バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/7

騎士剣戦隊キシケンジャー 7
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
f:id:OirenW:20200313215221p:plain
 
 今日は休日、というわけで、皆で基地に集まって進捗報告会です
 しかし、思い思いに立って話す空気はお世辞にも良いとは言えないものでした・・・
 「悪いが、こっちに手掛かりらしきものは無い」
 「私も、何も手掛かりなし」
 「俺も、この前新しいクレストを手に入れた以外は・・・」
 「残念ながら私も・・・」『ま、しょうがないわね・・・』
 なぜか、ユウキさんだけ目を伏せ何かを考え込んでいるようですが・・・何を考えているのでしょう・・・
 『まぁ、この間、クレストを手に入れたのだけでも良しとしますか、でも、まだ最大の問題が残ってるのよねぇ・・・』
 「あなた達の王国に帰る方法、ですね・・・」
 ピンクリアの言葉に、思わず反応してしまう私・・・
 ・・・
 剣の皆さんも含め、黙り込んでしまいました、でも、ここでまけるわたくしではありません!
 「あの!クッキー焼いて来たんですけど、みんなで食べませんか、どの道、どうにもできないなら、考えを変える必要があると思うんです!」
 「クッキーって、ユナ・・・」
 「確かにそうかもしれない・・・」
 マコミさんの言い出しかけたことをサトルさんが制する
 「ここで悩んでいても始まらない、俺達に足りないのは情報と・・・鍛錬だ!情報は帰ってから探すとして、まずは剣のトレーニングをしよう!!」
 すかさずジンカイさんがサトルさんの方に顔を向けます
 「いいや、鍛錬というなら、やっぱり筋トレだ!剣のトレーニングは基礎筋トレの後でやろう!」
 「剣だ!」
 「筋トレだ!!」サトルさんとジンカイさんが顔を突き合わせ、その眼で語り合っています・・・
 「この脳筋ども!!」
 それをマコミさんが叱りとばし、椅子に深々と座ります
 「まったく、しょうが無いわね、私、クッキー食べたいわ」『ま、お腹が膨れた方が、名案が浮かぶかもしれないしね』
 マコミさんの少し得意気な笑顔に、サトルさんとジンカイさんも毒気を抜かれてしまった様子
 「ううむ・・・」
 「ううむ・・・」
 「仕方が無い、少し食べて落ち着こう」
 「ま、お腹が膨れてたほうが、少なくとも気分は晴れるしな!!」
 でも、これで少しは空気が晴れたかしら・・・
 「みんな、少し聞いてほしいことが」
 ユウキさん?
 眼に力の入った真剣な顔でどうし
 わぁああ~!人が石に~!?
 怪物だ~!!
 皆が一斉に窓の外の方を向く
 「仕方無い、行こう!!」
 
 外に出ると見えた結界を頼りに、私達はその広場へと急行しました、
 しかし、歩道橋を広く作って作られたような白い広場の上、そこではすでに人々が石と化していたのです・・・
 「よぉ、ようやく来たな・・・!」
 「ステューム!!」
 ギャルガさんの側にいたのは・・・何でしょう、上半身が白い鳥のような魔怪人・・・
 「ともかく、変身だ!」
 ああ!
 ユウキさんの音頭に私達は答え、剣を抜きます、
 キシケンチェンジ、キシケンジャー!!
「野郎ども、行け!」
 性懲りも無く戦闘員をけしかけてくるギャルガさんですが、そんなもの、私達の敵ではありません!
 そのまま交戦し、難なく倒していきます!!
 「今だ、やれ!ステュムドゥード!」
 すると、いきなり魔怪人が緑の霧を吹きかけて来たではないですか!
 うっ!急に体が重く・・・
 それでも・・・
 「ソードアンドシールドクレスト!!」「バタフライアンドサンダービークレスト!!」「ミラーデブリアンドリフレクショットクレスト!!」「ウォールシールドアンドウォールハンマークレスト!!」「ナイトスラッシュ!!」
 はぁ!
 放ったそれぞれの攻撃でどうにか残った戦闘員を全滅させ、ギャルガと対峙します!
 ユウキさんがレッドリアを突きつけながら
 「さぁ、お前達で最後だ!」
 「それで?戦う力は残っているのかな?」
 「なにっ!?グハッ!!」
 急に体がまた重くなり思わず片膝をついてしまいます、皆さんも同様に・・・
 ・・・どうやら、皆さんも同じく体が重くなっているようです・・・
 『まさか・・・毒!?』
 ピンクリア、それは・・・!?
 「ぐあはっはっはっ!」
 顔をあげて笑うギャルガがこちらを見下してきます
 「その通り、これでお前らも終わりだ、じゃ、俺はステュムドゥードと一緒に身を隠させてもらおう、お前達が死ぬのを高みの見物とさせてもらう、じゃあな!!」
 そして、悠々と去っていきます、しかし、私の体、いえ、私たちの体は動きません・・・
 「ま・・・待て!」『ユウキ、今は仕方が無い、とりあえず、ここから離脱するんだ・・・!』
 
