側で置く!!
 「セット!」
 「ほう!カードバトルやってるじゃないか!!」
 ズガンッ!!
 鎧機がこちらにゆっくりと歩
 「うおぉおおおお!!」
 刹那、カーディンが立ち上がり、僕の前に立って、鎧機との間で立ちはだかる!!
 「双歩!行くぞ!!」
 「うん!!」
 カーディンの声に首を大きく縦に振って応え、右手で、1番に裏側で置いたカードを表にするっ!!
 「オープン!!バトルマシンズ カーディン カーモード!!」
 「さぁ!鎧機!!そろそろ走り出せ!!」
 「はぁああ!!」
 カーディンの両腕が横に180度回って上がりつつ両肩に収納されてその両肩が上に上がって完全に頭を閉じ、
 続けて胸のパトライトが上下対象となるようにパトライトが下から振り子が上がるように上がって特徴的なX字型のパトライトとなりつつ、
 腰が180度回り両足が膝を曲げるように上がってX型のパトライトを頂くパトカーとなる!!
 「双歩!横に避けろよ!!」
 「わかった!!」
 ズガンッ!!
 一気に鎧機がこちらの方に走り出してくる!!
 それに対し、カーディンも一気に走り出す!鎧機を足元からすくってこけさせる気だ!!
 慌てて左の方に走りつつ、バトルマシンズ カーディン カーモードのコストとして右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!!
 「僕はバトルマシンズ カーディン カーモードのコストにバトルマシンズリッグエースを指定!」
 と、緑の画面の向こうでも、鎧機・震のコストとしてカードが表に!!
 メカロード 燐機・荒、メカロード 堤機・率、機振 メカロード、機突 メカロード、どれもコスト2以上のモンスターか戦闘前タイミングのリサイクルカード!!
 よし、向こうに発動できるカードは無い!!これなら、バトルマシンズリッグエースを発動出来る!!
 「僕はバトルマシンズリッグエースの効果を発動!!バトルマシンズリッグエースを裏に返して、バトルマシンズリブブーストをコストとして表にして手札に戻しつつ、バトルマシンズリッグエースの効果でバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2をコストとして表に!!」
 と、カーディンが車形態のまま鎧機の足元に迫る!!
 「させない!ビット!!あいつを挟み込め!!」
 「なにっ!?」
 エルドガンが左人差し指でカーディンを指し、カーディンの声が聞こえた次の瞬間、二機のビットがカーディンをその盾で挟み込み宙に浮かぶ、
 「吹っ飛ばせ!!鎧機!!」
 そこに、鎧機が右拳を振り上げ、宙に浮かされていたカーディンをぶん殴る!!   カーディンが殴られた衝撃からか変形もせずにぐるぐると回転して吹っ飛び、僕の右の方に向かって来る!!
 カーディン!変形できないのか!?あのままじゃ着地できなくて向こうの建物に!ええい、それなら無理矢理っ!!
 「僕はバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を1番に召喚!!コストには、バトルマシンズ カーディン カーモードを指定!!」
 「プログレスチェーンジ!!」
 カーディンが叫び、回りながら前部が開いて両肩になりつつドア部のあたりが脇を閉めるように下の方に下がって横に180度回転、タイヤ部を外側に出して両腕と化し、
 開いたところから頭部が出現、頭部の額に付いたパトライトと羽のエンブレムがきらりと光り、
 後部が曲げていた足を伸ばすように外装ごと伸びながて両足を形成しつつ腰が180度旋回し、
 胸の部分となったX字のパトライトの下の方二つが根元の部分から内側に回るように上がって収納され、胸のパトライトが緩いV字のパトライトとなって、
 パーポーパーポーと音を出しながら光る!!
 そして、下の方に後ろのコンクリートを引きはがしながら着地!!
 後ろの方の建物の寸前で止まりながらその右拳を突き出した!!
 「カーディン!大丈夫!?」
 「ああ、なんとかな!!助けてもらってすまない、それでは、もう一度行くぞっ!!」
 カーディンが再び鎧機に向かって走り出す!!
 ん?いつの間にか緑の画面に表示が・・・もしかして、さっきの鎧機の拳は、このメカロード 鎧機・震自身の効果か・・・
 鎧機とカーディンが走り込み、鎧機が右足を前に振り回す!!
 カーディンがこれを鎧機の右の足前すんでの所で止まってかわしつつ右拳を振り上げ殴り掛かる!!
 対する鎧機が左手を大きく払ってこの拳を払いながら自身の右拳を振り上げ叩きつける!!
 カーディンはこの拳を後ろに下がって衝撃を弱めながらその両手で受け止め、掴む!!
 「もらった!!」
 カーディンはそのまま右手を離して握り右拳としつつ振り上げ鎧機の右腕に叩きつ
 「まだだ!!腕だ!!ビット!!」
 刹那、エルドガンの言葉を受けたビットが、一体がカーディンの右腕を、もう一体がカーディンの左腕を、ビット同士が交差するように体当たりし攻撃!!
 「うどわっ!!」
 カーディンがひるみ、右拳を止めつつ左手も鎧機の右腕から離してしまう!!
 そこで鎧機が右拳を後ろに下げてその勢いで反対側の左拳を繰り出してくる!!
 この左拳をカーディンがとっさに右拳を打ち込み打ち消し受け流し、この流れを利用して今度は右側から内側にえぐるように前に跳躍しての右足跳び膝蹴り!!
 右足跳び膝蹴りが見事に鎧機の腹部に決まる!!
 ガツッ!!
 鎧機が吹っ飛ぶ!!だが、鎧機はものの見事に着地し、そのまま着地時の反動を利用して前に跳びつつ右拳を突き出してくる!!
 これをカーディンが左手で受け止め、
 「ビット!!背中を!!」
 瞬間、エルドガンの指示を受け、またも二機のビットが飛ぶ!!ビット達はそのままカーディンの背中を捉えて下の方から上に向かって自身達で交差するように自身の盾をカーディンに叩きつけた!!
 「ぐわっ!!」
 カーディンがひるんだ瞬間、鎧機の左の拳が突き出される!!
 「ぐわぁ!!」
 カーディンが吹っ飛び、背中から仰向けに倒れ伏す!!
 そこに鎧機が歩いて近づき、カーディンの前に立つ!!
 まだだ、もうちょっと、もうちょっと・・・
 そして、その右拳を、カーディンの真上に振り上げ振り下ろしていく!!今だっ!!
 右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!!
 「僕はバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2の効果を発動!!手札にあるバトルマシンズリブブーストを見せ、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2をチャージゾーンに戻す!!コストにはバトルマシンズ カーディン カーモードを指定し、バトルマシンズ カーディン カーモードを2番に召喚!!こっちのコストには電撃付きトランプ爆弾ハートの9を指定して、電撃付きトランプ爆弾ハートの9を手札に戻す!!」
 カーディンがパトカーに変形し、こちらの方に走り出す!!
 鎧機の右拳が振り下ろされ、コンクリートに穴を開けた!!
 「まだ動けたですって!?」
 エルドガンが驚いた声を上げている間も、カーディンは大きく前に回って横から再び鎧機の元に向かい、ロボモードに変形して跳びつつ右拳を振り上げ突き出し、鎧機の顔を横から殴り飛ばした!!
 よし、ここからは一気に行くぞ!!まずはこっち!!
 手札の一枚を右手で引いて前に出し宣言!!
 「僕は電撃付きトランプ爆弾ハートの9の効果を発動!2番のロード・オブ・ザ・ビットのパワーは鎧機・震の効果を考慮してもパワー500だからトラッシュに送れる!!コストには自身の効果で裏にしたバトルマシンズリッグエースを指定!!」
 と、僕の前にいきなり一枚のトランプが現れた!!
 ・・・え?僕が投げろってことかい!?
 ええい、迷ってる暇はない!!
 発動した右の手の電撃付きトランプ爆弾ハートの9の緑の半透明の板に置きつつトランプを右手に取る!!
 外しても知らないからなっ!!
 鎧機の左側にいるビットの方をよく見て、トランプを親指と人差し指ではさんで思い切り右手右腕を曲げて左肩の方に持ってきて・・・
 ・・・・・・・・・・・・そこだっ!!
 唐突に、投げるっ!!
 投げられたトランプは、回転しながら大きくカーブを描き、吸い込まれるようにビットに向かって飛んで行く!!
 「鎧機っ!!ビットを!!」
 そこに鎧機が右手広げて出す!!
 カッ!!
 僕が投げたトランプは、ものの見事に、鎧機の右手の平に突き刺さっていた!!
 相殺か!?ちぃい!このままビットを撃破して、その勢いでカーディンに攻撃してもらおうと思ったのに!!なんてね!!
 右手でチャージゾーンのカードを表に!!
 「僕は今度は電撃付きトランプ爆弾スペード8を発動!!コストにはバトルマシンズリッグエースを指定!!今度こそ、2番のロード・オブ・ザ・ビットをトラッシュに!!」
 と、いきなりカーディンの右手に巨大なトランプが現れる!!
 「なにっ!?」
 エルドガンが驚いた声を上げる中、カーディンが空中で鎧機を蹴って吹き飛ばしながら左に大きく跳躍しつつトランプを持った右手を振りかぶり、ビットに向かって投げる!!
 同時にカーデインがパトカーに変形し着地、走り出す!!
 「鎧機!!ビット!!あっちのビットを!!」
 だが、吹き飛ばされた鎧機がとっさに跳躍しても、もう一つのビットが一生懸命飛んでも、間に合いはしない!!
 ガスッ!!
 ビットにトランプが刺さり、ビットが爆発!!消滅した!!
 そのままそのビットの下をカーディンが走って通りすがり、鎧機の向こうのエルドガンの方に向かう!!
 「プログレスチェーンジ!!」
 カーディンが変形し、その右拳を振り上げ、エルドガンに叩きつける!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/8 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話8 テガカリトデンキシンゴウ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「・・・」
 見ると、カーディンはその右拳をエルドガンに叩きつける寸前で止めていた、
 エルドガンがその右の拳をじーっと見つめている、
 その中で、カーディンが静かに拳を引く
 「ふう、肝を冷やしたわ・・・」
 ズガンッ!!
 鎧機がこっちの方に向かって歩いてきた!!
 「あ」
 「あ」
 こっちを見てポカンとするエルドガンとカーディン、
 っていうか、あ、じゃねぇ!!何とかしろ!!
 鎧機が僕のそばまで来て、その右拳を振り上げる!!
 ええい!三十六計逃げるにしかず!!向こうの方を向いて、って前にビットが回りこんでき
 「鎧機!ストップ!!」
 エルドガンの声が響き、後ろから向かい来ていた鎧機の拳の気配が止まる!!
 おそるおそる後ろを振り返り・・・
 うわ・・・いつの間にか拳が寸前まで来てたよ・・・
 前回はアリスやらジョーカーやら本体の方を吹っ飛ばしたからなのかいつの間にかこっちに向かってたやつらが消えて、それで僕や轟さんが無事だったわけだけど、今回は冷や汗が縮み凍ったというかなんというか・・・
 「鎧機!そのまま体育座りして座ってなさい!!ビットも仕舞って!!」
 残った1つのビットが鎧機に戻り、鎧機が腰を降ろして足を三角にし、その足に両腕を回し座る、
 ほっ・・・思わず胸をなでおろし、安心する・・・
 「すまないな」
 エルドガンがこちらの方に歩いてきた、そして、僕の前に立ち止まる、
 思わずエルドガンに向かい、
 「まったく、ヒヤヒヤしたよ」少し安混じりにつぶやいた
 「いやいや、本当にすまなかった」
 っと、この人にはいくつか聞きたいことがある、とりあえずは・・・
 「ところで、この鎧機って、どうするの?」
 「時間が立てば消えるさ、ブースター使ってないし、数分程度あれば」
 ふうん、そうなんだ、
 チラリと鎧機の方を見ると、鎧機はいまだに律儀にも三角座りをしていた・・・僕はエルドガンに視線を戻し、
 じゃ、次の質問、
 「この鎧機を呼び出したやり方の召喚、僕でもできる?」
 「無理だな、デッキケースの機械の一部を抜いてカーディンの側に入れてある、他にも、この研究所に預けてあったやつも同じで、機械は抜いてある、そもそも、カーディン内にデッキケース一式が入ってることが前提だったから、使えないんだ、研究が進めばどうにかなるかもしれないが、もっとも、その状況になったら、今見たくカードバトルでなんとかしたほうがいいと思うがな」
 そうか、できないのか・・・
 よし、それじゃ、とりあえず、これで最後、
 「エルドガンさん」
 「なんだ?改まって?」
 エルドガンがまっすぐに僕を見据え返してくる、
 「芽工 映命という女の子に心当たりは?」
 「ほぅ・・・」
 すると、エルドガンがいきなり僕の左の耳元に口元を近づけ、小さな声になり、
 「私の正体を何だと思ってる?」
 思わず、僕も小さな声になる、
 「それは・・・」
 あ・・・
 いつの間にかカーディンと博士が近づいて左手を顔面左側に当て、聞き耳を立てていた・・・
 「カーディン・・・博士・・・?」カーディンが突如口元に右手を丸めて当て
 「ごほっ!!ごほっ!!」咳き込む真似をし「すまない、離れる」
 「あはは、ついな!!」
 博士と共に向こうに離れて行く、まったく・・・
 「で、さっきの話なんだけど・・・」
 あ!そうだった!!
 再度、エルドガンの方を見て、極力小声で
 「正体はよくわからないけど、映命さんの治療をしてるの、あなたでしょ?映命さんがメカロード 鎧機のカード使ってきてたし、後、僕が目が覚めた時にいろいろ言って出て行ったのもあなたでしょ?お医者さん、なんだよね?宙理 向衣(そらり むかい)さん?これも偽名でしょ、それと内科だっけ、もしくは、医療技術者?」
 そうだ、この人が病室に来たあの時、映命さんが反応したのは、この人がなんやかんや言ったからではなく、この人の声に聞き覚えがあったからだ、
 言葉を発するのが遅きに失したせいか、この人が出てった後になっちゃってたけど、
 と、エルドガンが改めて僕の左耳に近づき、
 「確かに、芽工 映命という少女の体にあの機械を埋め込んだのは私、元は体の細胞から体の一部分を一時復元させる機械なんだけど、心臓は残ったとはいえ、さすがに半身すべてを行ける確証はなかったわ、あの子の生命力で何とか行けたけど、でもね、目の前で事故られて死にかけてたらどうしても助けたくなるのよねぇ・・・」
 「そ・・・それは・・・仕方ないと思います・・・」
 「後、勘違いしているようだけど、私は医者でも、医療技術者でもないわ、ただ単に、それに近い、たとえば、生命に近い研究をしてるってだけ、あの機械だって、人だけじゃなく、大抵の動物に使える代物なのよ」
 は?ちょっと待って・・・
 「じゃ、じゃあ、なんで、病院で医者としてふるまったり、映命さんの治療をしたり、僕の前にしゃしゃり出てなんて・・・」
 「だって仕方ないじゃない、あの機械、私が作った物で、私しか動作やらなんやらわかんないんだから、色々病院と交渉して、あの子を怖がらせないように、医療用機械の開発協力、埋め込んだお医者さんという体を装ってるのよ、ま、その後おせっかいで病院側を手助けしたりもしてたけどね、手持ちの機械で医療に協力したり、医療機械の改良を助けたり、色々事情があるとはいえ、ちょっと突飛なアイデア入った機械の設計図を渡して、それを病院の所属している人の発明として出させてあげたりとか色々、後、私があなたの診察をしたのは、あなたが倒れた原因がデッキケースにあったからよ、実際は、そんなに心配するほどでもなかったけど」
 こっちは三日ほど寝込んだんだけれど・・・
 それに・・・なんか、色々病院側に力を貸してるみたいだ、なるほど、納得がいった、病院側もこの人の事、警察に言いたくないわけだね、いろんな意味で・・・・
 「とにかく、話は終わり?」
 「あ、はい、僕の方からは今は聞きたいことはありません」
 「そ・・・」
 エルドガンが僕のそばから顔を離す、
 ううん、に、しても、生命に近い研究、ねぇ・・・
 なんか、会う前から胡散臭いと思ってたけど、それが今にもまして強くなったような気がする・・・
 生命に近い研究なんて胡散臭い物の筆頭だからだろうか・・・
 「おお~い!!もういいか~い!!」
 と、向こうにはなれてた博士が近づいてきて、その後についてカーディンも歩いてきた、そして、エルドガンがそちらの方を向き
 「ええ、もういいわ」
 そう言って返す、そういや、僕はもう聞かれることもないよね、聞きたいことも聞けたし、なんか疲れたし、ちゃっちゃと帰りますか、
 「じゃ、僕はこれで!!」
 門の方を向き、歩き出す、帰る時は・・・ま、来た時と同じ方法で戻れば
 ガシッ!!
 突如、ジャケットの首後ろを何者かに掴まれた
 「なに帰ろうとしてんの?」
 この声は、エルドガン!?
 「いや、僕にはもう用事はないかと思って・・・」
 「あるわよ」
 「はい?」
 右から後ろの方を向くと、エルドガンが僕の襟首を右手で掴み、まるでにらむかのように僕を見据えている
 「今回のデッキケースの進化、私にとってもイレギュラーな事態よ、当然、あなたとカーディンからは色々データを取らせてもらうわ、なに、安心なさい、あなたの家には後で警察経由で連絡しといてあげるから、カーディンの再調整もあるし、少なくとも、朝までは帰れないと思う事ね」
 警察経由って・・・確かにエルドガンの声じゃ拒否されるよねってそうじゃなく!!
 「い・・・いゃぁあああああ~」
 思わず、かすれた叫び声を上げた僕であった・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/9 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ9

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「ふぁあああ~」
 Nue動物園前のバス停に止まったバスから降りたところで、僕は大きくあくびした
 ガチャ、ブロロロロ・・・
 ん?後ろの方から機械音に車が走っていく音・・・?
 見ると、左の方を向いた背後の白いバスが前部のドアを閉め、背後に広がる円状の道路を大きく時計回りに回って右の方にある円状の道路と繋がった道路に向かって行くのが見える、
 そっか、降りた客は僕が最後か・・・
 前の方に向き直ると、上に広がる青空の下、下に大きく広がる橙茶色の一枚板のコンクリートの床があり、その床のさらに左右には森が広がっていて、
 その中を、様々な人が正面の方に向かって歩いているのが見える、
 青いポロシャツとジーンズを着たおっさんとそのおっさんと手をつなぐ橙色の服と半ズボンをはいた五歳ぐらいの子供や、
 濃緑の上着とくすんだ長ズボンを着て頭に丸くたびれた茶色い帽子をかぶった老紳士と、そのそばに、濃紅のケープが付いたくす茶の上着と同じくす茶のスカートを着た白い髪の老淑女、
 めずらしい所では、それぞれ上着に赤と白、黄色と黒、青と緑の横縞長袖のシャツを着て、下に薄茶、黒、青のジーンズをはき、肩から大き目の黒、茶、青のショルダーバックをかけたポニーテール、ツインテール、サイド右テールの女性三人、
 向こうにいるのはカップルだろうか、逆立った黒髪長髪で白シャツ青ジーンズを着た男性に、針のように周りに伸びた長黒髪を持つ同じ白シャツ青ジーンズの女性が・・・よく見れば二人とも体型が似通っていて大柄でカップルかどうか友人なのか性別がどうなのかも遠目じゃわからん、近くに行けばわかるのだろうがそんなつもりはない、
 そして、それらを含めた人達が一様に向かう前方には、大きな看板を上に持つ、動物園のゲートが存在していた、
 左右の木々の間に道を阻むように忽然と立つそれは、人の入った少し縦長の部屋箱が三つ横に距離を取って並んだ感じになっていて、
 その箱は上が白く、下部が橙の煉瓦で、中ほど中央に透明な板が設置され、その板には下部に四角い穴が、中央に小さい丸が米字に並んだ穴が開いており、
 そこでチケットの売買ややりとりが行える仕組みとなっていて、
 その箱の上、というか、ゲートの上には、右から蛇、タヌキ、虎、猿が描かれ、下に赤く大きくNueと書かれた木の看板が掲げられている、
 よくもまぁ、あんな看板書くものだ、
 さんさんとした太陽と青空の下、その看板が輝いている、
 そう、ここはNue動物園、正式名称、鵺動物園、いっぱい動物がいそうな名前という意味合いらしい、
 正式名称知ってたら他のもんがいっぱい出てきそうだけど、
 とりあえず、看板やバス停の名前をローマ字表記にしただけでもお手柄だと思う、
 っと、ここにいたら邪魔か、僕も先に進んでおこう、そうだな、左の方に避けて待つか、まだ来てないみたいだし・・・
 あれから、大変だった、結局徹夜続きで今だに眠い、
 カードバトルのデータを取りたいからと何度も召喚した幻影をけしかけられたり、
 病院に逆戻りさせられて各種検査を受けさせられたり、
 なんか変な機械を付けさせられたり・・・
 カーディンの方も大部分をばらされたり、
 電気や熱や冷凍などのショックを与えられたり、
 僕のように変な機械を付け外しさせられたり・・・
 それでも好奇心が収まりきらないらしく、予定がない時はまた来いとか言われたり・・・
 いや、好奇心、か?
 なんか、好奇心だけじゃない、鬼気迫るかんじだったなぁ、
 あのエルドガンって人、僕に、いや、僕とカーディンに何を求めてるんだろうか、
 ただの研究対象、それ以上の重圧を感じる、もしかしたら気のせいかもしれないけど・・・
 っと、そういえば、忘れ物ないよな・・・
 いつもの服装の上にかけた、鋼色赤ふちの少し大きめのドラムショルダーバック、中央にHAGANEと赤ふちで書かれているしろものだが、
 その鋼色赤ふちのショルダーバックの前の方にある赤いチャックを右手で持ち、ゆっくり手前に引いていく、
 ジィイー
 中にあったのは、財布に、お弁当、水筒、携帯電話、これくらいである、
 もっとも、そのお弁当を水平に入れられるようにこれを選んだのだが、別に忘れ物はとりあえずなさそうだ、
 チャックを今度もゆっくり戻していき、最後まで戻して、
 ブロロロロ・・・キキッ!!
 ん?今のはバスの停車音?
 そこで、バスからたくさんの人に混じり、こちらの方に視線を向け、かけてくる一人の女の子
 「双歩さんっ!」
 それは、右半身に白い髪を、左半身に黒い髪をした女の子、
 今日は白のロングスカートワンピースを着て、その上に前を開けた黒の上着を着用し、
 下に白の靴下に茶の革靴を履き、後ろ腰元にはスカートの後ろからなびく白のベールがあり、左胸に金縁と黒で関の字が描かれたバッジをつけていて
 背中には茶革のリュックサックをかけている、
 そう、映命さんだ、
 その顔には、太陽に輝く満面の笑みが浮かんでいる、
 が、すぐに目じりを下げた心配そうな顔になり
 「あ、あの、待ちましたか?」
 「いいや、今来たところだよ」
 定型文だと一瞬思ったが、それ以外の文が思いつかなかった
 「そ、そうですか、よかった・・・」
 心配そうな顔から緊張が解け、元に戻る、どうやら、心の底から安心してくれたようだ、
 「それじゃ、早速行こっか?」
 「あっ、はい!」
 思わず声をかけてしまった、どうしてだろうな、じっとしていられない、
 足早に入口のチケット売り場の方に向かう、後ろからの気配から察するに、映命さんも付いてきてくれているようだ、
 そして、入口真ん中のチケット売り場まで行き、
 えっと、透明の板右側に白文字で料金が書いてあるな、一般500円、シルバー450円、小中学生250円、未就学児無料っと、
 ショルダーバックのチャックを右手で急いで開け、右手で財布を取り出し、財布を開け、
 左手で小銭入れのチャックを開けて百円玉二つと、えっと・・・ああ、十円玉五枚あった!!
 改めて百円玉二つと十円玉五つを取り出し、目の前の透明の板、下の四角い穴に入れる、
 「チケット一つ!」
 「はいよ」
 奥にいた水色つなぎとつば付き帽子をかぶった後ろちぢれ毛体型太目化粧濃いおばちゃんが左手でお金を受け取ると、
 右手で左側の四角い薄い木の箱の中に入った緑色の四角い紙切れを取り、いつの間にかお金を何処かに置いた右手でその紙切れの左の方を大きめにちぎり、
 右手に持つ方を渡してきた、
 出された紙には、薄緑の草原を背景に、上の看板と同じく蛇、タヌキ、虎、猿が描かれ、中央下に赤い字黒ふちで順に小さくなるように立体的にNue動物園と書かれており、全体外ふち当たりにもこまごまと黒い字で色々と書かれてある、
 「どうも」
 左手で紙を受け取り
 「それは今日中の再入園につかえるからね」
 「へ~い」気楽に返事を放つ、
 とりあえず、その時に取り出せばいいだろう、
 紙持つ左手で財布の小銭入れのチャックを閉めてそのチケットの半券を手放し、財布と共に閉じて一緒にカバンに放りこみ右手でバックの奥からチャックを閉め、
 おばちゃんの入った箱の左側に向かって歩き出す、
 「そのチケットは今日中の再入園につかえるからね」
 「教えてくださってありがとうございます」
 聞こえた声に後ろを見ると、映命さんが右手にリュックを持ち、わざわざ箱の中のおばちゃんに向かって頭を下げ、お辞儀をしていた、
 別にあそこまでやらなくてもいいと思うけど・・・
 そして、映命さんが頭を上げ、リュックの中に左手のチケットと茶皮で金属ハートのワンポイントの入った財布を入れつつリュックの中左から上、中右部にわたって付くチャックを左の手で左から右に閉め、リュックを背負い直しつつこちらの方に歩いてきた、
 「さぁ、双歩さん、何を見に行きましょうか?」
 「え~っとそうだねぇ・・・」
 思わず周りを見渡す、と、
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Wカードフュージョン 7話/10 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード


カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ10

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「あ、あった!!」
 入口のすぐ後、少し行った先の床のコンクリートの中央にある、そこかしこにある細長いブロックが囲っているコンクリートに開いた大きな丸い穴、や、その中に敷き詰められた土、その土に植えられた木々、
 それらの中に、それはあった、
 木を直線が歪んだ平行四辺形の形に切って周りを木の外皮をイメージして塗装し、
 下左右にある二本の、木のような足で支えた看板、
 そこには、この動物園の全体図とどの動物が何処にいるか、どこに施設があるかが絵と文字付きで詳細に描かれていた、
 やっぱり、この動物園は看板にいた蛇、猿、狸、虎が見物なのだろうか、それぞれ斜め下左右、上左右に配置されているが・・・
 そういえば、よく見れば大きく円状に道路が回っているように見えるな、それなら、右か左の方から回れば・・・
 「あの・・・」
 あ!!
 「なに?映命さん?」
 後ろから掛けられた声に、思わず右の方から視線を向ける、
 「私、兎とか、かわいい物が見たいんですけど、いいでしょうか?それとも、ライオンから見た方がいいでしょうか?」
 ライオン?なんでだ?
 否応なしにレオン君の顔が思い浮かぶ、
 って、あいつら全員動物の要素があるせいで否が応でも思い浮かんでしまうわけだけど・・・
 それとも映命さん、どこかであのレオリングの姿を見たか?
 ライオンはここから右の方にいるみたいだけど・・・
 ううん・・・ここは・・・
 「いや、映命さんが見たいものから見に行こう、えっと、兎は・・・」
 目の前の看板を見ると、兎は左上の方にいるようだ、狸もそばにいるよう、正面から行けば早いが、そのルートだと他の動物が見れない、
 どうやら、中央付近に動物を置かず、ぐるりと回って見るような構造になっているみたいだ、そのかわりに中央には休憩所兼総合センターが置かれている、円状の道路はそのためか・・・
 「一気に兎まで行かず、左の方から色々見つつ進んでいこう、それでいい?」再び右の方から映命さんの顔を見る、映命さんは優しく微笑みを浮かべ
 「はい!」返事を返す
 「それじゃ、行こう!!」
 左の方にある並木道に向かって歩き出す、左右に森のような木々が生える少し狭めの道、
 といっても、先の方にはすでに左右の木立の間から黒い鉄棒の檻が一部見えており、そんなに長い道ではないのだけど、
 そういえば、こういう場は初めてだ、家族で出かけることはあったけど、同年代の女の子と二人きりで出かける、ねぇ・・・
 祖父祖母の家に妹と一緒に行ったことがあるけど、あれとは違うし、
 なんていうか、最近忙しくてこれも、流れの一つにしか感じない、本当ならもっと色々考えてしまうところなんだろうけど・・・
 そういえば・・・
 「映命さん?」
 「はっ!はいっ!?なんでしょうかっ!?」
 なんだ、いきなり動揺して・・・?一瞬左から後ろを向くが、映命さんは、顔が少し赤くなってこちらを見ていただけで変わりはなかった、おそらく、突然の僕の言葉で驚いただけだろう、っと、質問質問、
 「そういえば、さっき、ライオンを見たいんじゃないかって言ってたよね?なんで?」歩きながら質問をする、
 ライオンは確かにかっこいいけど、今の僕からしてみればあまり見たくない物の一つだ、
 それに、僕はライオンに対して特別な行動とか言葉を吐いたことはない、はず、
 映命さんがああ言っていたということは、何か理由があるはずだけど・・・
 「あ・・・あの・・・病室で、ライオンの絵があったのを見て、それで、双歩さんも、ライオンが好きなんじゃないかって・・・」
 「あ・・・あの絵か・・・」
 なるほど、病室にあったあの絵を見たわけね、それでライオン好きと勘違いしたと、
 あの絵は轟さんが持ってきたもので、
 要はレオリングの絵なのである、本来は似ているかどうかを僕にも確認してもらうために持ってきたわけだ、
 でも、その絵を僕は少しの間借りていた、あの絵があまりにも見事だったから・・・
 その姿を、少しでも目に焼き付けておきたかったんだ、一緒にレオン君の絵も借りて・・・
 「なんてことないよ、ライオンがらみでちょっと厄介事があっただけ、他に何も無いし、とりあえずは解決したから大丈夫」
 「そう、ですか・・・」
 少しだけ息を吐くような音がした、厄介事と聞いて少し心配したんだろう、
 もっとも、そのライオンがらみの厄介事は、本当にとりあえず解決しただけ、
 きっとまた来るだろう、レオリング・メタルと、獅子堂レオンは・・・
 っと、待てよ、僕がライオン好きだって勘違いしてたってことは・・・
 「じゃあ、動物園をチョイスしたのも?」
 「あ・・・はい、ライオンが見たいものだと勘違いして、それに・・・」
 「それに?」
 チラリと左後ろの方を見ると、映命さんが顔を少し下にうつむかせている
 「その・・・遊園地も、映画館の入ったショッピングモールも、両方とも休みだったものですから・・・」
 あ・・・両方ともリュッケンの襲撃でぶっ壊れてたっけ・・・
 なるほど、その二つに行けないとなると自然と他に選べる場所も限られてくると、
 妙に人が多いと思ったらそんな理由もあるのか・・・
 「あの・・・迷惑・・・でしたか・・・?」
 迷惑・・・ねぇ・・・
 「そんなことないよ、楽しい、そもそも、迷惑なら初めから断ってる」横を向いて映命さんの方に視線を向け、精一杯の笑顔を浮かべる
 「そ!そうですよね!!よかった・・・」
 またも映命さんが少し息を吐きホッとした表情を浮かべる、
 そう、楽しい、世辞ではなくこれは本心だ、自分でもどうしてなのかよくわからないけど・・・
 っと、少し開けた場所に出た、
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/11 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ11

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「さて、まずは少しだけ右の方から見るかな・・・」
 誰ともなく、ひとりごち、右に向かって歩き始めた、
 開けたところには檻二つ、
 向かって右にあるのは大きな蛇が入れられた檻、立てられたいくつもの鉄の棒で出来た檻の中に、
 どうやら、大きく透明な円柱状の板で出来たケージが貼られているようだ、
 中にはコンクリートの床に朽ちた大きな木が入れられていて、奥の方には切り抜かれたようなドア状の出入り口も見える、
 そして、肝心の蛇はといえば、朽ちた木の中に隠れているのを見つけた、日に当たるのが嫌いなのか、はたまた昼寝中なのか・・・
 蛇の檻の反対側の左奥の方にも別の檻があるが、とりあえず、近い蛇の方から見よう、あの様子だと、すぐに別の檻に行ったほうがいいのかもしれないけど・・・
 と、檻の方に近づくと、朽ちた木の中からのっそりと蛇が出てきた!
 緑がかった茶色のまだら模様のとても大きな蛇で、その長さは人間を優に超える、太さも人間の腕を一回りほど上回っているようだ、
 そして、その蛇も、僕に気があったのか僕の方を向いてゆっくりと僕の方に近づいてきて、
 檻越しに僕の方を、正確には、僕の少し右の方を向き、
 「シャー!!」
 「きゃっ!!」
 え?映命さん?
 声が聞こえた右の方を見ると、映命さんがひるみ、一歩下がっていたところだった、蛇が威嚇したのは映命さんの方・・・?
 「大丈夫?」
 「あ・・・はい・・・あ・・・あの・・・」
 ん、一体何だろ?
 「なに?」
 「私・・・嫌われちゃった・・・でしょうか?」
 「蛇に嫌われるなんていい事じゃない、蛇は悪魔の化身とも言われてるんだから、さ、行こ、いつまでも嫌な場所にとどまる必要なんてない」
 「そ・・・そうですよね!」
 映命さんが頬をほころばせて喜ぶ様子を見た後、急ぎ、左奥の方にある檻に方向転換、映命さんと共に、そちらの方に向かって行く、
 その先にあったのは、大きく一段下がった丸い穴のような場所、
 周りを黒い鉄棒で作られた少し高めの持ち手が覆い、
 下の方にはコンクリートで作られた山が存在していて、そこには灰色の毛皮を持つ狼たちがたくさん存在していた、
 狼たちは黄色い目で辺りを見回しつつそこかしこで歩いていたり、体を横たわったりしている、
 朽ちた木の中に入っていた蛇の檻とは違い、そこここに人々が狼の方を観ているのが見てとれた、
 狼か・・・そういえば、リュッケンの奴、二度目に倒した後は、ワザとらしい行動をしてまで、レオン君達を連れて撤退していったな、
 僕達は、リュッケンに救われたのだろうか?
 ま、何でもいいや、こうやって、生きてるんだから、
 礼をするなら・・・そうだな・・・今度リュッケンにあった時に、思う存分相手してやればいいだろう、どういう形で相手するのかは状況によるだろうが・・・
 「あ・・・あの・・・双歩さん・・・?」映命さん?
 思わず、左の方の映命さんの方を向く
 「なに?映命さん?」映命さんが少し唾をのむようにこちらを見ていた
 「あのっ!!ライオンはいろいろあったということで、じゃあ、狼は好きでしょうかっ!?」
 「狼ねぇ・・・ふふっ」
 「な・・・何を笑って・・・」
 「ごめんごめん、なんか、少し笑っちゃった、」
 そうだよね、なんで笑っちゃったんだろう?
 映命さんが必死になって、僕の事知ろうとしてくれるから・・・かな?
 っと、そんなこと考えるよりも、
 「質問に答えるよ、今はあまり好きじゃないんだ、ごめんね」
 「じゃ、じゃあ、犬と猫なら、どっちが好きでしょうか?」
 「それも・・・よくわからないや、どっちを飼ったこともないし、ね」
 「そ・・・そうですか・・・」
 映命さんが残念そうに顔を下に向ける、そういえば・・・
 「それじゃ、映命さんはどっちが好きなの?」
 「わ・・・私はその・・・どっちも、あまり・・・」
 「もう、映命さんも答えられないんじゃない」
 「あっ・・・ふふふっ、すいません」
 なぜか互いに吹き出しそうになりながら問答している、どうしてなのかは僕にも、多分、映命さんにもわからな・・・
 ん?視線?檻の方から?
 檻の中を見ると、なぜか、狼たちがチラリチラリとこっちの方を時折見ている、
 他に観客がいるにもかかわらず、明らかに僕と映命さんの方を見ているのだ、
 向こうの方の山の上で座っているのなんて明らかに僕達の方をガン見しているし、
 なんなんだろう、一体・・・
 「映命さん、もう行こっか?」
 「あっ、はい!!」
 視線が何処か気持ち悪く感じ、映命さんの意志を確認した後、その場を離れる
 さっきの蛇の事といい、何かあるのか?
 その後、左の方にあったカメレオンの檻でカメレオンが舌を伸ばして飛んでた虫を捕まえるのを見、
 右の方の檻で象が水浴びしているのを観覧して、
 また、その右隣の檻でサイが角を振り上げるのを眺めてみたりした、
 が、蛇や狼を見た時に感じた違和感は全く感じない、本当、何だったんだ、一体・・・
 「あ、あれは・・・」
 先の方に見えたまばらに人の集まる檻の方に、ゆっくりとだが、まっすぐに、僕と映命さんは歩いていく、
 人だかりの隙間のから見えたのは、兎たちのいる檻、
 そこの兎は、茶色い毛皮をそれぞれ持ち、中くらいの檻の中、コンクリートの小山の上で一様に寝転んで日向ぼっこをしているように見える、
 なぜか檻の外にはそこそこ人がたくさんいるが、はて・・・ん?
 檻の前に木の立札がある、そこには、茶色いウサギの絵と共に、こう記されていた、
 春先に赤ちゃんが生まれました!!
 と、
 なるほど、いくつか妙に小さいウサギが混じっているのはそのせいか、
 おかげで左隣の檻の中にいる狸はほんの少しの観客で我慢せざるを得ないわけだ、
 「可愛いですね、双歩さん」
 「そうだね」
 一も二も無く同意する、可愛いんだから仕方がない、
 と、一瞬全てのウサギの耳が一斉に右の方に、一点に収束するように向く、
 思わずそちらの方に視線を向けると、人ごみの中、傘をさしたメルヘンの少女が見えた、
 僕と同じぐらいの年齢で、金のショートボブの髪に青い瞳、頭に青いリボンをつけ、白い傘をさしている、
 体にまとうは白いドレスに白い靴、そう、それはまるでおとぎ話のようなたたずまいをした少女、
 「アリス・・・!!」
 思わずその名を口にするも、瞬きの間に、その姿は掻き消えてしまった
 「なんだ、今の?」
 「見間違いかしら?」
 「確かにアリスっぽかったよなぁ・・・」
 周りの人々もその一瞬の出来事を捉えた人たちがいるらしく、互いに周りを見回したり、アリスのいた場所を見たりして、口々に何やら話し始める、
 しかし、すぐに錯覚か何かだと思ったのか、どこかに移動し始めたり、再び兎の方に視線を向け始めた
 「あの・・・双歩さん・・・?」
 「あ・・・ごめん、何?」慌てて右後ろにいる映命さんの方を向く
 「今の、その・・・アリス、っていうのは・・・?」
 一直線に僕の方を見据えてくる映命さん、ええっと、どういえばいいかな・・・
 「あ!ほら、童話の不思議の国のアリスってあるじゃない、兎が反応してたし、すごくそんな感じだったでしょ、さっきの・・・」
 「さっきの、女の子の幻影ですね、確かにそんな感じでしたけど、でも、双歩さんが発した声は、なんていうか、トーンが違う感じがしたんですけど・・・」
 まぁ、確かに、不思議なものを見た時の声のトーンでも、ましてや女の子を見た時の声のトーンとも違うだろう、
 僕がさっきアリスを呼んだ声は、敵対心に満ち満ちた声だったはずだから、
 「気のせいだよ、さ、もう兎はいい?」
 「はい」
 「じゃ、先に進もう!」
 「わかりました、行きましょう!!」
 映命さんと共に、再び先の方へと歩き出す、あまり、ここに長居したくない・・・
 ・・・もしかしたら、アリスはいないのかもしれない、単なる目の錯覚だったのかもしれない、
 でも、向こうにはステルスモードがあったはず、人ごみに紛れるのも簡単なのかもしれない、
 さて、僕がすべきは何だ、この雰囲気をぶち壊しにしたくない、
 少しの間、映命さんを一人にするのも不安だ・・・
 いや、でもここは・・・よし!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/12 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ12

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「双歩さん、もう大丈夫ですか?」
 「ありがと、待っててくれて、何もなかった?」
 「はい」
 少しの間お手洗いに行った後、映命さんと合流する、
 ここは動物園の北の方にある噴水の前、年季の行った簡素な木のベンチのある場所、ちょうどベンチの真後ろに簡素な噴水があり、その奥には青い板の椅子が多段扇状に並んだショーステージがある、が、さっき覗いた限りでは何もやっていなかった、おそらく、普段は動物のショーなどを行うのだろう
 周りでは家族連れや人が幾人か木の植えられた花壇に並べ付けられている木のベンチに座ってお弁当を広げているのが見える、
 ちょうどお昼時だ、僕と映命さんもお弁当を食べるためにここを選んだ、
 もっとも、僕の方は少し席を外していたが・・・
 「じゃあ、食べよっか?」
 「わかりました」
 二人して左右に並び、木のベンチに座る、
 そして、ショルダーバックのチャックを右手で開け、
 「あのっ!!」
 「ん?なに?」
 突然どうしたんだろう、映命さん、意気込んで・・・?
 「私!双歩さんのお弁当、作ってきたんですっ!!」
 「え?いいよ、ここにあるし・・・」
 「へっ!?」
 ん?なんだ、今度は少し目を見開いて驚いてるな・・・
 「おかしい・・・ですね・・・じゃあ、あの電話は・・・?」
 何なんだよ、電話って・・・
 「とにかく、ここにあるからね!!」
 急いでショルダーバックから青い布を包んで上に結び目を作ったお弁当を右手で持って取り出して両足の上に置き、
 その結び目の左右を両手で持って開いて、
 中にあった角の丸いアルミ製のお弁当箱のふたを開け・・・開け・・・
 ・・・・・・・・・石だ、
 開いたお弁当箱の中、そこには、テープで固定された石がいくつも入っていた、
 「あいつら~っ!!」
 「ふふふ・・・」
 僕が怒りだす左で、映命さんが笑い出す、
 「なにっ!?」
 僕が叫ぶと、映命さんが少し顔を左右に振り
 「いえいえ、なんでも」
 そう、返してきた、
 おそらく、弁当箱の石をテープで固定さているのは、お弁当箱を移動させた時に石がお弁当箱や他の石にぶつかって音を立てさせないようにするためだろう、
 「それでは・・・」
 と、映命さんが背中のリュックを自身の左の方に降ろし、
 右手でチャックを開けて、中に右手を入れ、中からお弁当箱を一つ取り出す、
 青い色で、透明な蓋が付いた、端がまっすぐな楕円形のお弁当箱、
 箱の周りを青い幅広ゴムで止めており、そのゴムは中央に丸白の飾りが付いていて、ゴムの下の箱の前後には横長の白い留め具が見え、
 透明なふたの中央には青い箸が入れられ、そのふたから唐揚げやブロッコリーや卵焼き、それに、おかかの振りかけられた白いご飯が覗いている、
 と、映命さんがそのお弁当を両膝の上に乗せ、右手でお弁当箱を抑えつつ青いゴムを左手で取り去ってそのまま左手首に留め
 ふたの上中央を右手で奥にパカッと開けて中の青い箸を右手で持ち、もう一度右手でお弁当箱を抑えつつ、左手で前と後ろの留め具を前、後ろと順番に上げて、右手で今度は下の弁当箱の本体を抑えながら左手でお弁当箱のふたを上げて開け、
 右手に持ったその箸で左端の卵焼きを取り、
 「はい、あ~ん」
 僕の方に差し出してきた、
 「いいよ、別に・・・」
 「だめですよ、育ちざかりなんですから」
 「う・・・」
 もうっ!!
 勢いよく口に含む!!
 はむっ!!
 「じゃ、お野菜も、はいっ!」
 今度はブロッコリーか・・・
 はむっ!!
 「今度はお肉ですっ!!はい!」
 鶏のから揚げ・・・ううむ・・・はむっ!!
 「こんどはお魚!!はい、どうぞっ!!」
 鮭の焼き物・・・はむっ!!
 「ご飯もどうぞ!!」
 白いご飯・・・はむっ!!
 「っていうか、映命さんは食べないの?」
 「食べますよ、でも、今はこれが楽しくて」
 「もうっ!!」
 「うふふ」
 こうして食べ物を食べさせられて・・・
 しばらくし、ふいに、笑う映命さんがこちらを優しく見据えてきた
 「あの、双歩さん、何か悩みでもないでしょうか」
 「へ?」
 それは・・・
 「別に・・・無いよ・・・」
 「双歩さん」
 映命さんが、こちらに少し、近づく、
 「映命・・・さん?」
 「あなたは・・・そう、イカロスの太陽のような人、」
 「イカロスの太陽って、ほめてるの?」
 「最大級の賛辞ですわ」映命さんがかすかに笑みを浮かべる
 「その光は烈火のごとく、全てを焼き尽くす、でも、その光は、確実に誰かを照らし、温め、真実を映し、ている、私も、そんなふうに・・・」映命さんがもう一度、優しく、僕を見つめる
 「双歩さん、私も、いますから、ね・・・」
 「・・・」
 思わず、押し黙ってしまった・・・
 一瞬、映命さんの表情が曇った気がしたものの、すぐにほほえみへと戻る
 「さ、どうぞ」
 すると、今度は箸にアスパラのベーコン巻きを持って出してきた・・・もうっ!・・・はむっ!!
「うふふ」
 その後、この形式で全部食べさせられた、無論、映命さんもきちんと食べていたけど・・・
 「ごちそうさま」
 「御馳走様でした」
 食べ終え、映命さんが後半に出してきた、最初に出して来たお弁当箱と同型のピンク色のお弁当箱のふたを両手で閉め、
 上の方に右手に持つ箸を入れてそのまま右手で箸入れのふたを閉じ、その右手で前後の白いロックを前、後ろと下げて留め、
 左手首のゴムひもを右手で取り外してお弁当箱をまとめ、
 リュックの中にお弁当箱を入れる、
 ついでに、最初の青のお弁当箱は箸ごとすでに映命さんのリュックの中である、結局二つのお弁当箱を映命さんの箸で二人で分け合う格好になった気が・・・
 っと、僕の方も弁当箱を、石の入った弁当箱を仕舞っておくか、少し癪だけど・・・
 お弁当箱の青い布の四端を両手で左と上、右と下一気に持って四つ全部を中央に置き、
 一番長い青い布の右左端をそれぞれ右左手で持って、適当に蝶々結びをしてまとめ、そのお弁当箱を右手に持ってショルダーバックにしまい、ショルダーバックのチェックを右手で引いて閉める、
 そういえば、色々あってショルダーバックのふたを閉め忘れてたな、
 なんて、そうこうしている間にも、映命さんがリュックの中にお弁当箱をしまってチャックを閉め、リュックを背負いつつ立ち上がり、
 「それじゃあ、行きましょ、ごほっ!ごほっ!ごほっ!」
 「ちょ!映命さん!!大丈夫!!」
 いきなり映命さんが咳き込みだした!!思わず近寄り、左手で背中をさする、
 「大丈夫!?ごはん、詰まった!?」
 「く・・・薬・・・」
 「え?薬?」
 「リュックに・・・」
 リュックに薬!?
 急いで映命さんの背中のリュックを右手で開け、失礼を承知でリュックの中を探す、と、あった!!
 リュックの中の外側の方、映命さんの背中の反対側、リュックの網の中にそれはあった、
 白い細長丸い錠剤が透明な覆いの付いた銀色の板にそれぞれの覆いの中で一つずつ計八つほど貼り付けられている、
 とりあえず、それを右手で持って取り出しつつリュック内部の左の方にあった桃色で上にコップの付いた水筒も一緒に取りだす、
 そして、白い細長丸い錠剤を一つ、右手親指で押して左手に取り出すと、
 「はいこれ!!」
 映命さんの口の中に放り入れ、続けて、急いで左手で水筒を持ちつつ上のコップふたを右手で回して取り外し、
 コップふた内部中央上にあった灰色のボタンを右手人差し指で押して引き出して、
 水筒上手前の方に開いた穴のそばにコップふたを上下反転させて近づけたのち左手の水筒を傾け、水稲の中のお茶をコップふたに入れ、
 コップふたのお茶を映命さんの口の中にゆっくりと入れる
 「大丈夫!?ほら!!」
 コクコクコク・・・
 「ごほっ!!ごほっ!!ごほっ!!」
 薬は飲みこんだはずだが、またもすぐに咳き込み始める!!
 「大丈夫!?お茶入れるの速すぎたかな?それとも、薬もう一つ、必要!?」
 「大丈夫・・・です、一つ飲めば・・・しばらくすれば、効く、ごほっ!!ごほっ!!ごほっ!!」
 「じゃ、じゃあ、せめて座ろ!ほら!!」
 映命さんの体を両手で押さえて座らせ、薬と水筒とコップを椅子の上に置き、そのまま映命さんの背中をさすり始める、
 「ごほっ!!ごほっ!!ごほっ!!」
 そのまましばらく、映命さんの背中を左手でさすり続ける・・・
 少しの間は様子が変わらなかったが、その後、少しずつ、様子が落ち着き始めた、
 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
 「大丈夫?映命さん」
 「はい・・・ご迷惑、おかけしました」
 「そんなことないよ、お弁当、食べさせてもらったし」
 「うふふ・・・ありがとうございます」
 弱々しい笑顔を浮かべ、映命さんは返してきた、
 もう、少しは落ち着いた、かな、でも・・・
 「本当に、大丈夫?前は、こんなこと、無かったよね、どうして、こんなことに・・・?」
 「拒絶反応が、出ているらしいんです」
 「拒絶反応?なんで?」
 拒絶反応くらいは僕も聞いたことがある、体に何かが入った時に、それを異物と感じて体が異常な反応を示すことだ、
 心当たりといえば、あのエルドガンが入れた機械だけど、そもそも、拒絶反応が出るなら今までに出てるはず、
 なんで今頃、それとも他に原因が・・・?
 「体が、定着し始めてるらしいんです?」
 「え?定着?」
 定着ってどういう意味だろ?
 「詳しいことはよく知らないんですけど、私の右半身は、何かの機械が生み出して、体として機能させている物、らしいんです、それで、今、その擬似の右半身に、本来の肉体がもうすぐ完全に定着するらしいんです」
 「え・・・?それって、どういうこと?本来の肉体が定着するってことは、その機械が必要なくなる、って、ことでいいの?」
 「ええ」
 映命さんがゆっくりと首を縦に振り、肯定の意を示す
 「でも、今度はその本来の肉体が、その機械を異物だと判断しているらしいんです」
 「じゃあ、すぐに取り出さないと!!」
 しかし、僕の言葉に、映命さんは首を大きく横に振り
 「それも、ダメなんです、完全に肉体が定着する前に機械を取り出すと、擬似の右半身が崩壊、死んでしまうかもしれないんです」
 「あ・・・そっか、ごめん、変なこと言って」
 「いいえ・・・でも・・・」
 映命さんが僕をまっすぐに、確実に見据えてくる、
 「もうすぐなんです、今は、拒絶反応を薬で抑えて、肉体の定着を待っていますが、肉体が定着して、機械を取り出せば、術後経過しだいですが、もう病院に行かなくても・・・」
 「そう・・・」
 僕はどう答えればいいか・・・ええい!!
 思いっきり笑顔を見せ、答える!!
 「こう言うしかないけど、頑張って、応援してるよ、あともうちょっとなんでしょ!!出来る限り、僕もしてあげられること、してあげるから!!」
 「あ・・・はい!!」
 映命さんが満面の笑みを浮かべてくれた、
 ・・・後でエルドガンの奴に釘を刺しておこう、僕よりも、映命さんの方を重点的に診てもらう様に・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/13 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ13

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「見えてきましたよ!」
 そこにいたのは、檻に囚われた虎と黒豹、
 といっても、左の方の檻に虎が、右手前の檻の方に黒豹がいるのだが、
 双方共に小高いコンクリートの山が作られた檻の中にいて、その山の前でその体を横たえている、
 虎の方は、その全体を上の方が鮮やかな黄色で下の方に行くほど白くなっていって、上下に牙のような黒い縞々が付いた毛皮が覆い、
 鋭い牙を持つであろう鼻までたて筋の入った口を閉じ、丸い耳を少し立てたままその丸い瞳を閉じ眠っている、
 一方の黒豹の方は、全身を黒い毛皮に覆われ、鼻までたて筋の入った口を閉じて、丸い耳を少し立てているのは同じなれど、
 その顔を上げて檻の外の観客の方、とゆうか、どこか宙空をじーっと見ている、
 残念ながら観客の方は虎の方が少し多く、黒豹の方は少し少ない、
 もっとも、だから宙空を見ているのか、といえば少し違う、感じもするが・・・残念ながら僕には黒豹の意図は読み取れそうも無いな・・・
 そういえば、黒豹か・・・ジョーカーも最初にあった時、黒豹に似たのを召喚してきたっけ、
 ジョーカー・・・ジョーカーねぇ・・・
 いまいちわからない奴だ、ヘリコプターから叩き落されて、その後、ノワール、というか、有家 深沙さんを援護してたけど、本当、よくわかんない、
 今もなんか悪巧みしてるんだろうな~というか、そうとしか思えないけど・・・
 「双歩さん?」
 「あ、なに?」
 黒豹の方を見ていると、いつの間に左の方から映命さんが僕の方を覗き込んできていた
 「あの、黒豹の方に興味があるなら、先にそちらを見ましょうか?」
 「いいや、後でいいよ、楽しみは後にとっとかないとね」
 「あ!そうですね!!それではまず虎の方から!!」
 映命さんが言って虎の檻の方に振り返り、駆けて行く、僕も後を追い、虎の檻の方をに向きつつ走り、映命さんと共に檻の前で立ち止まる、
 ・・・
 が、少し見続けるも、虎はとうとう目を開けず、眠ったままだった
 「先に、行きましょうか?双歩さん」
 「そだね」
 少しがっかりしながらも、今度は黒豹の檻に向かう、
 しかし、黒豹も虎同様、いつの間にか眠りについており、
 「もう、いっちゃおうか?」
 「はい・・・」
 少し幻滅しつつ後ろを向いて先に進む、そして、先の右の方の檻で薄茶の鷲がT字の止まり木に止まっているのを見、
 同じように左隣の檻で焦げ茶の鷹もT字の止まり木に止まっているのを見つつ、
 通路を挟んださらに左隣りの檻で黒いゴリラが四足で歩いているのを観察後、その先に進む、
 そこには、右手前に、狼と同じく上端に黒い鉄棒の手乗せ柵がある大きな丸い穴の中で、コンクリートの大きな山に上ったりそこらで寝転んだりしている猿たちがいた、
 猿たちは体中に茶色い毛をまとい、赤い顔をしていて、少々数は少なめなもののそこらで寝たり、辺りを見回したり、歩き回ったりと、自由に行動をしている様子だった、
 もっとも、観客はあまりついていないが・・・
 「双歩さんは、お猿さん、好きですか?」
 「う・・・うう~ん、あまり・・・」
 「私も、好き・・・というわけでは・・・」
 映命さんの質問に、心無く答えてしまう僕、
 ま、こんなもんだよね、それに・・・
 ちらりと猿の檻の外側、後ろ左奥の方を見る、
 そこには、たくさんの人が集う檻があった
 その中にいる大きなたてがみを蓄えた存在が、大きく口を開ける、
 そう、ライオンである、
 そこでは、薄茶色の毛皮で体を覆い、茶色いたてがみを首元に蓄え、たくましい四肢をたずさえて、しなやかな尾を持つ一頭のライオンが、小高いコンクリートの山持つ円状の檻の中、正面から右の方に向いて、そちらの方に向かいゆっくり歩いている所だった
 「人が・・・これでは、近くで見れないと思うのですが・・・」
 「ううん、十分だよ」
 映命さんの質問に、今度は極力しっかりと答える、
 そう、十分なんだ、今日はライオンを見に来たわけじゃない、
 それでも、極力歩いて近づいてみる、ただし、無理やりには近づかない、
 そこそこ近くまで来たが、闘志を向けられていないせいだろうか、あまり怖くはない、
 無論、素手で取っ組み合ったりしたらそれは僕の方が負けるのだろうが、それでも、今はあまり怖くない、
 これが、レオン君とレオリングならどうなるだろう、多分、視界に入っただけで怖いんじゃないだろうか、
 負けたせい、も、あるかもしれない、
 でも、それ以上に、どう戦えばいいのかがわからない、
 オーバーを使うリュッケンは倒したけど、あれはどちらかといえばリュッケンだから倒せたという感じだったしなぁ・・・
 「ねーねー、ほら、ライオンさん!」
 ん?なんだろう、前の方で左手にカードを持って、右人差し指で獅子の方をさす男の子がいる、
 年齢は五歳前後?濃茶髪の頭をかなり刈り上げた子供で、白いポロシャツのような服の襟元が見える、
 おそらく、カードに書かれている絵とライオンを見比べ、右後ろの方にいる女性、白セーターにジーンズをはいて右肩に大き目の緑の手さげバックを下げ、後ろで簡素に濃茶髪を束ねた30代の女性、おそらく母親だろう、に、
 ライオン、ライオンと訴えているような感じだ、
 確かにあのカードにはライオンが・・・ライオンが・・・
 あれは・・・間違いない!!レオリング・メタルのカードだっ!?
 この距離でも見間違えるはずがない!何度も何度も見直したんだから!!
 でも、なんで?なんであんな子があのカードを!?
 いいや、落ち着け、カードを持ってるだけだ・・・
 どこで手に入れたかはいざ知らず、とりあえず後で調べてみるとして、
 今はあのカードをよく見てみよう、前に戦った時に、何か見落としがあったかも、オーバーじゃないのが残念だけど・・・
 ええっと、コスト4、知ってる、パワー4000、記憶に違い無し、
 発動条件、この戦闘で相手のモンスターに勝利した時、自分と相手がそれぞれ手札を1枚以上持っていた時
 よくは憶えてないけど多分記憶と同じな上関係なし
 効果、この戦闘後の後、セットとオープンを入れる
 この時、セットに使われるカードは1枚のみでモンスターゾーンのみに置く、
 互いの手札のいずれかが0枚になるとおこなわれなくなる
 セットとオープンが行われた後は通常通り、
 次の戦闘の戦闘前かターン終了を行う
 おそらく、前と一緒できついこと書かれてるんだろうけど記憶と一緒だし、ヒントにはなりそうにない、
 カテゴリ1、フルメタルレオ、カテゴリ2、獅子、
 これも記憶とおんなじだし、何かの助けにもなるかといえばなんか違う、
 テキスト、獅子は、時に誰かと共におびいて戦う、獅子として、ただただ誇り高く
 ん、誰かにおびいて?
 誰かにって、おびいてって・・・あの大きさで・・・?
 一気にオーバーに行っちゃったけど、あの言葉は・・・?
 でも、それなら、どうにか・・・ちょっと変なイメージに行くけど・・・
 「グォオオオ!!」
 っつ!なんだ?いきなりライオンが観客を見て吠えた!?
 観客が驚いて、いや、待て、動物が異常な行動?、似たような状況、さっきもあったぞ!!
 ライオンの見てる方は・・・右の方!誰もいないけど!!
 そのまま勘で走り跳躍!飛び蹴り蹴っ飛ばす!!
 ドガッ!!
 「きゃ!!」
 妙にかわいい悲鳴を上げて誰もいない場所から尻もち着いて出てきたのは、金髪ショートボブ青瞳青いリボンの白いドレスの少女、
 そう、アリスだ!!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Wカードフュージョン 7話/14 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ14