 離れた場所で、変身を解除しても、一向に良くはなりませんでした・・・
 『どうしよう』『ううん・・・何か手は・・・』イエローリアとピンクリアが話しています、
 私達は息も荒く、他の皆さんは立っていることすらできません・・・
 『一旦医者に見せるとかは?』
 『こちら側の医者でどうにかなるとは思えない、魔力式の物だろう?あれは薬毒式と色々と違うからな・・・』『確かに、レッドリアの言う通りだな・・・』
 ブルーリアさんがレッドリアさんの意見に同意しています・・・
 『なら、どうにか探して倒すしかないってことか・・・』『イエローリアの言う通りだ、休憩しつつ、探すしかない、だが・・・ジンカイ、大丈夫か?』
 「ああ、早くいかなきゃいけないんだろ?だったら、どうにかしてやるさ・・・!」
 ジンカイさんが何とか力づくで立ち上がり、他の皆さんも立って行きます・・・
 「危険だが、全員ばらけてギャルガ、いや、あのステュムドゥードってやつを探すしかない、だが、見つからなかった時は・・・」
 サトルさんの言葉に、全員が黙り込んでしまいました・・・
 と、ここでユウキさんが横目で私の方を見て
 「ユナ、お前、この中で一番動けそうだな・・・?」
 「それは・・・」『魔力への抵抗力が高かったのかしら?確かに、一番ダメージを受けてないわね・・・』
 「それなら、ユナ、お前に頼みがある、ここに行って来てくれないか?」
 ユウキさんから渡されたのは、一枚の紙切れ・・・そこには小高い丘の頂上が記されていました・・・
 「本当はみんなで行きたかったんだが、多分、ここに、ソウルクレストの騎士が誰かいると思う」
 私は思わずユウキさんの顔を見合わせます
 「ええっ!?そうなんですか!?」『本当に・・・?』
 ユウキさんは息も絶え絶えに・・・
 「だが、いないかもしれない、いなかったらすぐに戻ってきて戦線に加わってくれ、頼んだぜ?」
 ユウキさんの不敵な笑顔・・・
 私は思わず、決意の言葉を述べました
 「は・・・・はい、わかりました!!」
 