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「あ~、アリスだ~!」
 へっ!?
 いきなり声が聞こえたのは左の方、発したのは、あれは・・・レオリングのカードを持ってた男の子だっ!?
 何でアリスの名を?さっきは兎がいたから童話のアリスと関連付けられたけど、今回はライオンで童話のアリスは関係ないし、さっきの兎の場所にもいたか?でも、僕の記憶にはいた憶えは無いし・・・
 と、その男の子がアリスの方に近づいていく、
 「ちょ・・・危ない・・・」
 しかし、僕の言葉もむなしくその男の子はアリスに接近していく、
 これは、力ずくでも止めるべきか?
 「ねぇ、アリス、ワルディンに捕まったんじゃないの?」
 ワ・・・ワルディン?
 男の子の発した言葉に、思わず硬直してしまう、
 言っている意味が、まったく分からない・・・
 が、アリスはその意味が分かっているのか、立ち上がり、男の子の方を、ひたすら、暗く、見下している
 「レオンが助けに来てくれたの!?ほら!僕持ってるんだよ!!レオリングのカード!!」
 男の子が自慢げに自身のレオリングのカードを見せ
 アリスが突如、男の子を右足で蹴っ飛ばす!!
 「ふん!!」
 ドグォ!!
 「わっ!!」
 さらに、左手に突如、三枚のトランプを出現させ、
 させるかっ!!
 アリスが三枚のトランプを腕を曲げて振りかざす中、とっさにショルダーバックを肩から外してアリスと男の子の間に放り投げる!!
 アリスが三枚のトランプを腕を振り切り投擲!!
 シュシュシュ!!
 放り投げたショルダーバックに三枚のトランプが刺さって
 カカカッ!!
 三枚のトランプからショルダーバックに電撃が流れたと思った刹那、三枚のトランプが爆発する!!
 ドンドンドン!!
 爆発でショルダーバックが飛んで男の子に覆いかぶさった!!
 ボスッ!
 が、ただ布が勢いよくかぶさった程度の音で、あまりぶつかったダメージはなさそうだ、
 もっとも、あの至近距離からの爆風でやけどとかしてるかもしれないが・・・
 まわりの人々もドヨドヨして状況を見守っている、
 あ、これはまずい・・・
 「みなさん!逃げて!!」
 僕がそう言った瞬間、アリスが右手の傘を振り回し、その傘からあたりに衝撃波が発生する!!
 「みんな伏せて!映命さんも!!」
 「は、はい!!」
 僕と映命さん、その他何人かの人間が僕の忠告を聞き、伏せる!
 刹那、辺りを衝撃波が薙ぎ払った!!
 グォウ!!
 そして、僕の忠告を聞かなかったのか間に合わなかったのか、そのまま突っ立っていた人たちが一斉に吹き飛び、ライオンの檻に激突する!!
 ドガガガガ!!
 「う、うわぁああああ!!」
 「きゃああああああ!!」
 「逃げろぉおおおお!!」
 そこらにいた人たちが一斉に逃げ出す!!そこで蹴っ飛ばされて尻もちをついていた男の子も、母親と思しき女性にどさくさにまぎれて両手で抱えられ、体にひっかぶったショルダーバックをその場に残して右の方に連れられて行った、
 そして、吹っ飛ばされた人達も、誰かに連れられて行ったのか、周辺やライオンの檻の前には誰も残っていなかった、
 「まったく・・・」
 一人ごちつつ衝撃波が収まったところで立ち上がり、アリスを見据える、
 ううむ、ここまで大騒動になるとは、アリスに姿隠されたまま暴れられるよりかはおそらくマシとはいえ・・・
 それに、いくらあの男の子を守るためだったにしても、投げられたショルダーバックはかなりの部分黒焦げになっていて穴まで開いている、さらに、その穴から、鉄のボディに複数穴の開いたお弁当箱も見え隠れしていた、・・・なるほど、あの石の入ったお弁当箱にカードが当たったおかげで守りきれたってわけだ・・・
 もっとも、あのショルダーバック、あそこまで黒焦げだと新しいの買わなきゃいけないかな、割と気に入ってたんだけど・・・
 ・・・中の財布やらなんやら無事だといいんだが・・・
 「双歩さん、逃げないと・・・」
 僕の背後で、映命さんが僕の右そでを右手で掴みながら弱々しく囁く、が、
 アリスが僕を見下し、にらんできた
 「逃がすと思う?」
 ううむ、せめて映命さんだけでも逃がさないと・・・
 さっきのどさくさに紛れて、なんて、僕を置いては行けなかったんだろうね・・・
 それならどうするべきか、そうだな・・・時間稼ぎ、しかないか、ちょっと望み薄だけど!
 「ひさしぶりじゃない、アリス、まさか動物園にいるだなんて思ってなかったよ、で、どうして動物園にいるの?まさか、動物好きなの?」
 「動物は・・・嫌いよ・・・」
 お!話に乗ってくれた!!電爆トランプや衝撃波ばらまかれるよりかは幾分かマシな展開だ、
 そう思った刹那、アリスが傘を僕の方に向けてくる!
 「あんたを見かけて、どうしたのかとトコトコついてったら、動物園に入って行ったのよ、あんたは要注意人物だから、一時の我慢だと思って付いてったら、蛇が脅すわ狼はこっち見るわ兎が感付くわライオンは吠えるわ、あげく、兎の時なんて姿を隠す時の調整ミスって一瞬姿見せちゃったしね」
 なるほど、動物たちがちょこちょこ変な行動してたのはアリスが姿隠して行動していたせいか、
 そりゃ、動物たちもいつも来てる観客たちよりなぜか姿隠してるアリスの方を警戒するのは当然だよなぁ・・・
 って、ちょっと待てよ!また面白い情報が手に入った!!
 「動物からは・・・隠せないんだ、姿」
 「まぁ、出力範囲の限界ってやつでね・・・」
 アリスが今度は両手を少し上げて肩をすくめ、
 「本来なら姿をその場の空間全てに溶け込ませられるはずなんだけど、そこまでやると今度は空間に歪みが出るのよ、コップの中に水滴を入れるとその衝撃で水紋が出るでしょ、だから、一見するとコップ全てがただの水なんだけど、さっきの状態とは違うコップなわけ、それに、コップの水の中の量も多くなるわ、水量が多いと水紋も増えたり水の量も多くなる、その違和感が見た目や匂いや音や感触、必ずどこかに出るのよね、それで、いっつも人間と簡易ロボット用のそいつらに感知されない用の調整で出力抑えて済ませてるんだけど、それだと、別の動物たちに感知されるのよ、生物の感覚っていうのは千差万別だからね、それぞれの動物用の調整っていうのもあるにはあるんだけど、当然、その中には、その調整をすれば人間に見つかるものもあるというわけ、ま、長々と言ったけど、あんたがそんなこと言った時点で動物からは姿隠せないってばれちゃってるみたいなもんだから、ついつい説明しちゃったわ、そうだ」
 ん?一体何だ?
 「なんで私を蹴ったわけ?私達の防御能力の事、知ってるはずよねぇ?」
 「へ?それは・・・そのう・・・」
 どうしよう、なんて言えば・・・
 と、僕の方をアリスが目を細めて見据えてくる、
 「誰かがバラしたのね?」
 う・・・それは・・・
 「誰がバラしたのかしら・・・ま、心当たりあるから、いいや」
 え?
 「心当たり、あるの?」
 「あるわよ」
 またもアリスが両手を少し上げて肩をすくめる
 「リュッケンはああ見えて話すべきでないことは隠すし、ジョーカーもそんな感じよ、でレオンの奴がそうじゃないのよね、正直というか、人に聞かれたら色々ペラペラと・・・」
 今のあんたも同類だろうが、
 と、言ってみたくなったがここはぐっと言葉を飲み込み、
 「じゃあもう一つ・・・僕が要注意人物ってどういう意味?」
 レオン君の話もあったけど、それ以上に引っ掛かったのはこれ、
 「僕が戦闘面での要注意人物だって言うのはわかるよ、でも、それだと裏から一閃すればいいだけだし、でも、そうはしなかった」
 レオン君の時は出力が十分じゃなかったから、とかそういう話があったけど、それはカーディン相手の話、
 あの工場の場所が知られてなかったから整備中の隙とかを狙われなかったっていうのもあるけど、僕は生身の人間、
 おそらく、ステルスモード時でも、工夫すれば軽く殺せるはず、
 今回、僕は完全に油断している状態だったし、でも、よく考えれば、なぜか不意打ちしてこなかった、
 ・・・不安に先だった攻撃なんてするべきではなかったか・・・?
 が、僕の質問にアリスがなぜかうっとおしそうにため息をつき、
 「はぁ、知らないわよそんなの、ジョーカーの奴が仕留めんなって言うんだから、あんただけじゃなくカーディンもね、もっとも・・・」
 アリスが続けてその傘を僕の方に突きつけてきた!!
 「こうなったら関係ないわ、思う存分殺してあげる」
 アリスの両の口角がニタリと上がり、笑う、
 うわっ!こわっ!!これは地雷踏んだか!?いや、まだ大丈夫、なんか、闘気感じないし、テンションが徐々に上がってる感じはするけど・・・
 「じゃあ、最後にもう一つ!!」
 「何かしら?」
 「さっきの捕まっただのワルディンだのどういう意味?」
 「ふん」
 突如、アリスがその傘をぶん回す!!
 僕と映命さんの体が紙の様に軽くすっ飛んだ
 「うわっ!!」
 「きゃ!!」
 僕と映命さんは少し先まですっ飛び、横倒しに倒れてしまった、
 「今のは少し手加減したわ」
 アリスが歩き出したのか、アリスの方から靴音が聞こえ始めた、
 コツ、コツ、コツ、
 ううん、レオン君と違って手加減はうまいようだ・・・
 「冥土の土産に教えてあげる」
 アリスの声が続けて聞こえる、急いで上体を上げると、そこにはゆっくりとこちらに歩いてくるアリスの姿が見えた、
 「あのジョーカーがなぜか漫画なんて描き始めたのよ、なんでもこれが一番PRにいいからってね、
  で、」
 アリスが今度は傘を上にから下に降り下げる!!
 傘から発せられた衝撃波が地面に反射し、僕と映命さんを浮き上がらせ、吹っ飛ばした!!
 「うわぁああ!!」
 「きゃああああ!!」
 吹っ飛ばされ、足が浮き上がって上下半回転しつつうつ伏せに地面に激突する、映命さんも僕の少し前で同じように地面に打ち付けられた
 「う・・・うぅ・・・」
 「映命さん!!」
 「まだ話は終わってないわ・・・」
 アリスがまたもゆっくりと近づいてくる!!
 「あの野郎、適役がいないからって主役をレオンに、ヒロインを私にしたのよ、名前そのままで、リュッケンも旅の仲間とか言って巻き込んで、こっちで指名手配やらなんやらで色々まずい名前であるはずなのにデザインちょっと変えて強行して、イベントでカードなんぞ配って・・・私は・・・強すぎる男も弱すぎる男も・・・嫌いだっつってんだるがァアアア!!」
 と、アリスの左手にカードの束が出現する!!
 そのカードの束を、アリスが上の方に投げたっ!!
 「ふんっ!!」
 放り投げられた何十枚というカードがバラけてヒラリヒラリと舞いつつ横倒しにアリスの前まで下りてきて、
 そこにアリスがその右手の傘を大きく右から左に振るった!!
 「はあっ!!」
 横倒しのまま衝撃波で吹き飛ばされた何十枚というカードが回転しながら範囲を広がらせつつ鋭利な手裏剣となって僕と映命さんに迫る!!
 範囲が・・・広すぎる!?これを避けるすべはない!!
 こうなったら、映命さんだけでも!!
 力を振り絞って前進し、両手を広げ、大の字になる!!
 「双歩さんっ!!」
 映命さん、だけでも、生きて・・・
 そう思った次の瞬間、僕の前に、四角い鉄の塊、いや、白黒のロボットの右足が降ってきた!!
 ズドン!!
 さらに、そのロボットの足に何十枚というカードが突き刺さり、
 カカカカカカカカカカカカッ!!
 その何十枚というカードが爆発した!!
 ドドドドドドドドドドドドン!!
 「ぐぅっ!!」
 そして、上からそのロボットの声とおもしき声が聞こえる、
 上を見上げると、そのロボットの顔が見える、僕の方を心配そうに見下ろしているのだ、
 先の切れた三角頭に、額には羽とパトランプの金のエンブレムが付いた、
 黄色い機目を持つ鋼の顔、そう、
 「カーディン!!」
 「遅くなってすまない!!休日営業で手間取ったもんでな!!」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/15 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ15

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「ぐ・・・なんでここにっ!!」
 アリスが悔しそうに目を細め、カーディンを見上げ、にらむ!!
 「残念だったな!アリス!!」
 対するカーディンはその右手と右人差し指を得意げにアリスに突きつけた!!
 「双歩がアリスを見かけたと連絡をくれたのだ!!」
 そう、ちょっとお手洗いに行ったときにね・・・
 その言葉を聞いたアリスが息を少し出して鼻を鳴らし
 「は!わざわざ自分からデートをぶち壊したってわけ?」
 「双歩からはついでに、なにも無かったら姿見せずに帰れ!!とも言われていたな!!」
 「はっ!最大限の配慮はしました、ってか!!」
 威勢よく言葉を放つアリスだが、一切動こうとはしない、
 さすがに、カーディンが来た後、隙を見せる気にはならないか、アリス得意のトランプもカーディンは耐えきれるし、さっきの衝撃波もカーディンならあまり効かないだろうしね、
 よし!!じゃ、今のうちにカードバトルの準備を、と、その前に・・・
 「映命さん、隙を見て逃げてね、多分、君を守り切れるとは思えない」アリスの方を警戒しつつ映命さんに話す
 「でも、それじゃ、双歩さんは・・・」映命さんが心配そうな声を出した
 いきなりアリスが左手にトランプを出現させ、こちら側やや左の方に放ってきた!!
 投げられたトランプはカーディンの右足より左側にそれ、ものの見事に僕達の左の方の地面突き刺さる!!
 カッ!!
 そして、アリスがあからさまに僕達の方を見て目を細めてにらみ
 「逃がさないって言ったでしょ?」
 どこか恨みたっぷりといった感じで呪詛を吐きかけてきた、
 そんなにジョーカーの漫画の事、気に入らなかったんだろうか?
 まぁ、逃げられないならしょうがないか・・・
 「映命さん、僕の後ろに、絶対に離れないでね」
 「は・・・はい・・・」
 映命さんが僕の真後ろに身を縮まらせるのを感じる、絶対に守らないと・・・
 よし、やるぞ!!
 右手をジャケットの左内ポケットに突っ込んでその中のデッキケースを取り出しアリスに向かって突きつける!!
 すると、僕の前に、角の丸い緑の半透明の板と緑の画面が現れた、緑の画面の向こうには、前後反転した緑の半透明の角の丸い板も写っている、
 よし、次だ、
 手早くデッキケースを緑の半透明の板左側に置く、すると、デッキケースからデッキが外れてそのデッキがシャッフルされて山札となり、
 デッキケースが上下反転しつつさらに左側に移動して置かれると同時に、デッキケースのあった場所にその山札が設置される、
 同時に、緑の画面に白文字で、ライフカードを五枚置けと指示が出た、
 今回は通常ルールか、映命さんを、守り切れるか・・・?
 いや、悩んでる暇は、無い!!
 右手で山札からカードを一枚引いて中を見ずに緑の半透明の板手前の方に置く!
 それを計五回繰り返し、緑の半透明の板手前に五枚のカードを横に並べてライフカードと化す!!
 すると、今度は緑の画面に、五枚手札を引けと出現、
 続けて、右手で山札からカードを一枚引いて今回はチラリと中を見つつ左手に移して手札にする、
 それを今度も計五回繰り返して、五枚のカードを山札から手札に!!
 「カーディン!行ける?」
 「あぁ」
 カーディンがアリスを見据えながら答え、ゆっくりと首を縦に振った、
 よし、それなら、やってやる!!
 映命さんを守りながら、アリスを・・・倒す!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Wカードフュージョン 7話/16 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ16

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 まずはアリスとカーディンが睨み合っているうちに・・・
 緑の半透明の板右側のチャージゾーンに向かって、
 「リチャージ!!」
 「まずは小手調べよ!来なさい!!ラビンガー!!」
 突如、左奥の方から白くて鋼鉄の翼持つ何かが飛んで来た!
 あれは、鋼鉄の翼とジェットエンジンを背中に持つ、長い耳の白色で少し丸っこい兎!?
 「双歩さん、あれは・・・?」
 チラリと後ろの方から映命さんの方を見ると、映命さんが呆然と口を少し開けて宙空のラビンガーの方を見ていた、
 ま、初見はそういう反応だよね・・・
 と、納得している間にラビンガーがカーディンの方に勢いよく飛んでいく!
 そして、カーディンが両腕を胸部の前で交差させると同時に、その両腕にぶつかる!!
 ゴゥン!!
 「うおっ!!」
 衝撃を受けたカーディンがバランスを崩しつつ、あわてて左足を自身の後ろの僕達のすぐ左側に出して姿勢を保った!
 「大丈夫!?カーディン!!」
 「ああ、何とか」
 だが、ぶつかったほうのラビンガーもただでは済まなかったのか、向こうに向かって縦回転しながら吹っ飛び、
 なんとか背中のジェットエンジンの出力を上げて姿勢を取り戻し、上の方に飛び、そのまま周りを回ってこちらの様子をうかがっている、
 「嘘・・・」
 映命さんが呆然とした声でつぶやく、僕は右から映命さんの方を見、
 「今の見たでしょ、見た目に惑わされないでね」
 「は、はい!」
 映命さんが慌てて返してきた、
 さて、こっちもやれることをやらないとな、
 右手で山札のカードを引いて、
 「ドロー!!」
 「さて、次は小手調べに・・・」
 アリスが突如、袈裟懸けにその傘を振り回す!
 「はぁあ!!」
 傘から衝撃波が発せられ、その衝撃波が僕達を襲う!!
 カーディンは両腕を交差させてその衝撃波をふさぎ、
 僕と映命さんは一瞬、その目をつむる、
 次に目を上げると、いつの間にかアリスが優雅に傘をさし広げて上の方にホバリングしつつカーディンの胴部前にいた
 「はぁ~い」
 そして、優雅に前進しつつ不意に右足で回し蹴りをぶちかます!
 「はっ!」
 「ぐおぅ!!」
 カーディンは胴部にもろにこれを喰らった!!
 「映命さん!右!!」
 「はっ、はい!!」
 僕と映命さんは急いで右の方に移動する!!
 次の瞬間、カーディンはアリスの右回し蹴りの衝撃で後ろの方に倒れ込み、地面に激突する!!
 ズズン!!
 その様子を苦々しい気分で見る、チラリと左から後ろを見ると、映命さんが目を見開いて驚いている様子が見えた、
 傘から衝撃波やらなんやら出していたけど、まさか、アリスがここまでのパワーファイターだとは思っていなかったのだろう、
 と、上にいるアリスが優美に降りてくるのが見える、ラビンガーも上空を大きく円状に回ってこちら全体の様子をうかがっているだけ、どうやらどちらも僕らではなくどちらかといえばカーディンの方にその目が行っているようだ、よし、この隙に!!
 右手で今引いたカードを見る、引いたのはバトルマシンズ カーディン カーモード!!
 左手の手札にあるのは・・・バトルマシンズ スケルトンキューブ、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンド、フィッシュフライ・タルタル、バトルマシンズブースト、そして、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2!!
 よし!これなら一気に攻められる!!
 右手に持つバトルマシンズ カーディン カーモードを緑の板中央少し奥の1番の場所に裏側で置き、
 続けて、左手の手札から、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2のカードを右手で引いてチャージゾーンに裏側表示で置いて、
 「セット!!」
 「ウフフ・・・アハハハハ!!ざまぁないわね・・・!!」
 アリスが勝ち誇って笑い、カーディンの足元に降りて行く
 「あの・・・双歩さん?さっきから、何を?」
 と、なぜか映命さんが疑問を呈してきた、
 ああんもう、今忙しいのに!!
 「映命さん!」
 「はっ!はい!!」
 「少し黙ってて」
 「あ、はぁ、でも・・・」
 映命さんはなおも心配なのか、何か言おうとしてくる、
 今は、その先を言わせる暇は、無い!!
 「大丈夫、どうにかなるから、して見せるから、見守ってて」
 「は・・・はい!」
 僕の口調に何か感じたのか、僕の言葉に返事を返した後、押し黙る映命さん
 よし、今度こそ、今の内に!
 右手で1番に裏側で置いたカードを、表に!!
 「オープン!!バトルマシンズ カーディン カーモード!!」
 「さて、次は・・・」
 アリスがこちらをチラリと見る!!
 「とぅ!!」
 突如、掛け声と共にカーディンが両腕両足を地に伸ばして上に跳ぶ!!
 「なっ、しまった!!」
 アリスの声が響く中、カーディンの両肩が上に閉じて顔を隠しつつ両腕が180度回って上に上がりその両肩に収納、パトカーの前部となり、
 さらに、腰が180度回って、膝を思い切り曲げてカーディンの両足がパトカーの後部を形成、
 そのまま胸部のパトライトの下の方から上下対称となるように一組のパトライトが振り子が上がるように現れ、特徴的なX型のパトライトと成り完全にパトカーの形となって、
 その前部の方をアリスの方に向けつつ着地し、走り出す!!
 「ちぃ!!」
 刹那アリスが宙に跳び、このカーディンの突進を避ける!!
 だが、まだだ!!
 僕は右手でバトルマシンズ カーディン カーモードのコストとしてチャージゾーンのカードを一枚表にする!!
 「僕はバトルマシンズ カーディン カーモードのコストとしてバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を指定!!」
 そして、緑の画面でラビットウインガー ラビンガーのコストが表になる!!
 ふむ、弧白兎 うさぎの兵隊再行進という名前で、コスト1、リサイクル、それに、コストで表になった時のタイミングを持つカードだけど、向こうのチャージゾーンに裏側のカードはもう無いから発動できない、
 よし!これなら行ける!!
 右手でチャージゾーンのバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2のカードを持ち、同時に左手でモンスターゾーンのバトルマシンズ カーディン カーモードのカードを持って、
 バトルマシンズ カーディン カーモードのカードを裏側にしつつチャージゾーンに、
 バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2のカードを表側表示のまま1番に移動させて宣言!!
 「僕は、バトルマシンズ カーディン カーモードをコストに、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を召喚!!」
 「プログレスチェーンジ!!」
 カーディンがいきなり叫び、カーディンの前部が開いて肩になりつつ開いた前部から三角頭と顔部分が出て額に着けたパトライトと羽のエンブレムがキラリと光り、
 そこから後部が曲げていた足を伸ばすように外装ごと伸びて地に付けて宙に跳び、腰が180度回転しつつ、肩となった前部から両脇を閉めるように両腕がドア周辺から出てきて出てきた両腕それぞれ横に180度回転してタイヤの部分が外側となり、
 胸の部分となったX字のパトライトの下の方二つが根本から振り子を上げるように内部に収納され、胸のパトライトが緩いV字のパトライトとなりパーポーパーポーと音を出しながら光りつつ地に着地し、
 後ろのアリスの方を向きつつその右拳を振り上げ二本の足で走り出す!!
 「ラビンガー!あいつらの方に攻撃!!」
 アリスが傘をこちらに向けながら指示を飛ばし、
 その指示を受けたラビンガーがこっちに飛んでくる!!
 って、これってまずいんじゃ・・・
 「させない!!」
 その言葉を受け、カーディンが方向転換し僕達の方に走ってくる!!
 そこにアリスがカーディンに向かって傘を振りおろし、衝撃波を発生させて飛ばす!!
 「はぁっ!!」
 「なんの!!」
 その迫り来た衝撃波をカーディンは右拳を横に出して無理矢理打ち消した!!
 だけど、ラビンガーの方はカーディンの走るスピードじゃ少し間に合いそうにない・・・
 ええい、こうなれば!
 映命さんの背中に左腕を回す!!
 「映命さん、僕の腕に力を任せて、後、自分の両腕で顔の前を覆って」
 「え・・・?」
 「いいから!!」
 「あ、はい、わかりました!!」
 映命さんが戸惑いながらも自身の顔を両腕で覆う、よし、これで、そこにラビンガーが前の方から飛んで来た!!
 少し浅い感じの角度、あの角度ならどうにかなる!!
 1、2、の3!!
 一気に映命さんと一緒に前に倒れる!!
 「わぷっ!!」
 映命さんのかわいらしい声が響く中、上をラビンガーが僕らの頭上スレスレを飛んで行く!!
 ゴウッ!!
 辺りに衝撃波が走り、僕らの髪が揺れ、僕は顔を上げ周りを確認する、よし、ラビンガーは上の方に!!
 「ほら、映命さん!!立って!!」
 「は、はいぃ!!」
 僕が立つと同時に、映命さんも慌てて立つ、
 が、ラビンガーが上空で、僕達を狙い大きく回って飛んでくる!!
 「双歩さん、このままじゃ・・・」
 「大丈夫、このタイミングなら・・・」
 「タイミングって・・・」
 次の瞬間、ラビンガーの右側から鉄の拳が叩きつけられ、ラビンガーが向こうの方に吹っ飛んでいった!!
 「双歩さん・・・今の・・・?」
 左の方で目を見開いて驚いてこちらを向く映命さんを見て、言葉をかけてみる
 「ね、大丈夫だったでしょ!!」
 次の瞬間、映命さんがこちらを見たまま、目じりを下げて両の口角を上げ、笑顔で首を大きく縦に振った!!
 「はい!!」
 と、大丈夫とは言ってみたものの、まだ大丈夫でもなんでもないんだけどね・・・
 「ラビンガー!戻りなさい!!」
 ラビンガーが吹っ飛んで行ったほうに向かってアリスが叫ぶ!!
 ああもう、戻られたら厄介なのに!!
 いや、でも、ラビットウインガー ラビンガーの効果は発動できないはず、戦闘で勝ったのがモンスターじゃなくプログレスだから、それなら・・・・
 と、ラビンガーがふらふらとアリスの方に飛んで行く!!
 「させるか!!」
 そこにカーディンが跳躍!さっきラビンガーを吹っ飛ばしたのと同じように、再度右拳を振り上げ突き出し吹っ飛ばす!!よしっ!!
 「ええい!それならどっかで見守ってなさい!!」
 そこにアリスがその傘を下から上に降り、ラビンガーに向かって衝撃波を発生させた!
 その衝撃波はラビンガーをものの見事に上空にふっとばし、白昼のお星さまに変える!!
 その瞬間、画面に弧白兎 うさぎの兵隊大逃走ってカードが映った、って嘘っ!!今の傘と衝撃波カード扱い!?なんか、ラビットウインガー ラビンガーのカードが向こうのチャージゾーンに行っちゃったっぽいんだけど・・・
 「やってくれたわね・・・」
 突如、アリスがこっちの方に向き、目を細め、悔しさと恨みの入り混じった視線を向けてくる!!
 すると、カーディンが僕達の前まで寄ってきて
 「やってやったさ!!」
 そう言って右手を握って前に出し、小さくガッツポーズをとる
 まるで火花を散らすかのように睨み合う両者、
 どうでもいいが、カード上では向こうが何か伏線打ってきてるんだよなぁ・・・
 このまま何事も無くいければいいが・・・できれば、映命さんが怪我しない方向で・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/17 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ17