 ユウキさんの指定された場所は、青空の下、丸木のガードレール先の眼下に山と街が広がる、小高い丘、
 自然の中にありながらも整備され、様々な色の子石が敷き詰められ、後ろにレールのような屋根の木のベンチなどが置かれた場所の、その中央にその白い石は立ってました・・・
 『これは・・・!』
 ピンクリアさんが言葉を失っています・・・
 「一体・・・これは何なんですか?最近の研究でわかった風化して削がれていた石の表面を、観光客を呼ぶために再現したもの、だとメモには書いてありますが・・・?」
 そこにあったのは、盾の中に大きな円と勇猛な竜が描かれたような紋章・・・?
 『これは・・・私達の国・・・ジャステールナイツ王国の紋章だわ!』
 「なんですって!?」
 辺りがいきなり黒くなり、白い煙が・・・
 「王国を懐かしんでいたら、おなじくずいぶんと懐かしい声が聞こえたわ・・・」
 目の前に騎士が現れました、兜の上が白く塗装されており、女性のような体形他、盾には、緑の十字と白い円が、木製のような盾に描かれています・・・
 「初めまして、私の名はヒナシキ、ソウルクレストの騎士よ、でも、あなた、具合が悪そうね・・・治してあげましょうか?そのかわり、私はここから去るけど」
 「要りません、そんな事より、治せるのであれば、私の仲間をお願いします」
 「いいの?あなたの命が無くなるかもしれないのよ?」
 「確かに、私の命が無くなるのは嫌です、でも、あの方たちの、それに、みんなの命が無くなる方が・・・もっと嫌です、さぁ、早く試練を・・・!」
 「んふふふ・・・気に入ったわ、さぁ、試練の時間よ!」
 「あ!」
 皆さんが倒れている、それに、向こうから岩が転がってくる!
 「さぁ、治癒能力を使えるのは三分に一度きり!その中で、誰を助けるの?」
 「決まっています!!まずは私に!!」
 私は、自分の毒を治癒しながら突進し、岩を押しとどめる!
 身体がきしむを上げていくが、それも勢いのあった最初だけ、それも治癒が効いて治って行く・・・
 そのまま勢いの無くなった岩を押しとどめ、三分経つごとにみんなを治癒していくように指示を出し・・・
 皆が治るたびに、岩を押す手が増えて行き・・・
 全員が治った後、ゆっくりと、岩を横に転がし、平坦な場所に置く・・・
 「ふぅ・・・」
 するとみんなが消え、目の前にさっきの騎士が私を見据え現れました
 「正解!よくわかったわね・・・」
 「倒れてる皆さんでは、とっさに岩を防げるかわかりませんでしたから・・・」
 ヒナシキさんは少し顔を縦に振り
 「そうそう、その調子、いい、力の使い方を誤らないで、私達の力は癒すためだけじゃなく、誰かを守るためにも使えるってこと、忘れないで」
 「はい!」
 
 「はぁあああ!!」
 キシケンレッドさんがギャルガさんに向かって行きますが、赤子の手をひねる様に剣で弾き返されて大きく後退してしまいます・・・
 「どうした、その程度か?」
 他の三人もステュムドゥードを囲み剣を振り降ろしますが・・・
 「ステューム!!」
 体を回転させ勢いを付けた羽根で思い切り弾き返されてしまいます、でも!!
 「皆さん!お待たせしました!!」
 「ピンク!「ピンク!「ピンク!「ピンク!」
 皆さんの声が聞こえ、ギャルガさんとステュムドゥードがこちらを向きました・・・
 「ああん!?逃げ出したと思っていたら、一人で向かってきたのか!?」
 「キシケンチェンジ!桃の騎士、キシケンピンク!さらに、ピンクリア・・・クレストセット!」
 『ヒールナース&スマッシングキュアクレスト!!』
 剣より緑の光粒をあたりにばらまき、ギャルガさんに向かって行きます!!
 「へっ、飛んで火にいる夏の虫ってこういうことを言うんだよなぁ・・・喰らいなぁ!!」
 蛇腹剣の大上段からの振りおろし、それを袈裟懸けにもろに食らい、くっ・・・痛い・・・でも、傷は癒えて行く・・・このまま!
 「なっ!?このまま向かって来るのか!?」
 蛇腹剣が何度も振り回されるも、私達はそのまま・・・突進!!
 「『はぁあああ!!』」
 「げっ!?この戦法は・・・あの女の!?」
 「『はぁああああ!!はっ!!』」
 剣を横振りに叩きつけ、思い切り弾き飛ばしました!!
 「がはっ!!」
 ギャルガさんが踏ん張りますが
 「なろっ!」
 「おっと、俺も混ぜてくれよ!!」
 キシケンレッドさんの通りすがるような剣の一撃!!
 「ぐはぁ!!」
 「俺もだ」
 「私も」
 「俺もよろしく!!」
 そこからブルー、イエロー、グリーンの一撃、そして、私達はギャルガさんの包囲に成功しました!
 ギャルガさんはわき腹を抑え、今度はギャルガさんが体に力なく
 「ば・・・馬鹿な、お前ら・・・そうか、あの女の力なら、毒が治癒しててもおかしくない・・・!」
 「さぁ、これが年貢の納め時ってやつだぜ?」
 ユウキさんがまっすぐにレッドリアさんを突きつけます!
 「武装を全部解除して、もう悪いことをしないって誓うなら、見逃してやってもいい」『おい!それじゃ明らかに甘いだろう!!』
 が、その姿勢のままユウキさんとレッドリアさんがいきなり言い争いを始めました・・・
 「じゃ、どうしろってんだ、あいつを縄でグルグル巻きにしとけとでもいうのか、どこに置いておくんだよ「貴様らに捕まるなんて御免に決まっているだろう!!ステュムドゥード!!」
 と、ステュムドゥードがいきなり濃い毒霧を・・・
 「ピンクリア!」『ヒールナース&スマッシングキュアクレスト!!』
 私の一言と剣振りででピンクリアから周囲に広がる緑の光の粒達これで皆さんの毒は即座に治癒されるはず、が、毒霧が晴れた後に、なんと、ギャルガさんはいなくなっていたのです・・・
 「逃げられたか、だが・・・」
 『あいつを連れて行く余裕はなかったみたいだな・・・』
 そこには、ステュムドゥードが一人で佇んで・・・っつ!
 いきなり動悸が・・・
 「大丈夫か!?」
 ユウキさん・・・
 『治癒能力は傷の回復に体力を使うからね、不死身というわけにはいかないのよ・・・』
 「そうでしたか、すみません、ヒナシキさんから、力の使い方は謝らないようにと言われていたのに・・・」『そんな、注意しきれなかった私も悪いのよ・・・』
 「そうだ」
 ユウキさん・・・?
 ユウキさんがまっすぐに私を見てくれてます・・・
 「ピンクの戦術は完璧だったぜ、何も落ち込むことは無い、なに、次からちょっと注意すればいいだけだ」
 ユウキさん・・・
 「はい!」
 「おっし、それじゃ、もうちょっとだけ付き合ってくれないか?ちょっと試したいことがあるんだ、なに、足りない分は俺達で補うからさ!」
 「はいっ!」
 「皆、クレストセット!!」『ソードアンドシールドクレスト!!』
 「ああ!」『バタフライアンドサンダービークレスト!!』
 「了解!」『ミラーデブリアンドリフレクショットクレスト!!』
 「おっしゃあ!」『ウォールシールドアンドウォールハンマークレスト!!』
 「行きます!」『ヒールナースアンドスマッシングキュアクレスト!!』
 「一気にそのエネルギーをあいつにぶつけるんだ!!」
 ファイブクレストナイツスラッシュ!!
 はぁっ!!
 今ままでの斬撃ではなく、球体のエネルギーが、避ける間もなくステュムドゥードに激突、
 ステュムドゥードが爆発して消滅・・・してない!結界収縮して集まり巨大化しました!!
 「続けて行くぞ!!」
 「ピンクフェニックス!!」
 「レッドドラゴン!!」
 「ブルーサーペント!!」
 「イエローキマイラ!!」
 「グリーンベヒモス!!」
 完成!キシケンオー!!
 「さらに、皆のクレストの力を・・・」
 おう!!
 クレストセット!!
 それぞれのクレストが、キシケンオーのそれぞれの部位に装着される!
 完成!キシケンオーファイブクレスト!!
 「ステューム!!」
 ステュムドゥードが毒を吐く!
 シールド!
 目の前に現れた五色の光が巨大で複雑なシールドを形成し毒を防ぎ・・・
 「今だ、みんな!」
 キシケンオーファイブクレストスラッシュ!!
 シールドをそのまま毒を押し返すように飛ばして、ステュムドゥードにぶち当てて動きを止め、
 そのまま剣を抜いて上に上げるとシールドも連携して上がり、そのまま剣の刃として一体化しつつ、5つに分裂、
 はっ!!
 五つの刃が順々にステュムドゥードを斬り裂いて行き、最後の頭上からの一撃が、ステュムドゥードを滅ぼした・・・
 