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 カーディンとアリスが昼光の動物園で睨み合う、
 そのカーディンの後ろで、まずは、チャージゾーンに裏側にするカードが無いからそのまま宣言、
 「リチャージ!!」
 と、アリスが自身の傘をカーディンに、剣を突きつける様に向けてきた、傘を微妙に上下前後左右に動かして、気合を入れたり挑発したりというより、こちらとの距離を測っているように見えるが、また何か仕掛けてくるのか、
 それなら、ちゃっちゃと次に備えないと、
 右手で山札の一番上のカードを引いて、
 「ドロー!!」
 と、アリスが慎重に右足を前に出し、少し前に出る!
 ザッ!!
 やっぱり、距離、というか間合いを計ってるな、なにする気だ?
 いや、今は僕のすべきことを先にすすめるか、
 ええっと、今引いたのは、バトルマシンズ ライフブレイカーS・L!
 S・L、このターンは召喚できないんだよねぇ・・・とりあえず、手札に入れてっと、
 続けて、左手の手札を見て・・・
 ここは、バトルマシンズ スケルトンキューブを召喚、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドでコスト軽減だ!!
 右手で左手の手札から、バトルマシンズ スケルトンキューブのカードを引いて、緑の半透明の板、中央少し左の2番の場所に置き、
 続けて、左の手の手の札から右の手でバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを引きつつ、チャージゾーンに裏側で置いて、
 「セット!!」
 「この辺りならいいかしら?」
 と、間合いを計っていたアリスの右の口角がゆっくりと上がり、何かをたくらむ顔になる、
 何か来るな、じゃ、ちゃっちゃと進めますか!!
 右手で2番に置いたカードを表に!!
 「オープン!!バトルマシンズ スケルトンキューブ!!」
 「来なさい!!ラビノン!!」
 と、アリスの後ろに少し大きめの砲台背負った抹茶色な戦車風の衣装をまとった白兎が現れた!!
 頭には卵を二つに切って下部分をひっくり返して抹茶色に塗ったようなヘルメットをかぶり、
 そのヘルメットの下から長いウサギの耳が垣間見え、上半身にはベストのような迷彩服を着、大きさはアリスより少し小さい程度でありつつ、背筋をピンと伸ばし、
 その両前足には、迷彩色の四角い装甲を盾のように貼り付け、両後ろ足外側になぜか抹茶色の三角形のキャタピラが付いており、背中に全体が抹茶色な大きめの砲台をリュックの様に背負っていて、そのリュックの背負い紐両中ほどには、なぜか左右がへこんだ四角い金具のような物が付いている
 「ファイヤ!!」
 アリスが大声で叫び、その右手の傘を改めてカーディンに向ける!!
 すると、そのウサギがその背負い紐の四角い金具をそれぞれ両前足の指で挟み込み、
 次の瞬間、ウサギの背中の砲台から、砲弾が発射された!!
 ズドンッ!!
 「なにっ!?」
 カーディンの慌てた声が響き、カーディンが両腕を顔の前に出し防御しようとする!!が、間に合いそうにない!ならっ!
 「スケルトンキューブ!!」
 僕の声が響いた瞬間、上から鉄の四角い箱が降ってきてウサギの砲弾に直撃!!
 砲弾を左の森の方に逸らし、同時に、鉄の四角い箱が右の方に吹っ飛んで行く!!
 「なんですって!?」
 今度はアリスが驚く番!飛んでった砲弾の方を見て口をポカンと開け呆然としている、
 あの砲弾とスケルトンキューブ、別方向に飛んでったけど、キュ-ブ、変なとこに落ちなきゃいいけどな、砲弾の方も、森が火事になりませんように、
 っと、いや、今はそんな事気にしてる余裕はないか、とりあえずは火事の方は大丈夫そうだし、まずはこっちだ!バトルマシンズ スケルトンキューブのコストとして、右手でチャージゾーンのバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドとバトルマシンズ カーディン カーモードのカードを表に!!
 で、緑の画面ではどんなカードがコストになってんだ?
 ええっと、ラビットウインガー ラビンガーと弧白兎 うさぎの兵隊再行進?
 ふむ、こっちは発動できるカードは無し、
 向こうは二枚とも発動できる、と、でも、緑の画面じゃただ表にしただけみたい、
 アリスもようやく砲弾じゃなくカーディンの方を見て、警戒して動きを止めているみたいだし、
 このまま発動無しでいいのかな、
 じゃ、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドのコスト軽減効果でバトルマシンズ カーディン カーモードを裏にして、っと、
 アリスがまたも右手の傘をまっすぐにカーディンに向ける!!
 「ええい!!もう一回!!、ファイヤー!!」
 後ろのラビノンが背負い紐の金具を両前足で押す、そして、ラビノンの背中の砲台から砲弾が発射された!!
 ズドン!!
 「二度目は無い!!」
 刹那、カーディンがその右手を右から前に出し、ラビノンの砲弾を横から掴んで止めた!!
 よしっ!これならキューブが来るまでどうにかなるな!!
 カーディンがそのまま右手を振りかぶり、その右手の砲弾をラビノンに向かって勢いよく投げ返す!!
 投げ返された砲弾は縦に回転しつつラビノンの方に飛んで行く!!
 「させるかぁ!!」
 そこにアリスがいきなり傘を下に降ろして一気に振り上げ、衝撃波を発生させた!
 発生した衝撃波は、飛び来ていた砲弾を上にふっとばし、
 吹っ飛ばされた砲弾は回転したまま一旦上に飛んだ後、まっすぐに地上に落ちて行き、地面と激突する!
 ゴン!!
 「連射ぁ!!」
 アリスが傘をカーディンに向けて発した指示に、ラビノンが両の背負い紐の金具を両前足で何度も押す!!
 ラビノンの背中の砲台から幾発もの砲弾が発射された!!
 ズドン!!ズドン!!ズドン!!ズドン!!
 カーディンがこの砲弾を右手を右から出して人差し指と中指の間に掴み、次の砲弾を今度は左手を左から出して薬指と小指の間に掴み、
 さらに次の砲弾を、もう一度右から右手を出して中指と薬指の間に掴み、また次の砲弾を左手を出して人差し指と中指の間に掴み、
 ズドン!!ズドン!!ズドン!!ズドン!!
 砲弾を右手の親指と人差し指の間に掴み、次の砲弾を左手の中指と薬指の間に掴み、
 続けての砲弾を右手の小指と薬指の間に掴み、最後に迫り来た砲弾を左手の親指と人差し指の間という残った最後の指の間に掴み
 「どうした、それで終わりか?」
 両手を上げて全ての両手指に砲弾を掴んだことを見せびらかしつつ、両手指を広げて砲弾を全て地に落とす、
 ズン!!ゴン!!ガン!!ゴン!!ガン!!ズン!!ゴン!!ガン!!
 砲弾が落ちて様々な音を立てた、
 向こうのラビノンは目を見開いて恐怖している、
 そして、アリスの方はといえば、顔を伏せて両手を握って震わせている
 ラビノンは動く気配ないし、アリスは指示を出していない、そのおかげで砲撃は止まっている、
 よし!今だ、カーディン!!
 等と思った次の瞬間、アリスがくるりとうしろを向いてつかつかと足音を立ててラビノンの後ろに回り込み、
 「砲撃が効かないなら・・・お前が行けっ!!」
 ラビノンの尻を蹴っ飛ばし、ラビノンを吹っ飛ばした!!
 ラビノンは涙目になりながらも、さっきの砲弾よりも明らかに速い速度で飛んで行く!!
 「なんだ」
 ゴン!!
 カーディンが何か言いかけるもその顔にラビノンが激突!!カーディンが後ろに倒れ行く!!
 って、っちょ!!
 「映命さぁん!!」
 「は、はぃい!!」
 急いで半泣き声の映命さんと共に右側に退避!!
 僕達が退避した場所にカーディンが倒れこむ!!
 ズドォン!!
 「ふふふ・・・これで今度こそあんたたちを狙えるわ・・・」
 アリスがゆっくりと傘をこちらに向けてくる、
 ぐっ!!
 「さぁ、ラビノン!撃て!!」
 くそっ!!映命さんがいたら下手に避けることも、いや、それ以前に右後ろの方から来るから映命さんが当たることに!!
 急いで映命さんの右後ろの方に陣取り、両腕を顔の前で交差させ、せめてもの防御を・・・
 を・・・を・・・を・・・
 砲弾、来ないなぁ・・・
 思い切って両腕を下げてラビノンの方を見ると、
 ラビノンは仰向けに倒れぐったりと気絶していた、
 ええっと・・・今のうちに・・・画面に弧白兎 うさぎの不退転クラッシュが映ってるうちに・・・蹴りの時点から映ってたけどっ!
 「僕は、バトルマシンズ カーディン カーモードをコストに、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2の効果を発動!!バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2をチャージゾーンに表側表示で置く!!そして、このカードはチャージゾーンにこのカードをコストとするプログレス・フュージョンが無い場合召喚できなくなる!!」
 「くっ!肝心な時に役に立たないわね!!」
 突如アリスの声が響き渡った!!
 急いでアリスの方に映命さんを中心にして移動すると、
 アリスがこちらを目を細めて憎々しげににらんで傘を向け
 「私がやってやる!!」
 いきなり左手の全ての指の間のに幾多のトランプを出現させたと思ったら、それを上に向かって放り投げる!!
 トランプたちは縦に回転しながら範囲を広がらせつつ放物線を描いてこっちに向かって降り注いでくる!!
 でも少しだけ、隙間がある!映命さんを右手で少し左に押し、
 「映命さん!そこで立ったまま体を横にして!!」
 「は、はい!!」
 映命さんが返事をし、アリスに対して体を横にする、
 よし!僕は・・・
 少し前の方に移動して、体を横に、そこにトランプが降ってきた!!
 ズドドドド!!
 幾多のトランプが僕と映命さんの周りに降り注ぐ!!
 が、僕と映命さんには一枚も当らなかった!!さすがに服は少し斬り裂かれたが・・・
 と、安心してる場合じゃない!!
 映命さんの方を向きつつ右手で映命さんの左手を取り、
 「映命さん!!思い切り後ろに跳んで!!」
 「はいっ!!」
 映命さんと共に後ろを向き、跳ぶ!!
 すると、足元に大量に突き刺さったトランプたちが連続して爆発していく!!
 ドドドドドドドドド!!
 その爆風に押され浮き上がりながらも、僕と映命さんは何とか後ろの方に跳びきった!!
 そのまま地面にすりずさる!!
 ザザーッ!!
 だけど、映命さんに怪我は少しの擦り傷ぐらいっぽいし、僕も痛みは無い、
 ほっ・・・
 「でやぁあああああ!!」
 むやみやたらと気合の入ったアリスの声が上空から聞こえた!!
 見ると、アリスが上空で折りたたんだ状態の傘を振り下ろしつつ僕達に叩きつけようと迫ってきていた!!
 ぐっ、これ、避けきれるか!?
 急いで右手で映命さんの左手を引いて立ち上がらせようとするが、アリスの方が速い、僕も立ち上がれない!!
 ガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャ!!
 え?この、鉄を叩きつけるような足音は?後ろの方から?
 見ると、僕達の後方から、穴開きの鉄骨が無作為に人型となしたような存在が両手を伸ばしてまるでランナーのように走ってきた!!
 そして、右手を握って拳としつつ振り上げ突き出し、上から降ってきていたアリスの右頬を殴り、僕達の眼前で吹っ飛ばす!!
 「ぐあっ!!」
 アリスが吹っ飛んでいき、背を向けながらその頭から地面に着地する!!
 ドシャ!!
 「あ・・・あれは・・・大丈夫なんでしょうか・・・?」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Wカードフュージョン 7話/18 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ18

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 映命さんが心配する中、頭から着地したアリスが体をこちら側に倒れさせ、
 そのままゆっくりと上半身を起こして立ち上がり、右手の傘の手元に左手を添えて傘を開いていく、
 そして、左手を傘の先に移動させて傘を開き終わった後、左手を離して傘を右肩に乗せ、こちらの方をまたもゆっくりと見据えてきた、
 「ね、大丈夫でしょう、血の一滴も流れてないし」
 「た、確かにそうですけど・・・」
 映命さんが僕の言葉どこか戸惑った反応を返す、
 まぁ、あれが普通の人間ならいくら敵でも僕だって心配するが、前回の戦いで中身見てるからなぁ・・・
 映命さんも、その中身を見てても状況上、おかしくなかったりするのだが、ま、あの中身と今の外面を同一視するのはさすがに無理か・・・
 って、アリスがぶっ飛ばされて離れた今のうちに、
 右手でチャージゾーンの表側表示のカードを裏に返し、
 「リチャージ!!」
 アリスがこちらの方を、視線を下の方から向け見据えてきた、
 今度は何をするつもりなのか・・・
 とにかく、右手を山札の一番上のカードにかけて、引くっ!
 「ドロー!!」
 と、アリスがいきなり右手の傘を離してこちらに向かって疾風のごとく駆け出す!!
 傘を開いたのはフェイントか!?
 速い!僕も映命さんも避けきれない!!対してキューブがアリスに向かって駆け出し、アリスに立ちふさがる!!
 「邪魔」
 突如、キューブの体に電撃が走り倒れた!!そして、その横をアリスが通りすがっていく!!
 一体何が!?キューブの方をよく見ると、キューブの右腕にトランプが刺さって電撃を発している、そして、そのトランプが爆発した!!
 ドン!!
 しかし、キューブの右腕がかなり破損したものの、キューブが消えることは無かった、
 どうやら、電撃で少し痺れさせられただけのようだ、すぐにキューブが立ち上がろうとする、
 だが、そんなこと等お構いなしにアリスは僕達の方に迫る!!
 そして、アリスが左手人差し指と中指にどこからか取り出したトランプを持ち、トランプをこちらに突き出してくる!!
 「私を忘れてもらっては困るな!!」
 左の方からカーディンの声が響いた直後、ラビノンがアリスに向かって飛んで来た!!アリスはとっさに大きく後ろに跳んでこれを回避する!
 声が聞こえた方を見ると、いつの間にかカーディンが立ち上がっていた、どうやら、今のラビノン、カーディンが放り投げたもののようだ、
 と、ラビノンが地面に当たり、空高くバウンド、アリスの方に向かって落ちて行く!
 「くっ」
 が、アリスはとっさにそばに落ちていた自身の傘を拾うとラビイトが落ちてくるのに合わせ、大きく傘を振った!!
 「ふんっ!!」
 アリスの振った傘がラビノンに当たり、
 カキィイン!!
 カーディンに向かってぶっ飛んで行く!
 「なんの!!」
 そこにカーディンが右拳を振り上げ、タイミングを合わせてラビノンをぶん殴った!!
 「はぁっ!!」
 ドグォ!!
 ぶん殴られたラビノンはアリスの方に飛んで行き、またもアリスがその右手の傘をタイミングを合わせ振り回し、ラビノンにぶち当てた!!
 カキィイン!!
 そしてカーディンに向かって飛んで行くラビノン、
 かくて、ラビノンを使用したラビノンリレーが開幕したのだった、
 どう考えても一番かわいそうなのはラビノンだが、今は同情している暇なんてない、
 ええっと、今引いたカードは、バトルマシンズ ウェストオーセブン、
 後で使うかもしれないけど、今は手札に入れておこう、
 引いた、バトルマシンズ ウェストオーセブンのカードを左手の手札に入れ、改めて左手の手札を見る、
 ここはまず、チャージゾーンにバトルマシンズブーストを置いてっと、
 右手で左手の手札からバトルマシンズブーストのカードを引いてチャージゾーンに裏側で置き、
 1番に置くのは、やっぱりこいつ!!
 右手で左手の手札から1枚のカードを引いて1番の場所に裏側で置き、
 「セット!!」
 「てぇい!!」
 アリスが突如、向かってきていたラビイトをその傘を右に向かって振るい右側の地面に叩きつけた!!
 グゴォ!!
 ラビイトがボロボロになっているが・・・よく消滅しなかったな・・・あまり見ないようにしよう・・・
 とりあえず、1番に置いたカードを表に!!
 「オープン!!」
 「らちが明かないわ・・・」
 アリスが右手の傘の内側に左手を差し入れて引き、傘を閉じ、
 「行くわよ!!」
 カーディンに向かって勢いよく走り出した!!
 突如、右の方から、アリスに向かって上の煙突から煙を上空に吐いて黄ふち藍色の蒸気機関車が走ってきた!!
 機首中央にパトランプと翼が象られた金のエンブレムが付いた藍色の機関車!
 「ちいぃ!」
 しかし、アリスはこの機関車の突進を間一髪で後ろに跳んで避けた!!
 っちぃ、おしい!!
 と、いきなり機体の方から機首の上に立ち上がるように白銀内藍片刃の刃の角が立ち上がった!!
 そして、今後は機体の中部から後部が上下に分割する!!
 そこで分割した上下の上の部分が左右に分かれ、後ろに向けた両腕を機体前方を胸部として左右に両肩を広げるように展開、端の部分が拳の様に開いて、
 中ほどから先を腕を下に降ろすように下げ、展開した両手を地に付けて機体全体を浮かせつつ、
 分割した上下の下部分が下に出しながら下部中部から後部が左右に分かれて両足になって中部が腰部を形成しつつ両の足を地に付けすっくと立ち上がる!!
 そこで機首の上から前に伏せていた顔を上に上げるように頭が立ち上げた!!
 それは、口元に灰色の金属マスクを付け、頭に機関車を模した兜をかぶり緑の機瞳を持ち、
 と、その兜の後ろの方から額に向かって機首の刃と同じ白銀内藍片刃の刃の角が立ち上がった!!
 それは、兜に胸部に腹部に両肩に手と足の中部から下に、黄色で縁取られた藍色が塗られ、
 対して、両手両足の中部は白く、その緑の機瞳でアリスを見据えるロボット!!
 「またそいつ?」
 アリスがS・Lを見下ろすように見て言い放った、
 ええい、うるさい!でも、今回は負けないぞ!!
 まずは、右手でバトルマシンズ ライフブレイカーS・Lのコストをチャージゾーンから三枚表に!
 「僕はバトルマシンズ ライフブレイカーS・Lのコストに、バトルマシンズ カーディン カーモード、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドの三枚を指定!!」
 で、向こうのコストは!?
 緑の画面の向こうのチャージゾーンのカードが表になる!!
 ええっと、弧白兎 うさぎの兵隊再行進?それなら、向こうもこっちも発動できるカードは一枚、
 それなら、互いに発動は無し!
 で、こっちはコスト軽減効果があるから・・・
 「僕はバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドのコスト軽減効果で、バトルマシンズ カーディン カーモードを裏にする!!」
 ようし、このまま行けば行けるな、今回はバトルマシンズブーストもあるし・・・
 「はぁ・・・とっとと終わらせるわ・・・」
 くるかっ!?
 と、アリスがいきなりラビノンの後ろまで歩いていき、
 「至近距離でぶっ放して来い!!」
 ラビノンをS・Lに向かって勢いよく蹴っ飛ばした!!弧白兎 うさぎの不退転クラッシュか!?ラビノンは一直線にS・Lに向かって飛んで行く!!
 ただラビノンを蹴っ飛ばしただけだが、今度はラビノンは砲台をS・Lに向かって向けたまま吹っ飛んでいる!!
 S・Lが反射的に両腕を顔の前で交差させて防御し、ラビノンの突進を防いでいく中、ラビノンがS・Lに近づいた瞬間、その砲台を少し上に向け、砲台の背負い紐の両金具を両前足の指で挟み、砲弾をS・Lの頭頂部に向けて発射した!!砲弾がS・Lの頭の上の方にぶち当たる!!
 ズゴゥ!!
 だが、S・Lの頭は少し歪んだだけ、大したダメージじゃないように見えるけど・・・
 突如、アリスが傘を上に上げ、
 ん?緑の画面にカードが写った・・・?
 ラビットサテライト ラビイトのカード!?おっと、こっちの能力は通させるわけにはいかないんだ、パワーで負けちゃうからね!!
 右手でチャージゾーンのカードを一枚表にしつつ宣言!
 「僕はバトルマシンズブーストの効果を発動!ラビットサテライト ラビイトの効果を相殺する!!」
 それに、確か、ラビットサテライト ラビイトのテキストには確か、上空から相手の方を見定めるって文言があったな
 っていうことは、アリスが傘を上に上げたことも含めて・・・
 「S・L!上からくる!!」
 と、いきなりS・Lが交差していた両の腕を思い切り外側に振って目の前のラビノンを吹き飛ばし、
 そのまま両腕を頭の上に出す!!
 「なんですって!?」
 アリスが驚く声が響く中、上空から青い一閃の光が降ってきて、S・Lの両腕を貫く!!
 ズガャア!!
 S・Lの両腕が少し融解するものの、すぐに光は止まった、どうやら、短時間しか発射できないようだ、
 光が向かって来た上の方をよく見ると、上空に青い板のような物の間に浮く白いウサギが見えた、
 青い板は深い紺色で光をキラリと反射していて表面にいくつもの白くて細い横線が付いており、
 中央の兎は腹部に、おなかの部分に沿うような少し太めの黄色い鎧をまとっていて、
 その鎧には、左右に黄色い少し薄細い板が出ていて左右の青い板に繋がっており、腹部の真ん中に黒い小さめの穴が開いている、恐らく、あの黒い穴からさっきの光を発射したのだろう、
 まったく、両腕に当たったからいいものの、あの光が頭の上の方の陥没した部分に当たっていたらどうなっていたことやら・・・
 「はぁっ!!」
 次の瞬間、いつの間にかアリスがS・Lの顔前に跳躍していた!!
 S・Lの両腕は頭の上に上げていて使えない!周りも完全に油断していた!!S・Lが両腕を下げようとするが間に合わない!!
 そして、アリスが両手に傘を持ち、思い切り傘を左から右に降り回しフルスイング!!S・Lの頭を吹っ飛ばした!!
 さらに、そのままS・Lの頭があった場所に着地、その傘をS・Lの頭があった場所に突き立てた!!
 「ふんっ!!」
 ズガァ!!
 動きを止めるS・Lの胴体!!
 そこでアリスは左手に大量のトランプを出現させると、傘を抜いて首元の穴の中にそのトランプを全て投入!!
 そして、アリスが笑顔で左手を少し上げてヒラヒラと振り
 「じゃあね」 
 振り返らずS・Lの前の方に向かってひらりと跳躍、
 次の瞬間、S・Lの胴体に電撃が走ったと思ったら、S・Lの胴体が爆発!!頭部とともに消滅した!!
 「ライフブレイカーS・Lっ!!」
 カーディンが大声で叫ぶ!!
 あのアリスのS・L眼前への跳躍からの一連の動き、弧白兎 うさぎの偽慎さびしがりっていうカード扱いか・・・
 って、感心してる場合じゃない!!
 「カーディン!まずは厄介な上の方の奴を!!」
 「わかってる!スケルトンキューブッ!!」
 キューブがカーディンに向かって跳びつつ縮んで鉄の箱状となる!!
 それをカーディンが右手で持ち、
 「いっけぇえええ!!」
 高上空のラビイトに向かって思い切りぶん投げた!!
 「させないわ!ラビンガー!!」
 突如左の方から来た鉄の翼持つ兎、ラビンガーが飛びゆくキューブを体当たりで弾く!!
 さらに、無言でアリスが傘を僕達の方に向けてきた、
 僕は右手で後ろにいる映命さんの左手を思い切り握る
 「映命さん」
 「はい」
 「走るよっ!!」
 「はいっ!!」
 思い切り映命さんと共に走り出す!!次の瞬間、僕と映命さんの背後にラビイトから青い光が降り注いだ!!
 青い光はすぐに止み、僕と映命さんはその足を止める、
 「くっ、おしい・・・」
 アリスの悔しがる声が聞こえる、ふう、危ない危ない・・・
 でも、どうしよう、この状況、いや、でも、投げればどっちかは当たるか、当たってくんだよね・・・
 ラビイトは高いところにいるけど、キューブを投げられた時に避けなかったから、機動力があまりない可能性がある、
 それを機動力のあるラビンガーが補佐している、それなら!!
 と、ちょうどいいところに、地上に落ちたキューブが人型に変形、
 ビヨヨ~ン!!
 こっちの、正確にはカーディンの方に向かい、走ってきた!!
 「キューブ!ちょっとこっちに!!」
 僕が呼びかけると、カーディンに向かっていたキューブが急いでこっちに駆けてきた、
 そして、僕の前で立ち止まる、
 「キューブ、耳かして」
 僕の呼びかけに応え、キューブが顔の左側をこちらに寄せる、ええっと、耳があるようには見えないけど、言い方が悪かったかな、ま、とりあえず・・・
 ごにょごにょごにょごにょごにょごにょ・・・わかった?
 キューブが顔を上げ、一つ首を振る、よしよし、それじゃ次は・・・
 「カーディン!!もう一度キューブを投げて!!」上空を見上げていたカーディンがこちらの方を向く「だ・・・だが・・・」戸惑いの声を上げるが、問題は無いっ!!
 「大丈夫!!早く!!」
 「わ、わかった!!」
 キューブがカーディンのそばまで走って少し跳躍しつつ箱状に変形、カーディンが右手でキューブを受け取る
 「はっ、何やったって無駄無駄・・・」
 アリスが左の口角を嫌な感じに上げて嫌~な笑顔を浮かべているが、今は余裕見せているがいいっ!!
 カーディンがラビイトに向かって思い切りキューブを投げる!!
 「ラビンガー」
 若干億劫そうに放たれたアリスのセリフを聞き、ラビンガーがキューブに向かって飛んで行き、突如、キューブがバネのように伸びて人型に戻る!!
 ビヨヨ~ン!!
 「しまっ・・・」
 アリスの声が響く中、キューブが両拳を一つにまとめて握って上げ、ラビンガーに叩きつけた!!
 ドガッ!!
 この一撃を受け、ラビンガーが地に落ちて行く!!
 一方のキューブも箱状に戻りつつ落ちて行く!!
 「このっ!!」
 今度はアリスが傘を僕達に向かって上から下に振り降ろし、衝撃波を発生させてきた!!
 これは・・・どういう意図だ、二つに一つだが・・・よし!!
 「映命さん、僕が跳んだら、一緒に跳んで」
 「え・・・ええっと」
 「いいから!!」
 「は、はいっ!!」
 衝撃波を少し受け、その次の瞬間に宙に跳ぶ、同時に映命さんも宙に跳んだ、
 そのまま僕と映命さんは衝撃波に身を任せる、次の瞬間、僕と映命さんの前をラビノンから発射された青い光が過ぎ去った!!
 危ない危ない、フェイントかけて正解だった、アリスの衝撃波に耐えたら真上から光が降り注ぐ算段だったんだ、衝撃波で吹き飛ばしてその先で光をぶち当てる作戦じゃなくてよかったよ・・・
 僕と映命さんは衝撃波の中を両足から着地し、
 この瞬間、カーディンが上から落ちてきたキューブを両手で受け取り、右手に持ちかえて思い切り振りかぶり、ラビイトに向かってぶん投げた!!「いっけぇえええ!!」
 僕の声が響いた刹那、キューブがラビイトの所に到達!!
 ビヨヨ~ン!!
 人型に戻りつつラビイトの左右の羽に左右の手でそれぞれ掴まり、体を思い切り三日月状に縮まらせて左ひざを振り上げ、ラビノンの腹に左ひざ蹴りを叩き込んだ!!
 同時に、ラビイトの左右の羽が折れ、ラビイトとキューブが地に落下!!
 キューブは箱状に変形しつつ、ラビイトはそのまま落ちて行き、両者地面に激突!!
 ガシャッ!!ゲフッ!!
 キューブが程々にバウンドしつつ、ラビイトが大きくバウンド、
 キューブがバネがはじけるように人状に戻りつつ、
 ビヨヨ~ン!!
 両足を地に着けラビイトに向かって大きく跳躍、両手をひとまとめにまとめて振り上げ、ラビイトに向かって叩きつけて、
 今度こそラビイトが思い切り地面にたたきつけられ跳ね返って爆発!消滅した!!
 あれ?向こう上の方からラビンガーが飛んできた?もう復帰してきたのか?あっ!、さっき発動した弧白兎 うさぎの偽慎さびしがりのコストで召喚されたんだな、そして、画面には今、弧白兎 うさぎの兵隊ちょい偵察ってカードが映ってる、こいつの効果はインヴォークを設置する効果!?一体どんなインヴォークを?ラビンガーが関わってるのか・・・?
 そう僕がラビンガーを二度目に見た次の瞬間、突如、ラビンガーが下の方に角度を変え、カーディンに向かって勢いよく飛んで行く!!
 だが、そこにカーディンを守るようにキューブが走る!!
 「お前も、星になれぇ!!」
 そこに今度はアリスが走り込み、その傘を両手に持って勢いよく振り回しキューブに叩き込んだ!!
 キューブは吹っ飛びかける、が、そこにカーディンが左手を出しキューブを受け止めた!!
 「大丈夫か!?」
 しかし、ラビンガーの突進は続く!!
 そのままラビンガーの突進がカーディンの頭にぶつかった!!
 「っつったっ!!」
 「まだよ」
 カーディンが珍妙な声を上げた瞬間、カーディンの腹目掛けてアリスが跳び、
 再度その傘を振り回し、カーディンを吹っ飛ばした!!
 だが、カーディンは吹っ飛ばされながらも両足を踏ん張り、
 「うぉおおおおお!!」
 なんとか押しとどまった!!かなり吹っ飛ばされて、僕達の左そばまで来たけど・・・
 と、向こうにキューブが尻もちついて取り残されてる!
 さっきカーディンが吹き飛ばされた時におっこっちゃったんだ!!
 そんなキューブに向かい、アリスがゆっくり近づいていって、傘を両手に持って横に出し、
 「今度こそ星になれぇ!!」
 思い切り傘を振り回してフルスイング!!キューブにぶち当て吹っ飛ばした!!
 キューブはそのまま空まで飛んでって、前回のラビンガー同様、昼空のお星さまとなる!!
 画面に弧白兎 うさぎの兵隊ちょい追撃って、あ、あの一撃もカード扱いですか、ちょい追撃ってレベルじゃないですけど・・・
 「さて、これで邪魔者はいなくなったわね・・・」
 アリスがゆっくりと、下からどこか恨みのこもった目を僕達に向けてくる、
 その少し左上あたりをラビンガーが飛んでいる、
 ううん、この状況、どうしよう、っと、緑の画面に、ダメージ判定!!ライフカードを1枚引いて手札にしてください!!って出てら、
 仕方ない、ええっと、じゃ、一番右のライフカードを右手で持って、引くっ!!
 出てきたのはマシングラシスオードギグ!!
 とりあえず、左手の手札に入れてっと・・・
 さて、ここからどうなるやら・・・
 
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/19 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ19