 「結局、あの紋章は何だったんでしょうか?」『不思議よね・・・』
 戦い終わった広場で、私たちは紋章のあった丘の方を見てつぶやきました・・・
 「今度、皆で一緒に見に行ってみるか、何かわかるかもしれない、な、皆!!」
 「ま、一見の価値はありそうだな」
 「見てみないと何もわからないわね」
 「何かの手掛かりになりそうなものだといいな!」
 私は今回手に入れたクレストを右手に出し、思い出したことを口に出します
 「少なくとも、このクレストは紋章に引き寄せられていました、ピンクリア達の騎士団の国の紋章であることは間違いなさそうです」『そう、確かに私達の国の紋章だったわ・・・』
 私達の世界にジャステールナイツ王国の紋章が・・・きっとそれは、何かを私達に伝えようとしている、そんなふうに私は感じたのでした・・・
 
 「あ~あ、また失敗かよ、大体な、魔怪人が弱いのが悪いって・・・」
 いつもの日が暮れた高層駐車場で愚痴る俺
 「おい」
 「うわっ!なんだよお前かよ、」現れたのはブラグダ、デカい鎧姿の大男だ「なんだ?次出撃したいってんなら譲ってやってもいいぞ?」
 「さっき、これが送られてきた」
 ブラグダが左手に出してきたのは、紫のオーラを放つ黒い鉱石だった、
 「何だこりゃ?」
 魔鉱石かとも思ったが、その力の量が違う・・・
 「何かの実験の際に生まれた、らしい」
 「実験だと?」
 魔皇帝のやろう、一体何たくらんでやがる?いや、たくらんでいるのはレダか?いずれにしても・・・
 「そいつを使えば、今までより強い魔怪人が生まれるってこったな!!」
 思はず片口端が上がりやがるぜ・・・
 「かも、知れない・・・」
 「お~し、とっととそいつをよこしやがれ!!」
 「大丈夫、一人一つずつ、ある」
 そう言ってくれたので、俺は遠慮なくブラグダのその手より新しい魔鉱石を奪い去った!
 強い力を感じる新しい魔鉱石を思わず見つめ
 「へっへっへっ、これであいつらに一泡吹かせられるぜ!!」
 「ダメ、これ、壊したら、絶対、大目玉、まず、俺が行く」
 ブラグダの突然の申し出に思わず俺はブラグダの顔の方を見る
 「え~お前が~」
 ・・・だが、変な事やってロードになる約束を反故にされてもあれだなぁ・・・
 「ちっ、しゃ~ね~な~、せいぜいあいつら弱らせて、てきと~なところで負けてくれ」
 「う・・・うむ・・・」
 戸惑いつつの肯定を示す首の縦振り、
 だが・・・
 はっはっはっ、やったぜ、これであいつらをけっちょんけっちょんにしてやる、ひゃは~
 
 ・・・確かに、ここだな・・・
 暗い星空の下、小高い丘の上で、俺は石に刻まれた紋章をようやく発見する、
 銀色のジャケットをなびかせ、ようやくここにたどり着いた、
 街の夜景が美しい、が、俺にとってはそんなものどうでもいい、俺にとってはようやく見つけたこの紋章こそ重要なのだ、いや、
 俺は、街の光輝く夜景を大きく望み、つぶやいた
 「俺は・・・影だ・・・」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

騎士剣戦隊キシケンジャー/6

騎士剣戦隊キシケンジャー 6
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
f:id:OirenW:20200313215221p:plain
 