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 とにかく、カーディン以外に戦える奴がいない、僕も含めて・・・
 なので、早めに、チャージゾーンの表側表示のカードを右の手で裏に返して、
 「リチャージ!!」
 「さて、そろそろ行きましょうか?」
 アリスが右手の傘の根元に左手をかけて奥に移動させて傘を開き、右肩に傘をかけ、
 にこやかな笑顔となる、
 と同時に、ラビノンが背中の砲台をカーディンの方に向け、ラビンガーがカーディンの上の方に飛んでいく、
 この状況は・・・まずい・・・数の有利で押される・・・とにかく右手を山札にかけ、引くっ!!
 「ドロー!!」
 カツッ!!
 アリスが大きく足音を立てて一歩前に出、カーディンが右拳を前に出して構え、身構える、
 早く準備終えないと・・・
 ええっと、今引いたカードは斬り裂き、ギャリット、ザムライ!!
 いや、このカードは後のターンに使うとして、今は左手の手札に入れてっと・・・
 今の手札でこの状況、打破できるか?
 いや、バトルマシンズ ウェストオーセブンとマシングラシスオードギグ、この二枚を組み合わせれば・・・
 でも向こうの方は・・・そういえば、弧白兎 うさぎの兵隊ちょい追撃の維持コストが支払われたから・・・
 よし、これなら、運次第だけど・・・行けるか!?
 まずは、左手の手札からバトルマシンズ ウェストオーセブンのカードを引いて1番に裏側で置き、
 さらに、左の手の手の札からマシングラシスオードギグのカードを右手で引き、チャージゾーンに裏側表示ので置いて、
 「セット!!」
 アリスがもう一歩前に踏み出し、
 カツッ!!
 ラビノンが僕達の方に砲塔を向けた!!
 「映命さん!顔守って!!」
 「え・・・?」
 映命さんが右腕で顔を覆うと同時に、映命さんの腰に右手を回し、一緒に地に伏せる!!
 「ふきゅ!!」
 ズドン!!
 僕達の背の上を砲弾がかすめて行く風圧を感じる!
 ええい、いきなりの不意打ちか!!
 それならこっちも、伏せたまま右手で前に降りて来た緑の半透明の板の1番に裏側で置いたカードを表にし、
 「オープン!!バトルマシンズ ウェストオーセブン!!」
 「ちぇっ、はずしちゃったわ、なら、私が!」
 アリスが僕達に向かって走り出す!
 そこで右の方から薄銀の新幹線が走ってきて、アリスと僕達の間に割り込んだ!
 「ちぃい!!」
 アリスが悔しそうな声を上げるのが聞こえ、薄銀の新幹線の前部後ろから後部が後ろに回り、その反動で上に跳ぶ!!そして、跳んだ新幹線の下から後ろに向かって跳躍しているアリスが見えた、
 さらに、上に跳んだ新幹線の前部後ろから後部が下まで回って新幹線の前部が胸部となり、
 新幹線の後部が左右に分かれて両足となって、後部の下の端から、曲げていたつま先を伸ばすように黒いつま先が現れ、
 続けて、前部のすぐ後ろの中部の右の方が飛び出して右腕に、左の方がこちらは周囲の装甲ごと飛び出してその装甲がプレートになってそのプレートを肩に着けたような左腕となり、
 胸部となった前部の上から、前に伏せていた顔部を上に上げるように頭部が現れた!
 それは、鋼の白い顔に銀の機瞳を持ち、頭に薄銀の鋭角的なヘルメットをかぶっている頭の部分を持ち、
 全体的に白くて、左肩に銀の新幹線の装甲のプレートが付いているロボット、
 と、いきなり左足の中程の部分が外に飛び出して、飛び出した部分の中からスナイパーライフルが飛び出し、
 そのスナイパーライフルを左手に握って取り、飛び出した左足の中程の部分をその左手で抑えて閉め、地面に着地する!!
 ズドォオン!!
 「ウェストオーセブン!!」
 カーディンがウェストオーセブン、ウェストの方を見て叫ぶ、
 と、ウェストがそのスナイパーライフルをアリスに向け、撃つ!!
 ズドン!!
 「ちぃ!!」
 アリスが少し後ろに跳んでこの銃弾を避け、次の瞬間、右手の傘を上に上げ、
 「来なさい!ラビニップ!」
 アリスが叫んだ瞬間、アリスの前の地面が、地上に月が写るように光り、その上から何かが降りてきた、
 兎だ、なぜか金属のバケツを頭にかぶった白兎、左右端の方に折られた耳の端が見える、
 って、それよりも下の光が気になるんだけど、なんか、消えないし・・・
 あの光、オープンでバトルマシンズ ウェストオーセブンと同時に表になった弧白兎 ラピッドスクリームの光だよねぇ・・・いや、今はそれよりも・・・
 右手でバトルマシンズ ウェストオーセブンのコストとしてチャージゾーンのカードを一枚表に!!
 「僕はバトルマシンズ ウェストオーセブンのコストにバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを指定!!」
 で、緑の画面の向こうの方では何のカードが表になった?
 弧白兎 うさぎの不退転クラッシュか、戦闘前タイミングのリサイクルカード・・・よし、こっちは発動できるカードが一枚、向こうは無しっ!!
 でも、今回は発動というか召喚は無しで、代わりに、
 「僕はバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドのコスト軽減効果で、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを裏に!!」
 って、いきなり向こうのチャージゾーンのカードが一枚表になって、向こうの1番に移動した!?
 さらに、弧白兎 ラピッドスクリームの設置コストで表になったはずの弧白兎 うさぎの不退転クラッシュが裏になるっ!?
 これは、弧白兎 ラピッドスクリームの維持コストでラビットニュムシップ ラビニップを表にして1番に召喚、
 その後、弧白兎 ラピッドスクリームの効果で弧白兎 うさぎの不退転クラッシュを裏にしたってことでいいんだろうか・・・
 考えてる間にもウェストが今度はスナイパーライフルでラビニップを狙い、撃つ!
 ズガン!!
 だが、ラビニップは軽やかに後方に跳んで銃弾をかわした!
 チュイン!!
 銃弾が地面に当たり、どこかに反射していく、と同時に、ラビニップは向こうに向かって幾度も跳ねて消えてしまった・・・
 後で不意打ちしてこないだろうな・・・って、それよりも・・・
 ウェストは今度はまたもアリスに狙いを定め、引き金を、引く!!
 ズガン!!
 この銃撃をアリスは広げた傘を振りかざし、銃弾を何処かに弾き飛ばす!
 チュイン!!
 そして、アリスはその傘を前に向け、
 「あら?」
 傘の上の方を自身に向け、銃弾が当たったところを見、
 「どうしましょう。傷が付いてしまったわ・・・」
 そう、呑気に言い放つ、
 いや、こっちとしては少しぐらい傷が付いた方が、って余計なお世話か・・・
 アリスは傘の傷が付いた部分を穴が開く程見つめ、再度、傘をウェストの方に向けて
 「あなた、絶対に許しませんことよ」
 右の口角をニタリと上げる、恨んでいる、というよりどこか楽しそうだ、
 一方、左の方にいるカーディンはといえば、空宙を円を描いて飛ぶラビンガーと睨めっこをしている、
 こっちはしばらく放っておいても大丈夫だろう、
 と、ラビノンがその砲塔をウェストに向けてきた!
 そうだ、本来の対戦相手はこっち!
 ウェストも気が付いたのかその目線をラビノンの方に向ける!
 よし、ここだ!右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!
 「僕はバトルマシンズブーストの効果を発動!ウェストオーセブンのパワーを600上げる!!」
 ウェストが素早くその両手のスナイパーライフルをラビノンに向ける!
 「気付いちゃったらしょうがないわね!!」
 次の瞬間、アリスがラビノンに向かって跳び、ふわりとラビノンの後ろに降り立ち、
 「ほら、行け!!」
 ラビノンの蹴っ飛ばし、ウェストにぶつけて行く!
 ウェストはあわててスナイパーライフルを撃つ!
 が、その銃弾はラビノンを少しかすったのみ!
 そこからラビノンがウェストに向かって飛んで行き、
 そこにカーディンが割り込み、その右拳をラビノンに向かって叩きつけた!
 ドガシッ!!
 ラビノンが向こうに跳んで行って地面に激突!
 しかし、素早く立ち上がってその砲塔をウェストに向ける!
 ええい、やらせない!!
 「僕はウェストオーセブンの効果発動!!」
 ウェストがラビノンに狙いを向け、スナイパーライフルのトリガーを引く!
 と同時に、ラビノンが砲塔の背負い紐の金具を両前足で押した!
 ウェストのスナイパーライフルとラビノンの砲塔から、同時に銃弾と法弾が発射された!!
 ズドン!!
 ズドン!!
 その銃弾と砲弾はまっすぐに向かって行き、なんと、銃弾が砲弾を下に弾き、叩き落した!!命中精度の差だろうか・・・
 そのままウェストのスナイパーライフルの銃弾がラビノンに向かって行き、ラビノンのど真ん中を貫通!
 「引きなさい!ラビノン!!」
 アリスが叫んだ瞬間、ラビノンが左の方の森の中に向かう!
 そこをウェストがスナイパーライフルで狙い、銃弾を放つ!
 その銃弾はラビノンにまっすぐに向かって行く、がそこにアリスが走り込み、その右足を振り上げ
 「はっ!!」
 銃弾を上空に弾いた!
 チュイン!!
 「くそっ!外したか!!」
 カーディンが悔しそうな声を上げるが、今はこれでいい、それよりも、これで相殺の心配は無くなった、
 さぁ、もう一仕事だ!!
 右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!!
 「僕はマシングラシスオードギグの効果を発動!バトルマシンズ ウェストオーセブンの効果をもう一度発動できるようにする!!」
 相殺は・・・なさそうだ!!
 さらに、右手でチャージゾーンのカードを三枚表に!!
 「僕はマシングラシスオードギグのコストにバトルマシンズ スケルトンキューブを指定!そのままバトルマシンズ スケルトンキューブを3番に召喚!!コストにはバトルマシンズ カーディン カーモードとバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを指定!!追加で召喚は、しない!!」
 続けて、表にした内の一枚を右手で緑の板中央少し右手前の3番に置き、
 いきなり左の森の方からラビニップが跳び出してきた!!
 そして、ラビニップはそのままカーディンの方に飛んで行き、
 頭のバケツの持ち手を両前足で持って振り上げ、カーディンの頭にたたきつけた!!
 「あいたっ!!」
 「大丈夫、カーディン?」
 「あ、ああ、何だったんだ・・・一体・・・」
 カーディンが殴られたショックから頭を左右に降る中、
 カーディンを殴ったラビニップは地に降り、左の森の方を向いて急いでかけて行った・・・
 あ、そういえば、さっき召喚したのに、キューブまだ現れてない、けど、とりあえずやることやっとこう、
 「僕はバトルマシンズ スケルトンキューブの効果を発動!!ラビットウインガー ラビンガーのパワーを1000下げる!!」
 さらに!
 「続けて、バトルマシンズ ウェストオーセブンの効果を発動!!ラビットウインガー ラビンガーをトラッシュに送る!!」
 さて、どうなるだろうか・・・相殺は・・・来るのか?
 ウェストがそのスナイパーライフルを宙飛ぶラビンガーに向ける!
 ラビンガーがあわてて向こうに飛んで逃げようとする
 が、そこで上から鉄の箱が降ってきて、その鉄の箱が人型に変形!
 ビヨヨ~ン!!
 そのまま前の方からラビンガーに張り付いた!
 ガシッ!
 そこにウェストがそのスナイパーライフルでラビンガーに狙いを定める!
 ラビンガーは慌てて両前足で鉄の箱が変形した人型、キューブを押して引きはがそうとするが、キューブは離れない!
 「させない!」
 慌ててアリスがウェストに近づこうとする
 「行かせはしない!!」
 が、カーディンが立ちはだかり、通せんぼする!!
 その間にも、ウェストがそのスナイパーライフルの引き金を引いて銃弾を撃ち出した!!
 ズドン!!
 銃弾は綺麗にラビンガーを貫通!!同時に、キューブの脇腹横を素通りし、向こうに飛んでいった!
 結局相殺は無かったっぽい!!
 そのままラビンガーは爆発し、消滅!
 「ラビンガー!」
 アリスが叫び、
 「どこを見ている!」
 その隙にカーディンが右拳を振り上げ殴り掛かる、
 が、アリスは大きく後ろに跳んで避け、
 次の瞬間、その左肩を銃弾がかすった!!
 放たれた銃弾は、ウェストのものだ!!
 いつの間にかウェストはアリスの方にスナイパーライフルを向け、その引き金を引いたのだ!
 ただ、あわてて向けたせいなのか、狙いが甘かったのか、ただかすっただけになったが・・・
 「やってくれたわね・・・!!」
 アリスが右手で左肩の銃撃がかすった部分を抑え、
 こちらを下から恨みがましい目で目を細め、にらんできた!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/20 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ20

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 アリスとカーディン達が対峙する!
 互いににらみ合ったまま、ラビニップは姿を見せないけど、どうせどっかからすきを窺ってるんだろう、
 でもこれはチャンスだ、緑の画面に
 ダメージ判定!!ライフカードを1枚引いて手札にしてください!!
 って出てるから、今のうちに、まずは右手でライフカードの元は右から二番目の、今は一番右にあるカードを引くっ!!
 僕が引いたのはバトルマシンズ イーストオーファイブ!!
 よし、とりあえず左手の手札に加え、
 続けて、チャージゾーンの表側表示のカードを右手で裏にして、
 「リチャージ!!」
 と、ウェストがそのスナイパーライフルをアリスに向けて確実に狙いを定め、銃弾を放つ!!
 ズドン!!
 そこでアリスが右手の傘を不意に降り回し、
 その傘でウェストの銃弾を弾く!!「ふん!!」
 チュイン!!
 やっぱり、不意打ちじゃないと効かないか、なら、その隙を作るためにも、
 右手を山札の一番上のカードにかけ、引く!!
 「ドロー!!」
 今度はカーディンがアリスに向かって走り、その右拳を振り上げ、勢いよく突きつけていく!
 アリスはこれをくるりと左に回りながら右に避ける、さすがにあの拳を直に受ける気にはならないか・・・
 さらに、アリスが傘を思い切り振り下ろすと傘から衝撃波が発生!カーディンは思わず左手で防御する、
 と、カーディンが左腕で防御しつつも右拳を振り上げ突き出す!アリスの位置を見づらいながらも覚えての攻撃!
 これをアリス、宙に跳んで両足裏で受けて吹っ飛んで行く!?一体何を考えて・・・
 そう考えた次の瞬間、アリスは吹っ飛んで行く中で体を左とくるくる回しながら足を上に出してひねって足を地上に出してこちらを向きつつ華麗に着地、
 ドレスの両端を両手それぞれで持ったりして頭を優雅に下げる!
 ううむ、やっぱり、今のは攻めが単調だったか・・・距離を開けられてしまった・・・
 さて、僕がさっき引いたのはふむ・・・
 こいつは今は左手の手札に加え、まずは1番にさっき引いたバトルマシンズ イーストオーファイブを召喚する!!
 左手の手札にあるバトルマシンズ イーストオーファイブのカードを右手で引いて1番に裏側で置き、
 もう1枚は・・・今は使えないけど、他にいい手札ないし、こいつ!!
 続けて、左手の手札から、1枚のカードを引いてチャージゾーンに裏側で置き、
 「セット!!」
 アリスが右手の傘を振り上げた!くるかっ!
 ならこっちも、右手で1番に裏側で置いたカードを表にするっ!
 「オープン!!バトルマシンズ イーストオーファイブ!!」
 「来なさいっ!!ラビットハームシップ ラビハープ!!」
 突如、アリスの上から理知的な白兎が降ってきた!
 左目にモノクロを付け、体に赤黒のチェック柄のベストを着、右手に本など持っている、
 そして、その本を開いて地に座り、何やら本を読み始めた、
 が、アリスはそんな兎、ラビハープに向かって、右手の傘をカーディンに向かって突き出し
 「行け」
 と、命令する、しかし、ラビハープは本を読んだまま
 「行け」
 再度アリスが命令するも、ラビハープは動かない、
 これ、どうしたらいいんだろう、まわりのカーディン達も動かないし、後ろの映命さんもめをパチクリさせて動かなくなってるし・・・
 「蹴っ飛ばす」
 とうとうアリスが切れたか、声のトーンを変えずに言い放った一言に、
 ラビハープはいきなり耳をドキリと伸ばし、しぶしぶ立ち上がり、本を読みながらゆっくりこっちに歩いてきた、
 いや、どうしたらいいんだろ、これ、
 そんなことを考えていると、突如、右の方から横切るようにラビハープの前に上から緑赤白色の新幹線が現れた!
 ラビハープが驚いて目を見開き、腰を抜かして尻もちをつく!
 ほら、よそ見しながら歩くから・・・
 と、走ってきた上が緑下が白で間に赤いラインの入った新幹線が前部から後ろを下に伸ばし、その反動で上に跳ぶ!
 そして、前部から後ろを完全に下に伸ばして前部を胸部とし、
 中部後ろから後部が左右に分かれて両足となり、後部の先から曲げていたつま先を伸ばすようにつま先が出、
 前部後ろから、下左が左に飛び出して左腕となり、右の方が周囲の装甲ごと飛び出して肩にプレートを付けた右腕となり、
 さらに、前に伏せていた頭を上に上げるように頭が飛び出した!!
 緑の機瞳持つ白い鋼の顔に、その頭には、上が緑、下が白、間が赤色の鋭角的なヘルメットをかぶっている、
 そして、その体は全体的に白い、
 と、いきなり右足中ほどが外に飛び出して中からマシンガンが射出出現!!
 そのマシンガンを右手に受け取り、その右手でマシンガンが飛び出してきた部分を閉め、
 マシンガンをラビハープに向かって構えた!!慌てて後ろを向いて走りだすラビハープ!!
 ええっと、とりあえず、コストコストっと・・・
 右手でバトルマシンズ イーストオーファイブのコストとしてカードを一枚表に!!
 「僕はバトルマシンズ イーストオーファイブのコストとして、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを指定!!」
 っと、向こうのラビットハームシップ ラビハープのコストは・・・
 緑の画面を見ると、向こうのチャージゾーンのカードが二枚、表になっていた、弧白兎 うさぎの兵隊再行進と弧白兎 うさぎの不退転クラッシュだ、
 ふむ、向こうで発動できるカードは一枚、こっちは無しっと、
 でも、向こうに発動する様子は無い、それなら、宣言してみるか!
 「僕はバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドのコスト軽減効果発動!!バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドのコスト軽減効果でバトルマシンズ ビック&ワイルドハンド自身を裏に!!」
 って、向こうのチャージゾーンもまた一枚表になったな、弧白兎 ラピッドスクリームの維持コストで弧白兎 ラピッドスクリームが表に・・・
 で、また弧白兎 ラピッドスクリームの効果で裏になると・・・
 嫌な予感しかしないな、この表返しと裏返し・・・
 ラビハープに向かって、ウェストがスナイパーライフルを構える!
 どうやら、向こうはコストでカードを発動しないっぽいけど・・・
 って、ちょっと待って、ラビハープの効果って、倒されたら発動するんじゃ、かなりやば目のやつが・・・
 ウェストの効果でトラッシュ送りにすれば止められるだろうけど、発動させても向こうに相殺で止められると思うし・・・
 無駄かもしれないけど、一応、色々やってみるか、
 「ちょっと待った!!」
 僕は大声を出して叫び、スナイパーライフルを構えたウェストを始めとした周りを制する
 「どうした、双歩?」
 こちらの方にカーディンが顔を向けてくる
 「そ・・・そうですよ・・・どうしたんですか?」
 今度は後ろから映命さんの声、
 「あのね、あの本を持った兎、ラビハープに攻撃しないようにして、アリスだけ攻撃してほしいんだ」
 「だ・・・だが・・・しかし・・・」
 思わず、僕はカーディンに向かって両手を合わせ、頼む
 「お願い!!なんか、攻撃したらまずいっぽいんだよ、あいつ」
 突如、映命さんがカーディンの方を見「そうですよ!!双歩さんがこう言ってるんですから!!」意見した
 ありがとう!映命さん!!
 「う・・・うむ・・・仕方がない、だが攻撃が当たった時は勘弁してくれよ」
 「無茶なお願いだってわかってる!!」
 「ちょっと!!聞こえてるんだけど・・・」
 げっ!この声はアリス!!全部聞こえちゃったか・・・
 アリスが怪訝そうに目を細め、こっちを見てきている
 「まったく、なんであんたがこいつに攻撃しちゃいけないって知ってんのよ!!」
 「やぁ・・・それは・・・まぁ・・・」
 あんまり言いたかないなぁ・・・言ってどうなるもんでもないし・・・
 「ま、いいわ」
 ん、なんかあきらめてくれた?
 「そっちから攻撃してこないなら・・・」
 アリスがラビハープに近づき、右足を振り上げる、
 なんか、嫌な予感が・・・
 「こっちからやるだけよ!!」
 アリスがラビハープを蹴っ飛ばし、カーディンの一直線向かっていき、カーディンの胸部にぶつかる!!
 ズガン!!
 「ぐほぁ!!」
 そして、ラビハープが地に落ち、耳を突き立て右前足の本を振り回し怒る、
 だけど、まだやれることがある!!右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!!
 「僕はマシングラシスオードギグの効果を発動!!ラビットハームシップ ラビハープの効果を相殺する!!」
 ウェストが突如、両手でスナイパーライフルをラビハープに構え、そのトリガーを引く!!
 ズドン!!
 スナイパーライフルから銃弾が狙い違わず発射された!!
 「おっと」
 突如、アリスが大きく素早く跳躍してラビハープの前に跳ぶと、
 その右手の傘を振り回し、ウェストのスナイパーライフルの銃弾を弾き、
 「それでは」
 そう言って、今度は優雅に上後ろに跳んで元の場所に戻った
 げっ!?あの防御も弧白兎 うさぎの反復付きダッシュってカード扱い!?
 なんて僕が驚いている間にも、ラビハープが右手の本を振り上げ怒り続ける、
 と、思ったら、ラビニップがいきなり左の森から現れ、右手にバケツを持って振り回す!
 すると、僕らの右少し前の獅子の檻脇の森の前の方の床で出現し続けていた白い月の光の陣から小さな光弾が二つ出現、一つはラビハープの方に飛んで行ってラビハープの前で拡散して光の膜と変わりラビハープの体を包み、もう一つはラビハープの向こう側の檻反対側の林森下の藪にまで飛んで行って見えなくなった!
 そうこうしている間にもラビハープは右手の本を上げ怒こり続ける、すると、白い月の光の陣が突如大きな光を放ち、そこから大きな光弾を放出!!
 いきなり爆発し、辺りに光の奔流をまき散らす!!
 とっさのことで誰も対応できない!!
 しかも、光の奔流が緑の半透明の板の上のウェスト、イースト、キューブのカードを弾き飛ばして僕の方に向かって来る!!
 慌ててウェスト、イースト、キューブのカードを右手に取りつつ、光の奔流に耐える!!
 ぐっ!凄い圧力だ!!
 後ろで映命さんが僕の体をその両手で掴んで必死に耐えているのがわかる、
 しかし、僕でも耐えられるんだ、カーディン達なら大丈夫だろう、
 等と思い、でもどこか心配になり、カーディン達のいる左の方を見ると、
 確かに、カーディンは両腕を顔の前に出して何とかしているのだが、
 ウェスト、イースト、キューブの三体は、同じように両腕を顔の前に出して防御するも、この光の奔流になすすべなく流され、どこかに消えてしまった、
 そして、幾ばくかの時間が過ぎ、光の奔流は消え去った、
 そこには、僕と映命さん、それに、カーディンとアリス、ラビハープしか残ってはおらず、ラビハープの光の膜も消え去っている、
 うへぇ、なるほど、こうなるのか・・・
 結局、アリスが無理やりラビハープの効果を発動させる格好になったけど、
 ってそうだ、ラビハープの効果、どれをチャージゾーンに置いて、手札に残して、トラッシュに置くか・・・よし!
 「僕はラビットハームシップ ラビハープの効果で、バトルマシンズ ウェストオーセブンをチャージゾーンに裏側で置き、バトルマシンズ イーストオーファイブを手札に戻し、バトルマシンズ スケルトンキューブをトラッシュに置く!!」
 僕がそう宣言した瞬間、右手にあるバトルマシンズ スケルトンキューブのカードが弾かれたように山札奥のトラッシュに向かって飛び、
 同じようにバトルマシンズ ウェストオーセブンがチャージゾーンに裏側表示で飛んだ!!
 右奥の森の方から突如、ラビニップが飛び出してきた!!
 ラビニップは両前足で頭のバケツの持ち手を持って振り上げ、カーディンに向かって叩きつけ
 「そうはさせん!!」
 そのバケツをカーディンが両手の平で挟み込んで受け止めた!!
 っと思った刹那、後ろの方から砲弾が飛んできてカーディンの背中に直撃した!!
 「ぐはぁ!!」
 砲撃を受けた反動で思わずバケツから両手を離すカーディン、
 受け止められていたはずのラビニップが両後ろ足でカーディンの両手の平を蹴ってそのまま前進し、
 そのバケツを振るってカーディンの頭にぶち当てた!!
 「ぐはっ!!」
 カーディンがひるんでいる間にラビニップは地に着地、そのまま元来た森の方を向いて走りだし、森の方に消えて行った・・・
 って、さっきカーディンを攻撃した砲弾はどこから・・・
 思わず砲弾が飛んで来たカーディンの後ろの方を見ると、そこには背に砲台を背負った白兎、ラビノンがそこにはいた!!
 な、あいつは・・・あ、そっか、ラビニップの効果でいつのまにか召喚されたのか!!
 だが、ラビノンはすぐに一目散に右の方に駆け出し、アリスとも離れたところに陣取っていく
 んん、きついなぁ・・・離れた所にいると対応しづらいし・・・っと、そうだ、ダメージ!!
 緑の画面を見ると、
 ダメージ判定!!ライフカードを1枚引いて手札にしてください!!
 と、出ていた、でも、ダメージ源を作ったラビハープの効果って全体に及んでいた気が・・・
 そう思い返しモンスターゾーンの状況を鑑みると、2番と3番が、向こうにモンスターがいてこちらはがら空きという状態になっている、つまり、二枚引けということか・・・
 とりあえず、右手に持つ、バトルマシンズ イーストオーファイブのカードを左手の手札に移して
 続けて、右手で一番左のライフカードを右手に取り、引く!!
 出てきたのは・・・えっとこいつは・・・
 さらに、右手の今引いたカードを左手の手札に戻し、
 元は左から二番目、今は一番左のライフカードを、引くっ!!
 出てきたのは・・・ううむ・・・
 これも左手の手札に移し、
 「さて、続きを、やりましょうか・・・」
 アリスがこちらに向かってゆっくり歩いてきて、カーディンが右拳を前に出しアリスに対峙する!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/21 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ21

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 正面にアリス、その左手前にラビハープ、右奥の方にラビノンか・・・
 こっちの戦える味方はカーディンのみ、せめて何か召喚できれば・・・
 その為にも、まずは表側表示のみで裏に返すカードの無いチャージゾーンに向かって、
 「リチャージ!!」
 カーディンがアリスに向かって走り出し、同時にアリスもカーディンに向かって走り出す!
 正面からぶつかる両者、そう思った瞬間、ラビノンがカーディンに背中の砲塔を向け背負い紐の金具を両前足の指で押す!!
 ズドン!!
 発射された砲弾が、カーディンにまっすぐ向かって行き、カーディンの右肩の付け根にぶち当たる!!
 「ぐっ!!」
 カーディンは少しひるむもののそのまま右拳をアリスに突き出そうと動かし、
 次の瞬間、アリスが上空に跳躍して、傘を下に出し、思い切り傘で突いてきた!
 「うおっ!」
 慌ててこれを後ろに下がって避けるカーディン、
 そのままカーディンが右拳を突き出す!
 が、アリスは傘を下に出して素早く着地し同時に後ろ上に跳躍しこの拳をかわす!
 右口端を上げてにやりと笑いながらアリスが地上に降りた、
 ううむ、まずいなぁ、数に押されてるや、
 それならば、カードバトルを進めないと!”右手で山札の一番上のカードを、引くっ!!
 「ドロー!!」
 アリスが前に向かってゆっくり足を出し、少しずつカーディンとの距離を近づいて調節する、次は何を仕掛けてくる気だ・・・?
 対してカーディンは動かない、というか動けないのだろう、すぐそばに僕達がいる上、下手に動くとラビノンの砲撃が飛んでくるんだから・・・
 さて、僕が今引いたカードは・・・スライスフィッシュ&フィッシュボーンスープ!!
 よし、ついでに山札から引いておこう!
 スライスフィッシュ&フィッシュボーンスープを持つ右手で左手の手札からフィッシュフライ・タルタルを引いて宣言!!
 「僕はフィッシュフライ・タルタルの効果を発動!!スライスフィッシュ&フィッシュボーンスープをトラッシュに送り、山札から三枚カードを引く!!」
 目の前に宙を銀に光る魚が泳いでくる!!
 あれは、毎度毎度おなじみのスズキ!!
 そこに上の方に切れ味鋭そうな包丁が現れ、スズキをに斬りかかり、スズキの頭部を切り落とす!!
 ザシュ!!
 さらに、スズキの胴体を前の方から切り、反転して後ろの方からも切った!
 ザザシュ!!
 そして、スズキを三枚に降ろし、
 そこに高級料亭で使われてそうな木のまな板が現れる!
 その上にスズキの右の切り身が横たわり、その上を包丁がスライド、鱗が一気に剥がされて、
 さらにその上に塩コショウがかけられて、白い薄力粉もかかり、
 横に白い卵と鉄製のボールも現れ、卵がひとりでに宙に浮くと卵が勢いよくボールにぶつかって、
 ガッ!!
 っと音を立てて卵にひびが入り、その卵がボール上に移動しての、ボールの上で左右に割られ、
 パカッ!!
 中身の黄身と白身がボールの中に入り、そこに長めの木の調理箸が現れ、ボールに差しこまれ思い切り卵をかき回す!!
 チャチャチャチャチャチャ!!
 さらに、そこにさっき色々付けられた切り身が放りこまれ、さらに卵がたっぷり付けられていって上げられると、
 その上に焦げ小麦色のパン一斤が出現、さっきの包丁が振り下ろされ、更に返す刃で斬り裂き、さらに返す刃で斬り裂き、
 そうやって、パン一斤を縦横無尽に斬り裂いていく!
 ザシュ!!ザザザザザシュシュシュシュシュ!!
 パンが粉みじんに切られて卵その他色々付いた切り身の上に降り注ぐと、
 その下にボールに替わって油がたっぷり張られて下に火が付かれた黒い鉄大鍋が現れ、そこに切り身が放り込まれた!!
 魚の切り身が油の中できつね色に変わっていく!!
 ジュウウウウウ!!
 すると、今度はスズキの左の切り身がまな板の上に移動して、その上を包丁がスライドして鱗を剥ぎ取り、
 今度は上から包丁が少しずつ横に移動しながらスズキの切り身を切っていく!
 トントントントントントン・・・
 そして、切り身が一通り切られたと思ったら、まな板が下にかたむいて包丁が上の方に移動して切り身が下の方に押していく、
 と、そのまな板の下に一つの横長の皿が現れた!!
 青と白の色で海の高波が描かれ、上の少し奥の方に細く斬られた大根が盛られ、右手前に薄緑のわさびが少量盛られている四角い皿だ、
 その皿にまな板の上の切り身を包丁が押して移動させ、
 今度は、そこに大きな水を張った鉄鍋が出現して、その鉄鍋の下に火が付き、残っていた真ん中の切り身が頭部と共に放りこまれ、
 そこに味噌が入れられたお玉が現れて、お玉が鍋の中に入って、箸がそこに差し込まれて、お玉の味噌がかきまぜられて鍋に溶かされていく!
 チャチャチャチャチャチャ
 さらに、味噌が鍋に完全に溶かされると同時に、鍋の上にネギと白菜が現れ、そこに包丁が飛んで行き、
 その包丁が上から振り下ろされたと思ったら今度は右から振り回され返す刃で左からという風にやたらめったらと野菜を切り裂いていく!!
 サシュ!!ザザザシュ!!
 そして、ねぎは斜め均等に、白菜は四角四面に切り刻まれて鍋の中に入り、
 その鍋に塩がパラパラと振りかけられ他と思ったら、
 さっきの味噌が入っていて今はすっかり味噌が無くなったお玉が鉄鍋の味噌汁をすくい上げ、
 そこに庶民的な椀が現れた、外が黒、内が赤い木の椀だ、
 お玉は中の味噌汁をその椀の中に注ぎ、そこでその椀が浮かび右手前の方に移動して置かれる、
 と、その椀の左側にはいつの間にか先ほどの刺身を乗せた青と白の皿があり、
 さらにその左には白いごはんが盛られた白い椀が出現し、それらの一番右にナスときゅうりの漬物と黄色いたくあんがそれぞれ短冊切りされて置かれた白い小皿が現れ、
 それらの奥中央に、野菜を載せた白い丸皿が現れた、奥にキャベツの千切りが乗り、右奥に八等分されたトマトが切れ置かれた白い大皿、
 刹那、さっき魚の切り身を入れた油の大鍋に突如、箸が入れられ、中から揚げられた魚の切り身が現れた、
 きつね色に揚げられた魚のフライだ、そのまま箸がその魚のフライを白い大皿の中央に置き、
 その魚のフライの上中央に細かく切られた野菜と卵の混ざった白いソースがかけられる、
 マヨネーズに卵の切り身とピクルスの切り身が混ぜられた白いソースだ、
 そこに、さっきの調理箸とは別の薄茶色の木の箸と、茶色い木の箸置きが現れ、
 木の箸置きが左の方に移動し、そこに木の箸が手に持つ方を右にして置かれた、
 っと、確かこの後は・・・
 その木の箸が突如宙に浮かぶと、白い大皿の魚のフライの左側に刺さり、左右に開いて
 ザクッ!!
 っと身を分け、分けた身の左側の身の小さい方を持って、
 中程のソースをたっぷり二、三度往復してつけてこっちの方に飛んできて、
 僕は慌てて右手を開いて前に出し、
 「お腹いっぱいなんでいいです」
 と宣言した、
 「な、双歩さん・・・!!」
 なぜか後ろから感動したかのような映命さんの声が聞こえたけど無視、
 今はこっちが先だ!!フィッシュフライ・タルタルの効果で右手で山札の上三枚を、引くっ!!
 出てきたのはマシングラシスオード、マシンサモンリソース、バトルマシンズ キット・オブ・ニンジャ!!
 よし!この引きならどうにか・・・え~っと今の手札を勘案して・・・こいつらだ!!
 右手で引いたカードを一旦左手の手札に移し、左手の手札から右手でバトルマシンズ イーストオーファイブのカードを引いて1番の場所に裏側で置き、
 続けて、左手の手札からマシングラシスオードのカードを引いてチャージゾーンに裏側で置き、
 「セット!!」
 アリスがカーディンに向かって走り出す! カーディンが右拳を前に出し、構える!
 右手で1番に裏側で置いたカードを持ち、表に!
 「オープン!!もう一度、バトルマシンズ イーストオーファイブ!!」
 アリスがそのままカーディンに迫る!!
 よし!向こうは弧白兎 うさぎの兎力兎々うさうさパワジンというリサイクルカードな上、もうモンスターゾーンがいっぱいでコストの見せ合いが出来ない!
 このまま右手でバトルマシンズ イーストオーファイブのコストとして一枚表に!
 「僕はバトルマシンズ イーストオーファイブのコストにバトルマシンズ ウェストオーセブン指定してバトルマシンズ ウェストオーセブン2番に召喚!バトルマシンズ ウェストオーセブンのコストにはバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを指定して、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンド自身のコスト軽減効果でバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを裏にする!」
 アリスがカーディンに向かって走っていく!
 そこに、左右から、薄銀色と緑赤白色の二つの新幹線が走り込み、アリスの行く手を阻んだ!
 そして、その新幹線二つが前部から後ろを下に回し、その反動で宙に跳ぶ!!その下でアリスが立ち尽くしているのが見えた、
 下からくぐってきそうなものだが、その前に押しつぶされるのを警戒しているのだろう、
 さらに、二体の新幹線の前部から後ろが完全に下に回って前部が胸部となり、
 後部が左右に分かれて両足に、中部が腰部となり、後部の端から上げていたつま先を伸ばすように黒いつま先が飛びだし、
 前部のすぐ後ろの部分それぞれ右、左の部分がそれぞれ外側に飛び出して右、左の腕になり、
 続けて、その反対側、それぞれ左、右の部分が周辺の装甲ごと飛びだして、その装甲を一枚のプレートとして肩に装着した左、右の腕となって、
 次いで今度は、胸部上から伏せていた顔を上げるように頭を上げる、
 その頭には、それぞれ銀の機瞳と緑の機瞳を持つ白い鋼の顔に、頭には銀に、上が緑下が白、間に赤のラインが入った鋭角的なヘルメットをかぶっており、
 その体の新幹線の部分以外は全体的に白く、左、右の肩に新幹線の装甲を模した銀と、上が緑下が白、間に赤のラインが入ったプレートを付けている、
 と、突如、それぞれ左、右の足の中部が飛び出して、中からスナイパーライフルとマシンガンが出現、飛び出し、
 それぞれ左、右の手でそれを掴んで飛び出してきた部分を互いの自身の銃持つの手で押して閉め、
 その手に握りしめたスナイパーライフルとマシンガンを前に構えた!!
 そして、アリスの前で、ウェストとイーストがそれぞれの銃をアリスに向け、銃のトリガーを引いた!
 銃弾が銃口から発射される!
 ダダダダダダダダダ・・・
 ダン!!ダン!!ダン!!
 これをアリスは右手の傘を前に出してその傘で全弾防御しきる!
 「あら、傘がまた傷ついちゃうじゃない」
 傘で顔は見えないが口調はずいぶん余裕だ、それなら、別の奴を狙う!
 「僕はバトルマシンズ イーストオーファイブの効果を発動!!イーストオーファイブ!!左の森を狙って!!ラビニップをおびき出して!!」
 イーストが左の森の方に銃口を向け、トリガーを引く!
 ダダダダダダダダダ・・・
 と、いきなりラビニップが不意に飛び出してきた!!
 よし、おびき出し成功!!
 イーストが今度はラビニップにマシンガンを向けて狙いを定め、
 「おっと、そうはいかないわね!」
 アリスの声が響いたと同時に、アリスが動き、左側、自身の前にいたラビハープの尻を蹴っ飛ばす!
 「行って来いっ!!」
 ドガッ!!
 ラビハープがぶっ飛び、イーストとラビニップの間に割り込んだ!
 そこでイーストがその銃のトリガーを引く!
 ダダダダダダ・・・
 その銃弾はものの見事にラビニップ、ではなくラビハープに直撃!!
 ラビハープは地に落ち、耳を逆立て、右手の本を振り上げ怒りだす!!
 すると、白い月の光の陣が光り出し、二つの光の弾が陣から出てきた!
 おっと、イーストオーファイブの効果を弧白兎 うさぎの不退転クラッシュで相殺後に戦闘終了を挟んでラビハープの効果発動か?そうはさせない!
 右手でチャージゾーンのカードを一枚表にし、宣言!
 「僕はマシングラシスオードギグを発動!ラビットハームシップ ラビハープの効果を相殺!」
 ウェストがそのスナイパーライフルで、ラビハープに狙いを定め、そのトリガーを引く!
 「甘いわ!」
 そこにアリスが割り込み、その傘を振るう!
 いいや、今度こそ相殺しきって見せる!
 右手で前のターンにチャージゾーンに置いたカードを表にし、右手で左手の手札から一枚引いて見せ、宣言!
 「甘いのはそっち!!僕は手札にあるバトルマシンズ ギャリットザムライを見せ、斬り裂き、ギャリット、ザムライ!!を発動!!弧白兎 うさぎの反復付きダッシュを相殺する!!」
 突如、上の方に白い小型の侍ロボットが出現、降ってきた!
 顔前面を黒い前髪が覆い、後部は長髪を付け根部分から伸ばした風に無造作にまとめたようになっていて、
 上半身には白灰の着物を着、下半身には灰色の袴を着用し、腰には銀の帯を巻き、左腰の方に黒灰色の鞘を付けていて、
 その右手には鉄の刃を取り付けた刀を持ち、刀には黒灰色の持ち手と黄色い鍔が付いており、衣服の下には銀色の体が垣間見え、足元に草履をはいたふうな意図が施されている、
 ずんぐりな体型で手のひらに乗るほどの大きさの小型ロボットだ、
 と、そのロボットがそのままアリスの真上に降りそそぎ、アリスの頭とぶつかる!!
 ゴン!!
 「っつたー!!」
 アリスが痛がり、ひざを曲げて姿勢を下げ、頭を両手で押さえさする!
 その瞬間、イーストがそのマシンガンをラビハープに向け、そのトリガーを引く!!
 ダダダダダダ・・・
 そこにウェストもスナイパーライフルを向け、引きがねを引いた!!
 ドン!!ドン!!ドン!!
 この二つの銃撃に、ラビハープもさすがに耐えきれずに吹っ飛び
 「そこだぁ!!」
 そこにカーディンが右拳を振り上げ向かって行き、その右拳を突き出して喰らわせふっとばし、
 それでもなおイーストとウェストは銃撃をラビハープに当て続け、
 今度こそラビハープは爆発!消滅した!!
 同時に、白い月の陣の上の光弾も消滅する!!
 ふぅ、どうにかなった、
 と、そういえば、さっき降ってきたギャリット・ザムライ、ギャリットは・・・
 ギャリットがぶつかったあたりを見ると、ギャリットは力なく、転がったままだった、
 ギャリット、すぐに動かすからね、さぁ、ここからだ!まずはっ!!
 右手でチャージゾーンのカードを一枚表に!!
 「僕はマシングラシスオードの効果を発動!!」
 相殺は・・・なさそうだ、今のうちに!!
 「コストにはマシングラシスオードギグを指定!!バトルマシンズ ウェストオーセブンのパワーを800上げ、マシングラシスオードギグを二回発動できるようにする!!」
 「ここでさらにマシングラシスオードギグの効果を発動!!コストにバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2とバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを指定し、マシングラシスオードを三度発動できるようになる!!」
 よし!これでマシングラシスオードを一度発動したから、残り二回発動できるようになった!!
 さらに、右手でマシングラシスオードを表に!!
 「マシングラシスオードを二回発動!!一度目はコストにバトルマシンズ カーディン カーモードを指定してバトルマシンズ ウェストオーセブンのパワーをさらに800上げ、バトルマシンズ ウェストオーセブンの効果を二度発動出来るようにする」
 「二度目の発動でコストにバトルマシンズブーストを指定しつつ、効果では斬り裂き、ギャリット、ザムライ!!を指定し、斬り裂き、ギャリット、ザムライ!!の効果を二度発動できるようにして、バトルマシンズ ウェストオーセブンのパワーをさらに800上げ、さらに、斬り裂き、ギャリット、ザムライ!!の効果を発動!!手札にバトルマシンズ ギャリット・ザムライを3番に召喚しつつ、バトルマシンズ ギャリット・ザムライの効果を戦闘直前効果にする!!」
 「大丈夫か!ギャリット・ザムライ!!」
 いきなりカーディンがギャリット・ザムライを右手で持って上に向け、心配そうに覗き見る、
 と、突如、赤い力がカーディンからギャリットに流れ込み、次の瞬間、ギャリットが立ち上がってカーディンの手を離れ、アリスに向かって走り出した!!
 「あら、くるの?」
 アリスが余裕綽々に右手の傘を右肩にかける、
 よし、今だ!右手を前に出し、宣言!!
 「バトルマシンズ ウェストオーセブンの効果を発動!!ラビットニュムシップ ラビニップをトラッシュに送る!!」
 ウェストがそのスナイパーライフルをラビニップに向けた、そして、トリガーを引く!!
 「させないわ!!」
 そこに、ウェストとラビニップの間に向かってアリスが傘を投げた、
 傘がウェストの放った銃弾を弾き、傘の方が吹っ飛ぶ!!
 弧白兎 うさぎの偽慎さびしがりで相殺か!?でも、甘い!!
 「僕はマシングラシスオードの効果でもう一度バトルマシンズ ウェストオーセブンの能力を発動!!ラビットニュムシップ ラビニップをトラッシュに!!」
 ウェストがきちんと、傘の間から、ラビニップに向かって狙いを定める!!
 「しつっこいわね!!」
 そこにアリスが駆け寄ってくる!
 「行かせはしない!!」
 そこにカーディンがその拳をアリスに叩きつける!!
 「なにっ!?ぐっ!!」
 アリスがその拳を何とか両手で防ぐ、
 対して、慌てて逃げようとするラビニップ、だが、そこにイーストがマシンガンを乱射!!
 ダダダダダダダダダ・・・
 マシンガンの銃弾はラビニップの周辺に当たり、ラビニップは動けなくなり、あわてて上に跳ぶ!!
 そこにウェストがゆっくり狙いを定めてスナイパーライフルのトリガーを引く!!
 ズドン!!
 空中で軌道を変えられなかったラビニップはもろに銃弾で胴を撃ち抜かれ爆発!消滅する!!
 突然、ギャリットが背中の砲塔が無くなったラビノンを左手で襟首掴んで引っ張って連れて戻ってきた!
 一堂にぎょっとギャリットを凝視した、
 と、ギャリットは倒れ目をつぶっているラビノンを前に出し、両手を合わせ、神妙におがんだ、
 いや、さっきっから、向こうの方でちらちら見えてたんだけど・・・確か、ギャリットがラビノンを追っかけてった後、
 ギャリットはラビノンを追いかけていき、その右手の刀を振るった!!
 その刀はラビノンの背中の砲塔に当たり火花を散らす!!
 ラビノンは刀が当たった時の衝撃か、はたまた音か、両方かにより、逃げられないと悟ったのか後ろを振り返る、
 対峙するギャリットとラビノン、
 すると、ラビノンがいきなりギャリットに背中の砲塔を向け、背負い紐の金具を両前足の指で押した!
 砲塔から砲弾が発射される!!
 ズドン!!
 これをギャリット、まったく避けずに正面から右手の刀でたたっ斬った!!
 砲弾は左右に両断され、地に落ち、音を立てた!!
 ズドン・・・
 そこからいきなり走り出すギャリット、
 ギャリットはその右手の刀を大きく振り上げる!!
 ラビノンはここで右肩の装甲を上前に出して刀から身を守ろうとする!!
 振り降ろされた刀を、右の肩の装甲が火花を散らしながら見事に受け止めていく!!
 だが、ギャリットの刀は装甲に当たって火花を散らせながらはものの見事にその装甲を真っ二つに斬り裂いた!!
 ラビノンが斬り裂かれた装甲を見て目を丸くしていた、
 とここでギャリットが掬い上げるように第二刃を放つ!!
 ラビノンは慌てて後ろに下がって避けるものの、ギャリットは前進して砲塔の間合いの内側に入り込みつつ思い切り刀を振り下ろした!!
 そこでラビノンは背中の砲塔を降り回し、ギャリットにぶつけようとする、
 しかし、ギャリットは慌てず騒がず刀そのまま降り降ろし、砲塔の根元にぶち当てる!!
 砲塔がこの刀を受け止めた!!
 しかし、刀は見事に砲塔を斬り裂いた!!
 と、ラビノンがあわてて後ろに振り返り背負ったリュックを投げ捨てるかのように背中の砲塔を左右の装甲ごと放棄し逃走、装甲と砲塔が斬り裂かれるのを見て気が動転してか、はたまた、最初からそうするつもりだったか、
 だが、ギャリットはそのままラビノンを追い、ラビノンの背後から刀を振り上げ斬り裂いた!!
 ラビノンはそのままぐったりとして倒れ、ギャリットは武将首を取ったかのごとく、左手でラビノンの首根っこを握り、こっちの方に連れてきた、
 と、そういうわけである、
 そして、ギャリットがおがむ中ぐったりしていたラビノンが爆発!!消滅した!!
 「ふふふ・・・やってくれたわね、仕方ない・・・」
 と、突如、アリスが自身の右の方まで転がってきていた自分の傘を右手を伸ばして拾い上げ、こちらを見たまま白い月の陣の上に向かって跳躍して移動し、
 白い月の陣の真上で、
 大きく傘を振る!!
 「はぁっ!!」
 傘から発生した衝撃波が白い月の陣の光を受け、光の嵐となって辺りに巻き起こる!!
 ぐっ、けだるさが襲いくるこの風は一体・・・?
 同時に、その光の嵐を受けた、イースト、ウェスト、ギャリットが力が抜けたように両腕を下げ
 「さぁっ!!」
 アリスの一喝と共に投げ出された幾多のトランプを僕や映命さんやカーディンと違い守ることも避けることもなく突き刺さりトランプが爆発!!
 倒れ、ひとりでに光の塵と変わり消え去る!!
 「なっ、イーストオーファイブ、ウェストオーセブン、ギャリットザムライ!!」
 くそっ、弧白兎 うさぎの窮兎ロボ噛であの三体を重点的に狙ってきたかっ!おそらくは、僕とカーディンのように意気満々な手合いには効きづらい術なのだろう
 カーディンの大きな叫び声が響く中
 「ここからは、少し本気出そうかしらね!!」
 アリスが右手の傘をこちらに向け、下からピシッとにらむ様にこちらを見る!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/22 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ22

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「ふふ・・・さて、どうしてくれましょうかね・・・」
 傘をこちらに向けたまま不敵に笑うアリス、
 くそ!!一気にカーディンと僕達しかいなくなってしまった、どうにかしないと・・・
 とりあえず、右手でチャージゾーンの表側表示のカードを裏に返し、
 「リチャージ!!」
 「ふうむ、どうしましょうかしらねぇ・・・」
 アリスが悩ましげに小首など傾げ
 「きさまから来ないなら、こっちから行くぞ!!」
 カーディンが待ちかねたのか、アリスに向かって走り出す!!
 ええっと、今のうちに右手で山札の一番上のカードを引いて、
 「ドロー!!」
 「あらあら、せっかちさんねぇ」
 カーディンが右拳を振り上げ、余裕ぶっこくアリスに向かって突き出す!
 そこでアリスが少し宙に跳躍
 「それっ!!」
 カーディンの右拳の上に着地する!
 「なにっ!?」
 カーディンが驚き一瞬動きを止め、そこにアリスがカーディンの右腕の上を走りだし、カーディンの顔の前で一旦立ち止まって
 「それぇっ」
 その右足でカーディンの顔を蹴る!
 「ぐおっ!」
 カーディンがひるんで少し後ろに倒れそうになり、その反動を利用してアリスが後ろに跳ぶ
 「くっ!!」
 カーディンはすぐに立て直し、対して、アリスはゆっくりと地上に降り、互いに再び対峙していく・・・
 さて、こっちも進めよう、
 僕が引いたのはビクトリーカーディン!!
 使いたいが、召喚するためにカード足りてない、
 とにかく、一旦チャージゾーンに置いておこう、バトルマシンズ キット・オブ・ニンジャを置いておく手もあるが、手札から出せる補助カードがあるし、今は手札に置いておく!
 引いたばかりのビクトリーカーディンのカードをチャージゾーンに裏側で置き、
 続けて、左手の手札を見る、
 ここは・・・二ターン前のドローで引いておいたバトルマシンズ フロストジャイロヘリコプターで攻めるっ!!
 左手の手札から右手でバトルマシンズ フロストジャイロヘリコプターのカードを引いて1番に裏側で置き、
 「セット!」
 「そうねぇ・・・ん~?」
 アリスが悩ましげに小首を傾げながら宙を見る、
 今の内今の内、
 右手で1番に裏側で置いたカードを表に!
 「オープン!!バトルマシンズ フロストジャイロヘリコプター!!」
 「うぅむ~・・・」
 アリスが宙を見続けている、
 「ん?」
 なんか、アリスがパァッと笑顔を浮かべつつ顔の脇で両手を合わせ
 「そうだわ」
 等と言いつつこっちを見た、嫌な予感・・・
 「そのカード、少し借りましょう・・・」
 そして、不意に左腕ごと左手の人差し指を僕の方に伸ばしてだし、少しだけ上に上げる、
 すると、左手の手札のバトルマシンズ サンダースパイクダンプのカードがひとりでに浮かび上がった!!
 えっ、一体どういう・・・
 よく見ると、アリスの下の白い月の陣から透明微小な発光体が伸びてきて、バトルマシンズ サンダースパイクダンプのカードを掴んで動かしているではないか!!
 「それっ!!」
 アリスが思い切り左手の人差し指を上に上げると、
 いきなり右の方から黄色いダンプカーと水色のヘリコプターがダンプカーが走りヘリコプターが飛んでやってきた!!
 そして、そのヘリコプター、ところどころ凍った氷のような水色のボディを持ち、上に白い2連プロペラがあり、後ろの三角翼の中にローターを持つヘリコプターのローター部が後翼ごと上下180度反転!!
 黄色いダンプカー、黄色い車体に四つの大きな黒いタイヤ持つダンプカーの荷台の部分が思い切り後ろから上がり、
 ローター部が斜め上下左右の四つに分かれ、
 荷台の後ろの下の方が曲げていた足を思い切り伸ばすように伸び、
 元はローターの上の翼部分だった部分が下に足を延ばすように移動して行って両足となり、
 荷台が下がって、足の後ろの端の方から足先が前に倒れるように黒い台形の板の様な物が伸びて変形、つま先となり、反対側のかかとの部分からは黒い棘のような物がこちらも後ろに倒れるように変形、
 ローターの付いた元は下部分だった部位が両腕を左右に伸ばすように移動し、そのまま両肘を下に曲げるように変形して、前部と後尾翼の接続部分が両腕と化し、ローターを両肩部に持ってきて、
 前部のタイヤの付いていた部分を四角く曲げていた両腕を下に伸ばすように展開しつつ黒い端の部分を開いて両手と化し、その両手を下に付けて上半身全体を上に上げるようにしてダンプカーが立ち上がっていきさっき伸ばしていた部分が両腕となる、
 そこからプロペラ部分が背中の方に移動しつつプロペラのあった部分から前に伏せていた顔を起こすようにして頭が出現、
 コックピットの部分が前に倒れるように移動して胸部になり、その上の元コックピットの部分があった場所の下から頭が飛びだしてきた!!
 その頭はヘリの前部をイメージした水色の兜をかぶった精悍な鋼鉄の顔を持ち、その顔には水色の氷瞳があり、
 その頭は口部がダンプカーの前下半分のようになっており、その頭の上の方にはダンプの前部上を模した黄色い兜をかぶり、黄色い鉱目を持っていて、
 その体は左足と右腕がちょっと凍っている!!
 その体は手足の関節が白めの鉄色で作られていて、その先にの両腕両足にはタイヤの付いた部分が配されており、拳と足先と踵の部分が黒い色となっている!!
 なっ!?フロストジャイロヘリコプターとサンダースパイクダンプ!?
 確かにフロストジャイロヘリコプターは召喚したけど、サンダースパイクダンプは召喚してないっ!?
 だが、フロストジャイロヘリコプター、ジャイロと、サンダースパイクダンプ、スパイクは共にアリスの方を見て、両手を握って拳となしながら右拳を少し前に出して構え、アリスに敵意を向けているように感じる、
 どうやら、両方とも味方のようだ、だが、なんでアリスは無理やりこの状況を作ったんだ?
 と、その当のアリスが両の口角を上げて余裕綽々に笑う、
 「ウフフ・・・さぁ楽しみましょう」
 とにかく、アリスの言い様はわからないけど、あの余裕は気に入らない・・・
 だが、その前にまずはバトルマシンズ フロストジャイロヘリコプターのコストだ、
 右手でチャージゾーンのカードを三枚表にする!!
 「僕はバトルマシンズ フロストジャイロヘリコプターのコストに、バトルマシンズ カーディン カーモード、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンド、斬り裂き、ギャリット、ザムライ!!の三枚を指定!!」
 さて、緑の画面の方で表になったアリス・ジュエルラビットのコストは・・・?
 弧白兎 うさぎの兵隊再行進、弧白兎 うさぎの兎力兎々うさうさパワジン、弧白兎 うさぎの偽慎さびしがり、弧白兎 うさぎの窮兎ロボ噛・・・なるほど、向こうもこっちも発動出来るカードは二枚でどっちも発動できないと、
 それなら、
 「僕はバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドのコスト軽減効果発動!!バトルマシンズ ビック&ワイルドハンド自身を裏に返す!!」
 ん?アリスの下の白い月の陣が光が少し強まった・・・?
 と、アリスが挑発するように傘をジャイロとスパイクに次いで向け
 「さて、それじゃあ、この二体を相手にしてあげましょう!!」
 「私を忘れてもらっては困るな!!」
 即座にカーディンが言い放つ、
 ううん、僕としては、フロストジャイロヘリコプターのパワーがどうあってもアリスのパワー越えられないんで、
 なぜか召喚されたスパイクの方に頼るしかないんだけど、
 なんで召喚されてんだろ、スパイクのカードはなぜか勝手にトラッシュに移動しちゃってるし・・・
 いきなりジャイロがその両肩のローターから吹雪をアリスに向かって放出する!!
 この吹雪をアリスが傘を上に広げて宙に跳び、回避!
 そのままジャイロはアリスに向かって吹雪を吹きかける、が、アリスの傘が吹雪によって上に上昇し続けつられてアリスも上に飛んで行く、
 と、ある程度アリスが上昇し続けたところアリスが傘を下に向け後ろに左手からトランプを一枚投げて爆発させ、その爆風を蹴って吹雪を切り裂き猛スピードで突っ込んできた!
 ジャイロは吹雪を止めて避けようとするも時すでに遅し、その右肩のローターをアリスとアリスの傘が貫く!
 アリスはそのまま傘を上に差して再度上昇しつつカーディンの頭の上に着地
 「なにっ!?」
 カーディンが驚く中でスパイクがアリスに向かって右手を伸ばすもアリスは宙に跳んびながら優雅に縦横に回転しつつ回避、
 そこにジャイロが空中でバランスを崩しつつも突っ込んできて右拳を振り上げ突き出す、が、これわアリスは傘を上に出して上昇、この右拳を避ける、
 そのままアリスはゆっくりと降りてジャイロの頭の上に降り、なぜか傘を下に向け、
 「それっ」
 掛け声とともに傘を勢いよく下に突き出し、ジャイロにぶち当て、
 コン!
 ジャイロがその衝撃で一気に下に落ち、地上に頭から激突!
 ズドン!!
 傘を上に出し、宙を優雅に舞うアリス、そこにカーディンが右拳を振り上げ殴り掛かる!
 「今度こそ!!」
 それをアリスは左手から上にトランプを投げて爆発させその爆風に傘で乗って信じられない速度で下を潜り抜けて回避しつつ地上に降りてジャイロに向かって走り出しジャイロに肉薄していく!
 そこにスパイクが両手を前に出してアリスに向かって電撃を発射!!
 「あまり優雅じゃないですわね」
 そう言ったアリスが傘を前に出すと白い月の陣から一筋の光が瞬間に傘に照射され、傘の先に光が宿る、
 そして、その持つ傘でアリスが前にくるりと円を描くと、円に光が張られて白い光の丸い盾となり、向かい来た電撃をすべて防ぎ消滅させた!
 「なっ!?」
 一部始終をいつの間にか見ていたカーディンとスパイクを驚愕させつつ、アリスが一気にジャイロに向かって前進!
 「では、終わりにしましょう」
 その右足を思い切り前に振り上げてジャイロを上に吹き飛ばし、続けて、左手に大量のトランプを出現させ、その左手を上に振り上げ、トランプを上空にばらまいた!さらに、傘を一度降ろした後
 「はいっ!」
 振り上げて衝撃波を発生させ、ばらまいたトランプを全てジャイロに向かって吹き飛ばす!!
 背中のプロペラを回して体勢を立て直そうとしたジャイロにすべてのトランプが全身に突き刺さる!!
 ドカカカカ・・・
 そこでアリスが少し宙に舞い、左手にトランプを大量に出現させて今度は下にばらまいた、大量のトランプが地面に突き刺さる!
 ドカカカカ・・・
 さらに、地面に突き刺さったトランプが爆発!
 ズドドドド・・・
 その爆風をアリスは上に上げた傘に受け、明らかに一気にとんでもない速度で上昇、
 そのままその傘でジャイロを貫いた!
 そして、アリスはそこから空中のジャイロの前まで優雅に降りてきて、宙空で左手を前に出すと左人差し指を左親指で抑え、チャーミングにウィンクなどしつつ指を鳴らした!
 「それっ!」
 パチィッ!
 ジャイロに刺さった大量のトランプが爆発する!
 ズドドドド・・・!!
 ジャイロはそのまま体に刺さった大量のトランプの爆発に巻き込まれて自身も大爆発!!消滅した!!
 「フロストジャイロヘリコプター!!」
 カーディンが叫ぶ中、アリスが優雅に宙から地に降りる、
 ぐっ、ジャイロがやられた、でも、まだスパイクが、
 と、アリスが今度は傘を大きく勢いよく振り上げ、
 「さぁ、来なさい!」
 アリスがそう言った瞬間、突如、アリスの後ろの白い月の陣から、白い女神のような衣装をまとい、左右の手にそれぞれ白い大弓と矢を持った、光の巨大な兎が飛び出してきた!!
 げっ!これは、あの陣から出てきた兎は、もしかして、アリスの効果!?
 じゃあ、あのスパイクが勝手に召喚されたのもアリスの力っ!?
 そして、戦闘に勝利したからアリスは自身の1の効果を発動して、スパイクを召喚して、アリスの弧白兎魔方陣 月奔を設置して、あの女神兎、メガウサを召喚したってこと!?
 いきなりメガウサがその右前足の矢を左前足の弓につがえ、引き、その矢を放つ!!
 バシュッ!!
 その矢はまっすぐにスパイクに向かって行き、スパイクはあわててこれを避けようと左に動き、その矢を左肩に被弾する!!
 ズドッ!!
 スパイクは左肩に矢を受け、盛大にひるむ!
 が、すぐに右手で背中の荷台を外し、盾とした、
 しかし、矢が左肩に突き刺さったままの左腕は使い物にならなくなったのかだらんとさせている上、いつの間にかメガウサの右の前足には新しい矢が出現している、これは、きついか・・・
 「サンダースパイクダンプッ!!」
 カーディンはスパイクの名を叫び、今度は出現したメガウサをその右足で蹴りに掛かる!
 「このぉ!!」
 しかし、カーディンの蹴りはものの見事にメガウサをすり抜けた!!
 「なにっ!?」
 と、アリスがいきなり左手をおとなしめに口元に当て
 「ウフフ、無駄無駄、ただのエネルギーの塊なんですから、蹴りが当たるわけはないですわ」
 「ならばこちらは!!」
 カーディンがいきなりメガウサの右前足の矢に右手を伸ばす、しかし、メガウサはいきなり宙に浮きそのカーディンの右手を避けた!
 「ぐっ!でやぁ!」
 一瞬悔しがるカーディンだが、その直後宙に跳んで右の手を上に伸ばしメガウサの矢を奪い取ろうとする、
 が、メガウサはこれを軽やかに右の方にひらりと飛んでかわし
 「はい、残念」
 アリスが余裕たっぷりに発言する中、メガウサは右の前足の矢を左前足の弓につがえて、いっぱいに引き、スパイクに向かって発射!
 その矢はスパイクに向かって真っすぐに突き進み・・・スパイクの盾を貫通してスパイクの本体胴部を貫く!
 ズドォ!!
 「サンダースパイクダンプッ!!」
 カーディンが地上に着地しつつ叫ぶ中、光の矢を二本、体に貫かれ、体に矢を残したままのスパイクが、その盾を支えに何とか立っている、
 正直、二発目を盾で受けようとしたのがまずかった、避けていればまだ少しはどうにかなったかもしれないのに
 「くそっ!!こうなったら!!」
 カーディンがスパイクとメガウサの間に向かって走り込み、割り込み、メガウサを見据える!
 「来るなら来い!その矢を受け止めてやる!」
 「そんなことさせるわけないでしょう」
 いきなりカーディンに向かって幾枚かのトランプが飛ぶ!そのトランプは寸分たがわず、すべてがカーディンの両目を狙っているようだった、
 あのトランプを投げたのは・・・アリスかっ!?
 アリスの方を見ると、アリスが左手を前に伸ばしているのを下に戻している所だった、あれは。手を伸ばしていたのは、やはりトランプを投げたためだろう
 カーディンは向かい来るトランプを慌てて顔の前に右腕を出して防ぐ!
 カーディンの右腕に幾枚ものトランプが刺さり、電撃を出して爆発する!
 ドカカカ!
 そして、カーディンが右腕を下げるも、そこにはメガウサはいなかった!
 「な、どこに!?」
 カーディンが慌てて顔を左右に回し、メガウサを探す、思わず、僕は声をかけた、
 「カーディン後ろ!!」
 「なにっ!?」
 「はい、残念!」
 アリスの楽しげな声と共にカーディンが後ろを振り返る中、スパイクの後ろから光の矢が飛んできて、スパイクを後ろから貫いた!
 そう、トランプで視界をふさがれた瞬間、メガウサは宙を飛んでスパイクの後ろに移動、
 そのまままたも復活させた右手の光の矢を左手の弓につがえて放ち、スパイクを串刺しにしたのだ!
 スパイクは三本の矢に貫かれ、カーディンが見守る中で前に倒れ爆発!消滅した!
 「サンダースパイクダンプゥー!!」
 カーディンが大きく叫ぶ!!
 くそっ!!どうにもできなかった!!二体もやられてしまったっ!!
 「さぁ、次はあなた達の番よ!」
 アリスが余裕綽々で右手の傘をこちらに向け、
 空中のメガウサもやはり復活した右手の矢を左手の弓につがえ、こちらに向ける!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/23 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ23

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「撃て(ハート)」
 アリスの傘をこちらに向けてのチャーミングさを演出した一言に、メガウサが右手の矢を離す、
 狙いは・・・僕達!!
 「映命さんっ!!」
 「はいっ!!」
 右手で映命さんの左手を無理やり取り、走る!!
 ズガァ!!
 背後から聞こえた大きな音に後ろを振り返ると、そこには巨大な光の矢が地面に突き刺さっていた、
 ええっと、今のうちに右手でチャージゾーンの表側表示のカードを裏に返し、
 「リ・・・リチャージ」
 「まだ終わらないわよ!!」
 アリスが左手にトランプを出現させ、素早く左腕を振るう!!
 これくらいなら!!映命さんを左手で引きつつ一気に右の方に走る!!
 「ふふ、甘い!!」
 投げられたトランプが後ろの光の矢に当たり、爆発する!!
 ドカカカカッ!!ドカン!!
 すると、後ろの光の矢が大きな光を放ちだす!!
 あれ、これは、まずい!!
 映命さんを左手で引きながら一気に走る!!
 が、後ろから来る光は大きくなっていき、
 ズドォン!!
 後ろから大きな爆音が響き、熱が迫ってくるのを感じる!!
 だが、その熱と光と爆風が、僕と映命さんを避けるように左右を行き過ぎ、
 次の瞬間、アリスの方から何かが飛んでくるのが見えた!!
 「映命さん!!顔守って!!」
 「え、あ、あ、はい」
 今度は映命さんが顔を守ったかなんて確認してる暇はない、急いで映命さんの背中に右手を回し、一緒に倒す!!
 「ふきゅ!!」
 映命さんの声を聞きつつ何とか体を下げると、上を幾枚ものトランプが行き過ぎた、
 と同時に、僕達の目の前もトランプが行き過ぎる、
 「っちっ、爆風の計算を誤ったみたいだわ」
 アリスの方から悔しがるような声が聞こえ、同時にまわりの爆風が収まっていく、
 ええっと、立ち上がるこの瞬間なら・・・右手で山札の一番上のカードを引く、
 「ドロー」
 「残念、生きてたみたいね」
 アリスが飄々と言い放った
 状況を確認しよう、
 爆風が来た方をチラリと見る、そこには、カーディンの右手があった、恐らく、爆風から僕達を守ってくれたのだろう、
 さらに、アリスが向こうでこちらを見下している、おそらく、さっきのトランプ、爆風でこちらを吹き飛ばそうとして、吹き飛ばせなかった場合、トランプで直接こちらを狙い撃ってくる算段だったようだ、ご丁寧に、上下時間差攻撃で、
 ただ、爆風によって下段の攻撃がカーディンがその手で爆風を遮ったせいか、予想以上に吹き飛ばされてしまったのだろう、運が良かったと思うしかない、
 そして、立ち上がりつつ映命さんの方をチラリと見る、
 両腕で顔を抑えている、痛いのなら片腕だけで大丈夫だから、きちんと守れたのだと思いたい、
 「カーディン!!ありがとう!!」
 と、カーディンがアリスの方を警戒して見つつ、僕の方にチラリと顔を向ける、
 「双歩、出来る限り出来ることを、その子を守りながらな、こっちの方も、頼む」
 「うん」
 首を縦に振って応え、今引いたばかりのカードを見る、
 これなら、一気に攻められる!!
 引いたばかりのカードを1番に裏側で置き、さらに、左手の手札から、えっと、マシンサモンリソース、これだ!!
 左手の手札からマシンサモンリソースのカードを引いてチャージゾーンに置き、
 ん?緑の画面の向こうでカードが二枚ならんで表記されてる?
 アリスの弧白兎魔方陣 月奔と弧白兎 うさぎの兎力兎々うさうさパワジン?
 さらにひとりでにチャージゾーンのカードが四枚も表になってく、なんでだろ?
 えっと、今度は弧白兎 うさぎの兎力兎々うさうさパワジン、弧白兎 うさぎの偽慎さびしがり、弧白兎 うさぎの不退転クラッシュ、弧白兎 うさぎの窮兎ロボ噛?
 あ、そっか!これは、アリスの弧白兎魔方陣 月奔の維持コストで弧白兎 うさぎの兎力兎々うさうさパワジン、弧白兎 うさぎの偽慎さびしがり、弧白兎 うさぎの不退転クラッシュ、弧白兎 うさぎの窮兎ロボ噛の四枚を表にして、
 その内弧白兎 うさぎの兎力兎々うさうさパワジンを発動させた、って解釈でいいんだろうか?
 まぁ、今はそう解釈するしかあるまい、なので、
 「セット!!」
 「さて、そろそろとどめを刺しましょうか」
 アリスがゆっくりと傘をカーディンに向ける、
 同時に、メガウサも、その両手の弓矢を引き絞り、カーディンに狙いを定める、
 ええい!右手で1番に裏側で置いたカードを表に!!
 「オープン!!バトルマシンズ バトルポリストレーラー!!」
 「撃てッ!!」
 アリスの指示が飛び、メガウサが右手の矢を左手の弓で解き放つ!!右の方からポリスカラーのトレーラーが走ってきた!!
 全高の低い前部は上白下黒に塗り分けられていて、白色中部に狭い窓が付き、上の方にはパトライトが付いており、
 その前部がけん引する後部は前が左右上下に少し細く白色で後ろは黒色で真四角になっている!!
 と、そのトレーラーがカーディンに向かっていた矢を横から吹っ飛ばした!!
 「バトルポリストレーラー!!ナイス!!」
 僕が思わず叫んだ瞬間、上の方からまんまるな巨大兎が降ってきて、バトルポリストレーラーの上に乗っかり、バトルポリストレーラーを押さえつけてしまった!!
 白桃色の毛皮を持ち、赤い目と長い耳を持つ、まんまるな兎、それがバトルポリストレーラーを押さえつけているのだ、
 「ビクラビット!!ナイス!!」
 今度はアリスの嘲笑と皮肉がたっぷり混じったうれしそうな声、
 ええい!!これじゃあ、コスト召喚できないじゃないか!!
 いや、コスト召喚できるかは、互いにコストを表にした後か、
 それなら、まずは右手でバトルポリストレーラーのコスト三枚をチャージゾーンから表に!!
 「僕はバトルポリストレーラーのコストに、ビクトリーカーディン、バトルマシンズ カーディン カーモード、斬り裂き、ギャリット、ザムライ!!を指定!!」
 向こうは!?ええっと、弧白兎 至近棍ぶりす、弧白兎 うさぎの反復付きダッシュ、弧白兎 うさぎの兵隊再行進、全てリサイクルで発動タイミングは戦闘前、戦闘後、コストで表になった時、
 でも、向こうに発動出来るカードは、無い!!発動タイミングがコストで表になった時の弧白兎 うさぎの兵隊再行進は発動条件は満たしてるけどもう向こうにコストに使える裏側表示のカードが無いしね!!
 よっし、一気に宣言する!!
 「まずは、バトルマシンズ カーディン カーモードを2番に召喚!!」
 カーディンが車形態に変形、そのまま一気に向こうまで走っていく、
 アリスがそれをじーっと見つめて見送る、僕も思わずカーディンの方を見る、
 「ん?」カーディン、何か考えがあるのか?
 いや、バトルポリストレーラーが出てきたんだから、この先にカーディンが僕が何をするのかも察したんだろう、
 それなら、僕もその期待に、応える!!
 「僕はバトルマシンズ カーディン カーモードのコストとしてバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を指定し、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を2番に召喚!!バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2はチャージゾーンにビクトリーカーディンが存在しているので召喚できる!!」
 カーディンがこちらに勢いよく走ってきた!!
 そして、僕が左手でモンスターゾーン1番のバトルマシンズ カーディン カーモードを持ち、
 右手でチャージゾーンのバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を持ち、
 互いに反対側に返しつつ交差させて場所を交換する!
 すると、カーディンが人型に変形!
 右拳を振り上げながらバトルポリストレーラーの上に乗るビクラビットに突っ込み、その右拳を勢いよく叩きこんだ!!
 「どりゃあああああ!!」
 ビクラビットは吹っ飛んで向こうにある森に飛んで行く!!
 「今だ!!双歩!!」
 うん!!
 「僕はコストにバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2とバトルマシンズ バトルポリストレーラーを指定し、ビクトリーカーディンを召喚!!行って、カーディン!!」
 「フュージョン合体!!」
 カーディンがバトルポリストレーラーに右手をかざす!
 すると、バトルポリストレーラーの窓が一瞬光り、トレーラーの下部から炎が噴き出して、トレーラーの前部が上に上がって行って、トレーラーの前部が上に、後部が下になる、
 すると、下側のトレーラーの後部が左右に分かれて後部上から黄色いつま先を、上に曲げていたのを下に伸ばすように出現させ、
 さらに、上になったトレーラーの前部の下部分が後ろに両腕を伸ばすように伸び、トレーラー前部から白く四角い何かが上に飛び出して、
 そこでトレーラーの前部が左右に分割!!前部を左右の肩に、飛び出した後ろ下部分を腕にするように下に回し、
 そこで腕部分になった後ろ下部分がタイヤの部分を外側に回すように180度回転同時に、腕部分の先から両の拳が飛び出す!!
 「させない!!」
 突如、アリスが傘を振り上げて変形中のトレーラーに向けると、メガウサがアリスに呼応しその矢を弓につがえつつ変形中のトレーラーに向けた!!
 ええっと、どうしよう、カーディンは・・・
 「とぅ!!」
 カーディンがトレーラーの方に跳躍していく!!
 ええい!!気が付いてない!?
 何か使えそうなものは・・・あ!!向こうに僕のカバンが落ちてる!!放置されてたんだ!!
 一か八か、あまりこの手は使いたくないけど!!
 急いでカバンに近寄り開いた穴から弁当箱を取り、思い切りメガウサに投げる!!
 と同時に、メガウサが右手を矢を離し、矢を発射した!!
 その矢は、カーディン達に届く前に、僕の投げた弁当箱に当たる!!
 ガン!!
 弁当箱のおかげか矢の軌道が上にそれ、カーディン達の頭上を通り過ぎる!!
 ほっ・・・って、安心してる場合じゃない!!
 慌てて映命さんの所に走って戻る!!
 と、跳んでいたカーディンが頭をパトライト部分ごと下前に下げるように体から飛び出させて、頭とパトライト部分以外を車に戻し、その車部分がタイヤを下の方にして二つ折りに変形!
 そのまま頭とパトランプ部分が前後180度回転して車前部の方をこちらに向けつつ変形したトレーラー胸部に入って胸部となり、
 元はX型のパトライトの下二つが出てきて一緒にパトライト部分の下から左右に広がる黄色い翼の意図のパーツが出現してパトライトの下に収まり、
 頭と共にパトライト部分を下に押し込み、パトライト部分が胸部となり、
 下二つのパトライトが上に上がって上下にVが重なったVVの形となる!!
 すると、トレーラー前部から飛び出してきていた白い四角いパーツが上からカーディンの頭に覆いかぶさった!!
 それは、無骨なかどの目立つ白い金属の兜、頭の上と左右に四角いダクトが付いていて、口元に白い金属のマスクが付き、その白い金属の下には小さめの白い四角いでっぱりのようなパーツがあり、
 額には羽とパトランプを模した金にエンブレムが付いている!!
 そして、合体したカーディンが地上に降り立った!!
 ズシィイイイイン!!
 さらに、着地の衝撃で砂ぼこりを上げながら目を思い切り光らせつつ両腕を上げて
 「ビィクトリーィイイイ」
 そこから左拳を下げつつ右拳を前に突きだしながら、
 「カァーディィイイイイン!!」
 右の拳を思い切り前に突き出し、叫んだ!!
 さらに、召喚効果・合体適応!!も発動だ!!なんてね!!
 「双歩、すまない!!」
 いきなりの、ビクトリーカーディン、Vカーディンからの目を光らせてのお礼、
 「いいよ、それより」
 「ああ!!」
 僕の返事を受け、Vカーディンがアリスの方を向く!
 にしても、今回は弧白兎 ラピッドスクリームのコストが無かったな・・・
 そうか、弧白兎 うさぎの兎力兎々うさうさパワジンの効果でコストを下げられているのか、
 Vカーディンの右足の中部装甲が外側に飛び出し、そこから剣が飛び出してきた!!Vカーディン胸部のパトライトと同じデザインのパトライトがつばの部分に付いている白銀の両刃剣!!
 そして、Vカーディンがその剣を右手に持って引き抜いた後、その右手で飛び出してきた部分を抑えて仕舞い、剣を両手で持って振り上げそのままアリスに上から斬りかかる!!
 「でやぁ!!」
 「ふふふ・・・」
 アリスが薄ら笑いを浮かべながら左の方に回転しつつ移動し剣を避け
 「まだだ!!」
 Vカーディンが剣を左にスライドしてアリスに無理やり当てようとする、
 が、アリスはこれを上に跳んで避け、不意に右手の傘をVカーディンの方に向ける、
 すると、メガウサがVカーディンの後ろから右手の矢を左手の弓につがえ、Vカーディンに向ける!!
 「カーディン!!後ろ!!」
 僕の掛け声にVカーディンが後ろを振り返り、次の瞬間、メガウサがその右手の矢を左手の弓から撃ち放す!!
 Vカーディンは右手の剣を左から右に振るってこの矢を弾く!!
 「それならこれはっ!?」
 と、続けてアリスが左手にトランプを出現させ、放り投げる!!
 トランプがVカーディンの背中に刺さり電流を放出、爆発する!!
 ドドドドン!!
 しかし、そんなものはVカーディンには効きはしない!!
 そのままVカーディンがアリスの方に振り返り、
 刹那、Vカーディンの周りを巨大な影が覆い、上からビクラビットが降ってきた!!
 ビクラビットはそのままVカーディンを押しつぶす!!
 ズドン!!
 「まだだっ!!」
 が、Vカーディンがビクラビットを頭に乗せたまま無理やり体を上げてきた!!ビクラビットの重さで止められるVカーディンではない!!
 Vカーディンはそこから両手でビクラビットを上に持ち上げ、アリスに放り投げる!!
 「はぁっ!!」
 アリスがこれを後ろにとっさに跳んで避ける!!
 「なんのっ!!」
 そこでVカーディンが上に跳ぶ!!ビクラビットの陰に隠れて!!
 そのままアリスに剣での下突きを叩き込む!!
 「なっ・・・」
 驚き上を見上げ目を見開くアリスだがもうすでに遅い!!
 Vカーディンの剣がアリスに叩き込まれた!!
 が、よく見ると傷つけたのはアリスの傘のみ、それもほんの少量、かすったのみだった、
 「やってくれるわ、さすがに油断ならないわね・・・」
 アリスがそう言って、右手の傘を素早く右肩にかける、
 そこに、Vカーディンの背後からビクラビットが勢いよく体当たりをかけてきた!!
 「うぉっ!!」
 Vカーディンが声を上げ、剣ごと向こうに押し込められ押し伏せられる!!
 だが、Vカーディンは四肢を地に着け、立ち上がろうとしていく!!
 「ぐぐぐ・・・」
 「あらあら、もう少し地に這いつくばってなさいな!!」
 アリスがVカーディンに向かって走り込み、右腕を蹴る!!
 「うぉっ!!」
 Vカーディンの右手が地から外れる!!
 さらに、アリスは回転しながらくるくるとVカーディンの右足前まで移動し、
 その回転を利用して右回し蹴りを繰り出す!!
 「はぁっ!!」
 右回し蹴りがVカーディンの右足に直撃し、Vカーディンは右足も地から外れ、バランスを崩す!!
 「うおぅっ!!」
 Vカーディンがバランスを崩し、地に伏せる!!
 しかし、Vカーディンは負けずに四肢をもう一度地に着けて立ち上がろうとする、
 それをアリスがVカーディンの右足の方をしっかり見据えて、まるでタイミングを計っているように見える、恐らく、また立ち上がるのを妨害する気なのだろう、
 さらに、そこにメガウサが弓矢をつがえ待機している、アリスの指示があったなら、すぐに矢を放つだろう、今はビクラビットが上にいるから放たないに違いないが・・・
 でも、僕だって居るんだ、今は発動出来るカードがある!!向こうは発動できるカードは、無いはず!!
 右手でチャージゾーンの六枚のカードを表に!!
 「僕はマシンサモンリソースを発動!!コストにはマシングラシスオード、バトルマシンズブースト、マシングラシスオードギグ、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンド、この四枚を指定して、手札のバトルマシンズ キット・オブ・ニンジャを2番に召喚し、このターンと次のターン、モンスター・ツインズ・オーバーの自分の扱うカードでのみ表記を共通化し、僕の次のセット枚数をモンスターゾーンのみの一枚に抑える!!」
 「さらに、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドのコスト軽減効果発動!!バトルマシンズブーストを裏に返しつつ、続けて、バトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを3番に召喚!!コストにはバトルマシンズ カーディン カーモードとさっき裏にしたバトルマシンズブーストを指定!!」
 右手でバトルマシンズ ビック&ワイルドハンドを3番に移しつつ右手を前に出して宣言!!
 「次いで今度はバトルマシンズ キット・オブ・ニンジャの効果を発動!!ビクトリーカーディンの効果でフュージョンが、マシンサモンリソースの効果でツインズが、それぞれモンスターを対象とした効果でも効果の範囲内に入るので、バトルマシンズ キット・オブ・ニンジャの効果でビックラビット ビクラビットをトラッシュに送れるはず!!」
 上から寸胴な紫の小さな忍者が降ってきた!!
 手のひらに乗るようなサイズで寸胴な体型、頭には濃い紫の頭巾を巻いて忍の文字が打たれた蜂金を着け、
 その頭巾からは紫色の目だけを出して、口元には紫の布を巻きつけ、その体には濃紫の忍者装束を着、
 手足の甲には金属の板が付いていて、足に草履のような意図が施されており、背中に刀を背負っている、
 そのキット・オブ・ニンジャ、ニンジャが、背中の刀を右手で抜き、ビクラビットに向かって、地上すれすれに跳ぶ!!
 「ちょっと、そいつ、何やってんのよ!!」
 がアリスに見つかり、アリスが左手にトランプを出し、ニンジャに向かって投げつけた!
 ニンジャはこれを宙で体を横にしてするりと避け、トランプは床に突き刺さり、爆発!!
 カカカッ!!
 ドドドン!!
 「このお!!」
 と、アリスが右手の傘をニンジャに向ける!!
 そこで、メガウサが右手の矢をニンジャに向けて左手の弓から解き放つ!!
 ニンジャはこの矢を足を地上に当てて後ろの方に跳躍して華麗に回避、
 が、そこでアリスが左手にトランプを出して振りかぶってニンジャに向かって投げる!!
 ニンジャ、空中でこれを避けられない!!
 と思ったら、巨大な白銀の刃がニンジャとアリスの間に割り込み、アリスのトランプにぶち当たり、弾く!!
 カカカッ!!
 トランプはゆっくりと左右に揺れながら地上に降り、爆発した!
 ドドドン!!
 あの刃は!?
 刃の先を仰ぎ見ると、そこにはVカーディンが青空を背景に壮大に立っているのが見えた!!
 だが、剣は持っていない、そうか、あの刃は、自分の剣を投げたのか!!
 「うそっ!?もう立ち上がったの?いくらなんでも早いでしょ!!」
 アリスが驚き、Vカーディンに質問する
 すると、Vカーディンが右手親指を立てて右肩越しに後ろをさし、
 「ああ、あれのおかげでな」
 Vカーディンの指の先を見ると、そこには、鉄骨で出来た雑い両手で宙空にはさんで掴まれ固定されているビクラビットの姿があった!
 ビクラビットはじたばた動くがうまい具合に掴まれているのか脱出できない!
 鉄の両手はそれぞれ、等間隔で多数の丸い穴が空いた四角い鉄骨で大雑把に手の形を再現したような物で、
 手首の所にジェットエンジンなどが付いている、
 「な・・・いつの間に!?」
 アリスが再度目を見開いて驚くなか、ニンジャが突如、Vカーディンの方に跳躍してVカーディンの足先から上の方に上がり、
 そのまま上の方に跳んだ後左上の方に跳躍し右肩の方に登って、続けて右手の方にまで跳んで移動した
 「なんだ、飛ばしてほしいのか、それなら・・・」
 Vカーディンが宙に浮かぶビクラビットの方に向き、右手を思い切り振りかぶり、
 「いけぇえええ!!」
 思い切り右手の忍者をビクラビットにぶん投げた!!
 「させないっ!!」
 アリスが右手の傘を跳んで行くニンジャに向ける!!
 すると、メガウサがその弓矢をニンジャに向けていく、
 次の瞬間、ニンジャが左手で自身の懐から黄色い丸い球を取り出し、メガウサの足元に向かって投げた!!
 黄色い丸い球はメガウサの下に転がって刹那その球から大量の煙が発生、メガウサの視界を覆い、
 一瞬、メガウサは狙いが付けられなくなったのか弓矢を離すタイミングをためらった!
 その間に、ニンジャは右手の刀を前に出し、見事にビクラビットを刺し貫いた!!
 ズガァ!!
 そして、ビクラビットは爆発、消滅した!!
 と同時にニンジャが地に落ちて行く、
 そこで持つ物体が無くなった鉄の左手、ワイルドハンドがニンジャを受け止めた
 「ちぃ!!ならこっち!!」
 アリスが唐突に右手の傘をVカーディンに向ける、
 メガウサがVカーディンにその弓矢を向けて行く!!
 「なにっ!?」
 Vカーディンはあわてて剣に近づき右手で持って引き抜こうとする!!
 僕は慌てて周りを見回すも、まわりに投げられそうな硬そうなものは無い!!お弁当箱もどっか行っている!!
 メガウサがVカーディンに向かってその右手の矢を左手の弓から解き放つ!!Vカーディンは剣を引き抜こうとして回避のタイミングを失った!!
 だが、そこに唐突にニンジャが割り込み、矢に当たって爆発!!消滅した!!
 「キット・オブ・ニンジャーーー!!!」
 カーディンの声が辺りに響く!!
 実は、ニンジャは、鉄の左手側に受け止められた後、アリスが傘をVカーディンに向けた時に、
 メガウサが照準を変えるの察知したのか、Vカーディンの方に向かって跳んでいたのだ
 「すまない、私の判断ミスだっ!!」
 カーディンはなおも悔やむ声を上げ、両拳を床にガンッ!っと叩き付けた、そこに鉄の両手、ビック&ワイルドが飛んで来た!!
 ビック&ワイルドはその指を波上に動かし、カーディンを励ましているようだ、
 と、Vカーディンが顔を上げ、はっきりとビック&ワイルドの方を見て、
 「そうだな!!悔やんでる暇は無い!!」
 大声で宣言し、立ち上がった!!
 すると、ビック&ワイルドがVカーディンの両手に飛んで行って合体!!
 Vカーディンが鉄の巨大両手を兼ね備える!!「うぉおおおおお!!」
 Vカーディンが右拳を振り上げアリスに殴り掛かる!!
 「ああん、もう!!」
 アリスがその傘をVカーディンに向ける!!
 すると、またもメガウサがその弓矢をVカーディンに向け、左手の弓に右手の矢をつがえる!!
 「カーディン!!」
 「わかってる!!」
 Vカーディンが不意に左拳を体の反対側の脇から後ろに振り回す、すると、鉄の左拳が後方に向かって飛んでいき、メガウサの手元の矢にヒット!!
 メガウサの矢の狙いが狂い、メガウサの矢が上の方に飛んで行く!!
 そのままVカーディンは改めて右拳を突き出し、アリスが不意に後ろに跳んで避け、
 そこに鉄の左手がアリスに向かって飛んできて、アリスを掴んだ!!
 「うそぉ・・・」
 鉄の左手はそのまま上に飛び、アリスを離し、間髪入れずにVカーディンが右拳を振り上げ突き出し殴る!!
 「ぐはっ!!」
 さらに、鉄の左手がVカーディンの左拳に戻り、その左拳での二発目をVカーディンが前に勢いよく放ち、アリスにヒットさせる!!
 「がはぁ!!」
 そこに、とどめとばかりに鉄の右拳が再び突き出されアリスにぶち当たり、三発目も加わった!!
 「きゃああ!!」
 アリスが吹っ飛び、またも頭から着地する、
 ズガシャア!!
 だが、服は割とボロボロだけど、機工皮膚が吹っ飛んだりはしていない、前は一撃で機工皮膚まで吹っ飛んでいたのだが・・・
 と、アリスが首から下、いや上か、を前に倒した後、上半身を上げてゆっくり立ち上がり、
 静かに顔を上方に上げてこちらの方を目を細めてにらんでくる、
 それは、恨みと闘志が入り混じった感覚が見て取れた
 「うふふ・・・強化しておいてよかったわぁ・・・」
 アリスの周りを不意に地上から円状に火の粉が吹き上がり舞い始める!!
 これは・・・!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/24 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ24

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 辺りに火の粉が舞い、まわりの檻の動物たちが我先にと逃げ出し始める、
 しかし、そこは檻の中、逃げ出せる範囲にも限度があるし、飼育員らしき人達も来ていない、
 というより、すでにいくつかの檻の動物たちがいないところから見るに、今もどこかで動物たちの避難をやっていると見た方がいいだろう、
 動物たちが騒いでいるのだって、今の今までそっちを見る余裕がなかっただけで、実際は騒いでいたかもしれない、
 もっとも、動物たちが騒いだところでどうにもできない可能性の方が高いので、もしかしたらひっそり身を隠していたのかもしれないが、
 っと、それよりも、
 右手でチャージゾーンの表側表示のカードを裏に返しつつ、
 「リチャージ!!」
 周りに火の粉を飛び散らせながら、アリスが右足を前に出し、一歩、踏み出してくる、
 ええい!!右手で山札の一番上のカードを引いて、
 「ドロー!!」
 アリスが前に出したその右足で地を踏みしめる、
 カツッ!!
 引いたカード、これは・・・
 とにかく、こいつを1番に裏側で置いて、マシンサモンリソースの効果でこのターン、一枚だけで先にセットを行えるから、このまま宣言!!
 「セット!!」
 アリスに火の粉が集まっていく!
 右手で1番に裏側で置いたカードを表に!
 「オープン!!」
 アリスに集まった火の粉が舞い踊る!
 そして、アリスに集まった火の粉が一体となって大きな炎となり、アリスの靴を前下端から燃やして、アリスの足を通じてアリスに濃赤のタイツを出現させていき、アリスのドレスを前下端から燃やし上がり、
 炎が行き過ぎたアリスの衣服が赤に染め上がって行く・・・
 炎がアリスの後頭部のリボンの端まで通り過ぎた後、そこには衣類が朱に染まりあがったアリスがいた、
 あくまで髪や肌はそのままなのだがその瞳が赤に染まり
 ドレス、靴、傘、リボンも真っ赤に染まっていて、新たに手首を黄色いリボンで結んだ赤い手袋が、胸元に赤い宝石が付いた赤いリボンが、頭の赤いリボンの右側に頭とリボンに掛かる、金で出来て前部中央に赤い宝石をいただくティアラが出現し、
 ティアラ以外のそれぞれの衣装の端に、濃赤のフリルのような物がいつの間にかついていて、
 ドレスの下に濃赤のインナーを纏い、口元に赤い口紅がさされていた、
 ・・・見た目の年齢は僕たちと変わらないはずだが、見下すその威圧がすさまじくなっている・・・
 と、アリスのすぐ右に赤い丸めの兎が現れ、
 僕達の前の白い月の陣が消えたと思ったらアリスの足元に唐突に白い月の陣が現れる!
 さっきいきなり画面に出現したアリスの弧白兎緊急お呼び出しのカード効果から察するに、
 アリスの弧白兎緊急お呼び出しの効果でアリス・ジュエルラビット・オーバーをそのまま1番に召喚し、
 そこから手札のラビットミニマム ラビニマムを2番に召喚、
 弧白兎 ラピッドスクリームを1番に移動させてパワー要件変更と戦闘後タイミング付与でカードの発動を補助、ってとっこか・・・
 オーバー!!オーバー!!オーバー!!
 急に緑の画面が黒く染まって赤く明滅しつつ、左右から白くOVERの文字が流れてきて、さらに画面に文字が・・・
 「強度、4.24、アリス・ジュエルラビット・オーバー」
 今更遅い!!
 アリスがその傘を左から右に振りかざし、辺りに炎を振りまく!!
 その炎に触れたのか、ラビニマムが驚いて向こうの方に駆けて行った、
 と、アリスが左手に複数の赤いトランプを出現させ、Vカーディンに向かって放り投げた!
 「なんの!!」
 これをVカーディン、両手を一つにまとめて握って上げ、「ぬんっ!!」上から下に振り降ろしてトランプを叩き落とし弾く!!
 叩き落とされたトランプが地に落ち、大爆発した!
 ズドドドン!!
 こっちの方に爆風と衝撃波が向かってきた!
 思わず右腕を体の前に出して防御!
 「うわっ!」
 すごい熱と衝撃だ、喰らったらひとたまりもない・・・
 と、アリスがゆっくりとVカーディンの方に歩いていく!!
 カツッカツッカツッ・・・
 Vカーディンもそれに反応し、その右拳を振り上げ、アリスに突き出す!!
 「はぁあ!!」
 そこでアリスがVカーディンの右拳が来るタイミングに合わせ、左足を振り回し、炎の回し蹴りを繰り出した!!
 「はぁっ!!」
 Vカーディンの右拳と炎の回し蹴りが激突する!
 ズガァッ!!
 そして、数瞬の拮抗の後、なんと、Vカーディンの右拳が弾かれた!
 「うおっ!!」
 「ふふっ、まだまだこんなもんじゃないわ」
 アリスがそう言って唐突に宙に浮き、アリスの体のまわりに炎が集まり、巨人の幻影を構成していく、
 それは、上で髪をまとめた、筋肉質な女性の意図が見える炎の巨人の幻影!
 アリスの怒りを表しているのだろうか、僕達じゃなくてマンガのヒロインにしたジョーカーに向けてほしいが・・・
 そして、アリスがその右手の傘を振るうと、炎の巨人がその右拳を突き出してくる!!
 弧白兎 至近棍ぶりす!?あれって、カードなの!?
 いいや落ち着け、あれは相殺すべきじゃ無い、まだVカーディンの方がパワーは、上!!
 「面白い!!」
 Vカーディンがその正面の左拳を振り上げ、その拳に対抗し、拳をぶつけて行く!!
 巨大な二つの拳が、激突する!!
 ズドン!!
 さらに、拳がぶつかったまま炎の巨人が今度は左の拳を勢いよく突き出してきた!!
 対するVカーディンもその前方の右拳を振り上げ突き出して対抗し、互いの拳が再度激突する!!
 ズドン!!
 二対四つの拳が拮抗し合い、押し合いになる!!
 そこに炎の巨人の胸部からアリスが飛び出してきた!!
 画面に弧白兎 うさぎの不退転クラッシュっ!?今度は自分で飛び出してくんのかよっ!!
 ええい!右手でチャージゾーンのカードを一枚表にしつつ宣言!!
 「僕はバトルマシンズブーストの効果を発動!弧白兎 うさぎの不退転クラッシュを相殺する!!」「カーディン!!行って!!」
 「任せろ!!」
 カーディンがVカーディンの胸部から飛び出して人型になりながらアリスに向かって跳んで行く!!
 へ?僕は両の拳で巨人の方を押し切ってほしかったんだけど・・・
 そんな僕の考えいざ知らず、カーディンとアリスが勢いよくぶつかって行く!!
 「喰らいなさいな!!」
 そこで、アリスが左足を振り回し、炎の回し蹴りを繰り出す!!
 「喰らわない!!」
 カーディンが体を上にひねってかわしつつ、上から右拳を振り下ろす!!
 アリスはこの拳を右手の傘でとっさに防御するも、衝撃までは無効化できず叩き落とされた!
 対するカーディンも勢いが落ちて地上に落ちる!
 互いに地上に着地するアリスとカーディン、とアリスが右手の傘を不意に立ち尽くすバトルポリストレーラーの方に向けた!!
 すると、待ってましたとばかりにメガウサがその左手の弓に右手の矢をつがえる!!
 「させないっ!!ビックハンド!!」
 カーディンの声が響き、立ち尽くすバトルポリストレーラーの右手部分の手首から炎が噴出、炎の巨人の左拳を吹っ飛ばしつつ飛び出し、
 そのまま手前の方に円を描いてメガウサの弓矢をかするようにしてその矢を吹き飛ばした!!
 「さらに、ワイルドハンド!!」
 今度はバトルポリストレーラーの左拳部分から炎が噴出して炎の巨人の右拳を弾いて飛び出し、今度は奥の方からメガウサの方に円を描いてメガウサにその拳を叩きつけるように飛ぶ!!
 だが、メガウサの体をこの拳はすり抜けた!!
 「うふふ、無駄よ、あれはエネルギーの塊・・・」
 ん?エネルギーの塊って、単にすり抜ける時、一時的に横にエネルギーを流してるだけだよねぇ、それなら!
 「それなら、覆い尽くして地に沈めろ!!」
 「なにっ!?」
 「へ?」
 カーディンが疑問符を発しつつこちらを見、
 アリスが変な声を上げて目を見開いて驚きつつこちらを見た、
 「あの・・・双歩さん、何を?」
 今度は後ろから映命さんの言葉、
 ええっと、僕も言っている意味が分からないんだけど、そうだな、例えば、こう・・・
 思わず両手人差し指を親指の方から合わせ
 「そういう事か!!」
 「させないっ!!」
 一気にカーディンとアリスが動く!
 カーディンが立ち尽くすバトルポリストレーラーの方を見て走り出すと、それをアリスが跳躍して上から追い越しくるりと回って通せんぼする!!
 そこにビックハンドが己を握って拳となって手前から飛んできて、アリスに体当たりしていく!!
 「邪魔をするな!!」
 アリスが右手の傘を振るい、炎の衝撃波と共にビックハンドを吹き飛ばした!
 その間にもカーディンが立ち尽くすバトルポリストレーラーに向かって跳躍!
 立ち尽くすバトルポリストレーラーの胸部に収まり、Vカーディンとなる!!
 そして、その両手を合わせて同じに左右からビックハンドとワイルドハンドが飛んできてその両手の端と合わさり、
 手四つで大きなドームを作るように手を曲げ、右横のメガウサの上から覆いかぶせようとする!!
 「させないわぁ!!」
 アリスが急いでVカーディンに向かって走り込む!!
 「カーディン!急いで!」
 と、メガウサが上を見上げてあわてて後ろに飛ぼうとする!
 画面に弧白兎 うさぎの偽慎さびしがりの発動って?!カードを発動させなきゃ逃げられないってことか!?そんなこと、させるか!!
 右手でこのターンチャージゾーンに2番から移動させたカードを一枚表にしつつ宣言!!
 「バトルマシンズフルブーストの効果を発動!!弧白兎 うさぎの偽慎さびしがりの効果を相殺!!」
 Vカーディンが両手のその勢いを早めて地に一気に付け、メガウサを閉じ込める!!
 ズゥン!!
 さらに、逃げないうちにか、そのまま地にその手の平を打ち付け、メガウサを地に打ち付けた!
 すると、いきなりVカーディンの両手の下から小規模な爆発が連鎖的に起こり、
 ドドドドン!!
 その勢いからVカーディンが両手を上げると、そこにはメガウサはいなかった、
 よし!、追い払ったのか倒したのかよくわからないけどとりあえずはいなくなった!
 「くそっ!」
 アリスの悔しそうな声が響き、アリスが炎の巨人に向かって跳躍、再度炎の巨人の胸部に納まる!!
 そして、アリスが右手の傘を再度振り上げると、炎の巨人が同じようにその右手を振り上げた!!
 「今度は負けないぞ!!」
 Vカーディンの両手にビックハンドとワイルドハンドが装着される!!そこに炎の巨人が右手を握って拳となし、殴り掛かってくる!!
 Vカーディンはこの炎の巨人の右拳を後ろに飛んで避けつつ、その右拳を振り上げ勢いよく突き出した!!
 すると、Vカーディンの右拳から、ビックハンドの右拳が飛び出していく!
 そのビックハンドは炎の巨人の頭の右側を通り抜けて行った!
 アリスの右口角が不敵に上がる、
 「ふふ、どこを狙っているの?」
 「外してはいないさ!!」
 今度はVカーディンが左拳を振り上げ突き出す!!
 「外した言い訳に二発目を使うなんて言い訳、私は嫌いよ!!」
 アリスと炎の巨人がVカーディンに向かって前進して距離を詰めつつ、再度右拳を振り上げ、
 アリスが炎の巨人の胸部から何かに押されて飛び出してきた!!
 「へっ?」
 アリスが目を見開いて驚いている、アリスを背後から押して飛び出させたもの、それは、ビックハンド!!
 ビックハンドが向こうに飛んだ後、Uターンして後ろから炎の巨人をアリスを弾くように貫いたのだ!!
 そのままアリスとビックハンドがVカーディンの左拳に向かって行く!
 同時にVカーディンの左拳もアリスとビックハンドに向かって突き出され、ぶつかって行く!!
 ゴッ!!
 アリスが挟まれ、地に落ちていき、頭から地上に着地!!
 ドガッ!!
 よし!今だ!!
 「カーディン!!行くよ!!」
 カーディンがこちらを向き、目を光らせながらその首を縦に振る!!
 「わかった!!」
 カーディンの了承も得た、行くぞ!!
 右手でトラッシュのバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2とバトルマシンズ バトルポリストレーラーのカードを横にして、
 「ビクトリーカーディンの効果発動!!」弧白兎 表裏の月・裏返しのというカードが画面に映った!?状況を見るに相殺か!!
 と思ったら、地に落ち体を前に倒したアリスのそばからラビニマムがこっちにくる!!
 「あら、かわいい・・・」
 映命さんの油断しまくった一言が聞こえる、
 あれは普通の人間じゃ対抗できないんだって!!
 ええい!まずはこっち!!
 左手の最後の手札を前に出し、宣言!!
 「僕はインテリジェンス オールド&ニューの効果発動!!弧白兎 表裏の月・裏返しのカードを発動し、その後、ビクトリーカーディンの効果を発動する!!」
 さらに、映命さんの左手を右手で取る!!
 「行こう!!」
 「へ、あ、はい」
 映命さんを連れ、後ろの方に走る!!
 すると、上からラビニマムが上から僕達の前に降ってきた!!
 恐らく、僕達が逃げることを察知して、思い切り跳んで来たんだろうが・・・
 今度は信じられない速さで一足跳びにこっちに跳んで来た!!
 思わず映命さんの左手を握った右手を思い切り右に振り、映命さんを投げ飛ばす!!
 「きゃ!」
 映命さんの悲鳴が聞こえるが、今は耐えてほしい、
 さて、僕の方は・・・避けられるか!?
 一か八か、右の方に
 ラビニマムが僕の左肩に直撃した!!
 思わず右後ろに向かって吹っ飛ぶ!!
 「ぐわぁああ!!」
 背中を引きずりつつ着地するも、左肩がズキズキし、思わず右手で左肩を抑える、
 骨折とかじゃなければいいけどな・・・
 だが、向こうに着地したラビニマムが、僕達の方を見て、
 次の瞬間、巨大な鉄の右手が降ってきて、ラビニマムを押しつぶした!!
 ラビニマムが爆発し、消滅する!!
 「大丈夫か、双歩!!」
 「大丈夫!!カーディン!!」
 そう、さっきの右手はビックハンド、恐らく、カーディンが飛ばしたもの、
 が、今の時間の間に、アリスが立ち上がったのか、無理して上から目線で僕達の方を見てるのが見える、
 さぁ、今度こそ、決める!!
 トラッシュにある二枚は、すでに横だな、よし!!
 右手を振り上げ、思いっきり、宣言する!!
 「ビクトリーカーディンの効果を発動!!このカードバトルに勝利する!!ビクトリービック&ワイルドクラッシュ!!」ビックハンドとワイルドハンドがVカーディンの両手に付く、
 そして、Vカーディンがアリスの方を向いてアリス向かって左拳でアッパーを繰り出し、アリスを浮き上がらせた!!
 そこで右拳を振り上げ突き出し、アリスをその向こうの炎の巨人ごとぶん殴る!
 「ぐはっ!」
 間髪入れず、左拳を振り上げ突き出し、またもアリスを炎の巨人ごと殴った!!
 ドゴッ!!
 そのまま左拳を戻しつつ右拳を突き出し、右の拳を戻しつつ左の拳を突き出しと、両の拳を間髪入れず連打していく!!
 「ぬぉおおおおおお!!」
 ダダダダダダダダダダダダ・・・
 そして、炎の巨人がVカーディンの拳圧で原型をとどめなくなった頃、
 Vカーディンが思い切り右拳を振り上げ、今までで一番力を込め、
 「はぁああああ!!」 
 一番力強くその拳を突き出しアリスを吹っ飛ばした!!
 「でりゃあああああ!!」
 「キャアアアアアア!!」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/25 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ25

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 「映命さん!!大丈夫!?」
 さっき投げ飛ばしてしまった映命さんの方を向く、
 映命さんはいつの間にか頭を上げて、目を見開き、アリスの方を見て呆然としてるところだった、
 恐らく、視線の方から察するに、僕と同じものを見ていたに違いない、
 映命さんの方に駆け寄り、両手を使い、映命さんを抱き起こす、
 「映命さん、怪我してない?」
 と、映命さんがハッと気が付いたように僕の方を瞬時に見、
 「あ、はい!!大丈夫です、私は、それよりも、双歩さんは?左肩を思い切りあの兎に・・・」
 「僕も大丈夫、左肩も少し痛むだけさ」
 「いけません!!すぐに病院に・・・」
 「行ける時になったら行くさ、映命さんも一緒に、でも今はそれより・・・」
 僕はアリスの方に視線を向け、警戒心を持ち、アリスを凝視する、
 そこに立ちあがったのは、全身が青暗い、機械の骸骨だ、
 全身を形成する青黒い骨型の鉄、骨内部全体に詰め込まれた、計器がところどころ光る僕が知らない黒鉄色の金属でできた機械群、
 そして、その頭蓋骨は、目の部分が赤く光っている、
 「アリス・・・」
 「あれが・・・アリスさん?」
 僕の放った一言に、僕のそばで映命さんが不思議そうに声を出す、
 確かに、見た目は一気に変わってるけど、あれは衣類も、そして、機工皮膚も、すべて吹き飛んで出てきた、
 いわば、アリスの内部、ともいうべき姿だ、
 そのアリスの目が、怪しく赤く光を増し、明らかに僕達に対して敵意を持った眼差しで見てきた
 「また、やってくれた・・・」
 前回と違って、むやみやたらと時間かかったけどね・・・
 と、Vカーディンが勢いよく巨大な右拳をアリスに突き出す!!
 「さぁ、アリス!!今日こそ逮捕だ!!」
 拳が巨大になってるってことは、いつの間にかビックハンドは戻ってきてるんだろうけど、さて、アリスはどう出てくるんだろ・・・?
 「残念だけど、逮捕される気は、無いわ!!」
 「それならっ!!」
 唐突にVカーディンの右拳が発射される、右拳はその手を開き、アリスを捕まえるように飛ぶ!!しかし、これをアリスは大きく後ろに跳んで避け、
 そのアリスの跳躍の軌道の先には、濃い藍色で内部に宇宙が渦巻いているような穴、
 な!!穴の中に逃げられる!!
 「させるかっ!!」
 今度はVカーディンが左手を開いて突き出し、アリスに向かって発射する!!
 が、一歩遅く、アリスはきれいに穴の中に跳び込み、穴はそのまま閉まってしまった・・・
 「ぐっ!!バージョンアップレーダー起動!!」
 悔しそうな声を出したカーディンの目が突如、緑色に点滅し始める、言ったことから察するに、何らかのレーダーを起動し、周辺を調べているのだろう
 「アリスらしき反応は・・・無いっ!!」
 だが、しかし、なるほど、今回は偽物の穴を通った後体を消したのではなく、本当に穴の向こう側に消えてしまったらしい、カーディンのレーダーでアリスの姿を捉えることは出来なかったみたいだ・・・
 けど、それって、脅威が過ぎ去ったってことだよね・・・
 ほっ・・・
 思わず安堵のため息が漏れた・・・
 「双歩さんっ!!」いきなり後ろから誰かが抱き着く衝撃「うわっ!!」
 「よかった・・・双歩さんが無事で、本当に・・・」
 そして、声の主が、僕に抱きついたまま、左の方から僕の前まで回ってくる
 目の前まで来たのは、やはり、映命さんだ
 映命さんがまっすぐに、僕の方を見つめてくる
 「双歩さん・・・本当に・・・」
 思わず映命さんを正面から見返す、
 「映命さんだって、危険な目にあったでしょ」
 「私は、自分の身より、双歩さんの身の方が大事なんですっ!!」
 「そんなの・・・僕だって似たようなもの・・・」
 「似たようなもの・・・?同じようなものではなくてですね!!」
 なぜか映命さんがより強く抱き着いてくる、
 ええいもう!!
 思わず両手で映命さんを引きはがす、
 しかし、映命さんは今だに僕の事を一直線に見つめてきて
 「でも、これでわかりました」
 「な・・・なにが?」
 「ブラックスフィアっていうロボットの事件、あれも双歩さんが解決したんですね!!だから、現場にいたんです!!」
 「あれは・・・色々あって・・・」
 映命さんの顔が少しほころぶ
 「やっぱり・・・でも・・・」
 が、すぐになぜか硬い表情になっていく
 「もう、こんな危険なことはやめてください・・・」
 「出来る限りは、やめておく」
 「そんな!!双歩さんじゃなくても!!」
 心配してくれるのはうれしい、でも!!
 「僕じゃないとダメなんだ、大丈夫、」、
 また、思わず右手で映命さんの頭を撫でてしまう
 と、映命さんの瞳に、涙がたまり始める、
 「大丈夫って・・・入院したじゃないですか、あれも、今みたいに・・・無茶したからじゃ・・・ないんですか・・・?」
 「あはは、違う」
 そう違う、あれはデッキケースのシステムが故障していたせいだ
 「本当・・・ですか?」
 「本当、大丈夫」
 右手を映命さんの頭から離し、映命さんを真正面に、真っ直ぐに、見据える
 「僕は・・・絶対に・・・生き残ってみせるから」
 これ以上・・・心配は・・・させちゃいけないな・・・だから、
 思い切り、笑顔を見せる!!
 「だから、このことは、みんなには内緒ね!!」
 「双歩さん・・・!!」
 だけど、硬くなった映命さんの表情から心配の色が消えることは無かった、僕の意図を察してしまったのだろう、
 「大丈夫だから・・・帰ろう・・・」
 これ以上は、かける言葉が見つからない
 「双歩!!」
 いきなり頭上からカーディンの声が響く、思わずVカーディンの方を見上げると、Vカーディンがいつも通りに目を点滅させ、
 「私は、先に園の入り口に行って来ているはずの警官隊と合流する、君たちは後から来るといい」
 「わかったよ!!」
 僕が返事を返すと同時に、Vカーディンが園の入り口の方を向いて園の入り口に向かって走っていく、
 僕は、少し右横にあった緑の半透明の板のその上に乗っているカードの回収が終わったデッキケースを右手で取ってジャケットの左内ポケットに入れ、
 その右手で映命さんの左手を取り、園の入り口に向かって歩き出した、
 途中足元に落ちていた僕のカバンを左手で持って回収したりして先に進むも、
 道中、僕と映命さんは一切言葉を交わすことは無かった、
 しかし、僕の心には一つの決意ともいうべき意志が宿っていた、
 絶対に、生き残る!!
 
Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ
FINISH!!
Wカードフュージョン8話 戦獅の咆哮に、続く!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
Wカードフュージョン 7話/26 テガカリトデンキシンゴウ カードゲームライトノベル Wカード

カードゲームライトノベル Wカードフュージョン7話 テガカリトデンキシンゴウ26

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

カード紹介コーナーフュージョン 第7回 アリス・ジュエルラビット

 アリス・ジュエルラビット(以下 アリ)「と、いうわけで、アリスちゃんの兎ショー、楽しんでくれたかしら?」
 鋼野 双歩(以下 双歩)「で、オーバーの説明は無いんだね?」
 アリ「無い」
 双歩「・・・」
 芽工 映命(以下 映命)「双歩さん、ここは仕方ないのでは・・・」
 双歩「あ、うん、そうだね」
 アリ「それでは、兎ショーの種明かしといきましょう!!」
 双歩「紹介するカードは一枚だけなんだけどね・・・」
 アリ「細かいことは言いっこ無し!!」
 映命「ですって、双歩さん」
 双歩「はいはい・・・」
 カーディン(以下 カー)(・・・出遅れた!!)
 双歩「まずは注意事項だっ!!このコーナーのキャラクターは本編と一切関係がないよっ!!あらかじめご了承しておいてねっ!!」
 双歩「続けて、今回紹介するカードがこれっ!!」
 
名前:アリス・ジュエルラビット
種類:M モンスター
コスト:4 パワー:3700
効果の発動タイミング:戦闘後
効果の発動条件:自分のモンスターゾーンに
        カテゴリ、名前に「うさぎ」「兎」「ラビット」
        のいずれかの言葉が入るインヴォークが設置されている時
        以下のいずれかの条件を満たした時、
        1:このモンスターが相手モンスターとの戦闘で
          勝利または引き分けた時
          ・自分のチャージゾーンにある、
           カテゴリ、名前に「うさぎ」「兎」「ラビット」
           のいずれかの言葉が入る
           コスト4以下のインヴォークを指定できた時
          ・自分のモンスターゾーンにある、
           戦闘を行うカード以外のカードが
           置かれていない場所1つを指定できた時
        2:このモンスターが相手モンスターとの戦闘で
          敗北または引き分けた時
効果:以下の効果の内、満たした条件のうち1つを発動する
   1:指定したインヴォークをこの時のみコスト0で
     指定した場所に設置する
     ・相手の手札のうち1枚をランダムで選び、
      選んだのがモンスターカードだった時、
      自分はそのモンスターカードを相手側の好きな場所に
      この時のみコスト0で召喚か選択できる
   2:このモンスターを自分の手札に戻す
     ・相手のモンスターゾーンにある、
      コスト3以下のモンスターを全て相手のチャージゾーンに表側表示で置く
     ・自分のチャージゾーンの裏側表示のカードを
      全て表に返す、
      これはコストで表にしたものとする
カテゴリ1:ラビット カテゴリ2:チキン
テキスト:命について悩む少女、
     命は守るべきか滅するべきか、
     答えは見つかるのだろうか・・・
 
 映命「これは・・・ええっと、インヴォークとか書いてあるんですけど・・・」
 カー「インヴォークについて教えよう!!」
 映命「きゃっ!!」
 双歩「僕らインヴォーク使ったことないじゃない・・・」
 カー「すまない双歩、だが、こうでもしないと出るタイミングが無かった・・・」
 アリ「まぁ、いいわ、どうせこの流れだとあんたが解説しないと私がする羽目になりそうだし・・・」
 カー「それではやっていいと?」
 アリ「どうぞ~」
 カー「ありがたい、では始めさせてもらおう」
 カー「インヴォークとは、モンスターゾーンにコストを払って設置する戦闘を行わないカードだ、通常の効果は持たない代わりに自動的に発動する効果を持つ、自動効果によって相殺はされにくいものの、維持コストを維持コスト発生タイミングに支払わなければならない点は注意が必要だ!!」
 アリ「説明ご苦労さん」
 カー「うむ!!こんなところか!!」
 アリ「で、今回紹介するカードはインヴォーク、正確には、自分のモンスターゾーンにカテゴリ、名前に「うさぎ」「兎」「ラビット」のいずれかの言葉が入るインヴォークだけど、これが置かれている時に、相手のモンスターとの戦闘後に効果が発生します」
 映命「どんな効果が発生するんでしょうか?」
 アリ「一つ目は相手のモンスターに勝った時、自分のチャージゾーンのコスト4以下のインヴォークを一枚、自由に設置できます、ついでに、相手の手札を一枚ランダムに見て、それがモンスターだった場合、その相手のモンスターを相手のモンスターゾーンの自由な場所に召喚できます」
 双歩「ついでとか言ってるけど、ついでの方が汎用性あって強いよね、これ」
 アリ「まぁ、インヴォークは維持コストがかかるから、本当に物のついででしかないのよね、相手の手札を一枚見れるの方が有益だし、まぁ、仕方ないじゃない、そもそもインヴォークを置くついでだしね、実際に勝つたびに無条件に相手の手札一枚見れるというのもなんか・・・ねぇ・・・私はパワーかなり高いし・・・」
 カー「そうものなのか・・・」
 アリ「そういううもんでしょ」
 双歩「じゃあ、二つ目は?」
 アリ「二つ目の効果はこのカードがモンスターに負けた時、このカードを手札に戻すのと、チャージゾーンにある、裏側表示のカードをコストとして表に返すのと引き換えに、相手のコスト3以下のモンスターを全て相手のチャージゾーンに表側表示で置くわ」
 映命「それって、割とひどくないでしょうか?コストとして表にするってことは、チャージゾーンのコスト0のモンスターは出てくるってことでしょう?」
 双歩「コスト条件を満たしてたらプログレスとフュージョンも出てくるよね」
 アリ「ひどくないわよ、そもそもコスト4以上には効かないし、このカードゲーム、モンスター以外にも戦闘を行えるカードちょこまか渦巻いてるから、オーバーとかツインズとかさっき言ってたプログレスとかフュージョンとか・・・戻したモンスターもチャージゾーンにあるから割とひょいひょい出てくるし・・・」
 カー「一見すると強いが、色々と落とし穴のあるタイプ、というわけか」
 双歩「なるほどね・・・」
 アリ「さらに言うと、この二つの効果、引き分け時には選択して使用できるわ、もっとも、引き分けちゃうとこのカードトラッシュに行っちゃうから、どっちの効果を使うかはたいてい決まってるんだけどね・・・」
 カー「チャージゾーンのカードを全て表にして手札に戻すか、ムリヤリインヴォークを設置するか、何もせずにトラッシュに行くか」
 映命「それは・・・悩みどころですね・・・」
 双歩「状況にもよるけど、僕はこのカードコスト4のモンスターだから手札に戻しちゃうけどね」
 アリ「引きがいいならインヴォーク設置するのもありだけどね・・・」
 双歩「まぁ、状況次第ではそっちの効果使った方がいいかもね・・・ええっと、他には・・・」
 アリ「そうね、あと、この戦闘後効果だけど、戦闘の勝敗に関わらず効果を発動出来るから、効果を発動できる確率は群を抜いているはずよ」
 双歩「戦闘の相手がモンスターだった時限定だけどね」
 アリ「それを言われるときっついのよねぇ、ま、オーバーならもう少し範囲広がるけど」
 カー「あっちはあっちで問題あるけどな」
 アリ「それは言わないで」
 双歩「そういうわけで、それじゃ、改めて、Wカードフュージョン8話 戦獅の咆哮に、続く!!」
 アリ「私は一体どこに行こうとしてるんだろう・・・」
 双歩「そういうこと言っちゃだめだと思う」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 映命「双歩さん、絶対、生きてくださいね・・・」
 双歩「大丈夫、僕は、必ず生き残る、みんなと、君と、一緒に・・・」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――