 「じゃあ明日な!」
 「おう、またな!!」
 俺の名前は義加 ジンカイ、農業大学に通う大学一回生だ、将来は立派な専業農家になることを目指している!今日の授業が終わって同級生と別れたところ、
 空は青空満開だ!だが、少し早く終わりすぎたかな・・・少し散歩がてらに大学の外を歩いて、図書室で調べものして帰るか!!
 「おい君!奇妙な恰好しているな、少し身元を聞かせてくれ」
 「は・・・はぁ・・・」
 おいおい、背景の山以外何もないT字路で警察の職務質問に捕まっている奴がいるぞ、
 だが、俺には関係無い・・・
 いや、あれは・・・
 重厚な鎧に身を包み、肩に担ぐは先が斧のように膨らんだ大剣、の大男・・・おい・・・
 右の方にいる警官の質問に戸惑い何も答えられない鎧男・・・
 「名前はなんだ?」
 「え・・・ええっと名前は・・・」
 「住んでる場所は・・・」
 「え・・・ええっと・・・遠いところ」
 「遠いところ?外国か?にしては流暢に話すようだが・・・?この剣は・・・?もしかして、金属製かね?」
 と警察官の人が気軽に大剣に触っている・・・
 「金属製だ、真剣なら銃刀法違反になるぞ・・・」警察官が鎧男の方を見て「免許は?」
 「え・・・あ・・・いえ・・・その・・・」
 「何も答えられないじゃないか、じゃあ、職業は何だね?」
 「え・・・ええっと・・・騎士です・・・」
 「きしぃ!?日本に騎士なんて職業は無い、やはり外国人か、それともどこかイカレてるのか、とにかく、署で話を聞こう、ほら!」
 警官が鎧男の左手を強引に掴む
 「え・・・あ・・・あの・・・」
 「ま・・・待ってください!!」
 思わず声が出ていた、騎士という言葉に親近感を覚えたせいだろう
 そのまま俺は近づき、警官が持っていた左手を取り
 「ほら、撮影用の衣装着たままほっつき歩くなって言っただろ!、あ、どうもすみません」
 とっさに嘘をつきながら警察官の人に頭を下げつつ鎧を引っ張り退散する俺、っていうか重いなこれ、本物の金属製な感じがするぞ・・・
 「あ・・・あ・・・あ~!」
 「あ、おい! ・・・まったく・・・」
 警察官そう言ったきりまったく別の方を向いて歩き出した、よし、追ってくることはなさそうだ・・・
 そうして、しばらく歩いた後に、家の陰に隠れ、俺は鎧男に話しかけた
 「大丈夫だったか?こんなところで何をしてるんだ?」
 「俺・・・仲間と・・・・はぐれた・・・」
 「ああ・・・そうか・・・」
 それなら、そいつに引き合わせれば大丈夫かな・・・
 「よし!俺がそいつを探してやろう、心当たりは?」
 「肌が、ゴツゴツしていて・・・」
 乾燥肌か・・・それとも、筋肉質かな・・・?
 「頭が、グルグルしている・・・」
 リーゼント?今時珍しいな・・・
 「おし、とにかく、この辺りを歩き回って、それっぽい奴を探してみよう!」
 と、俺はそいつを引いて歩きだし
 「おい、お前?」
 「ん?」
 背後からの鎧男の声に思わず顔を向け
 「なんだ?」
 「なんで、俺を助ける?」
 「いや~、俺の知り合いにも騎士を名乗ってる奴がいてさ、そいつとダブって・・・な!な!・・・あれ?」
 返事が返ってこない・・・他の奴と話してるから遠慮して・・・ああっ!無い!?グリーンリアを着けたリストバンドが・・・無い!?
 「家に・・・忘れてきた~!?」
 
 『グゥウ・・・グゥウ・・・ジンカイ・・・今日も一緒に行くぞ~グゥウ・・・』
 
 ああ・・・どうしよう・・・
 「おい、大丈夫か?」
 唐突な鎧男の声
 「あ、うん、大丈夫大丈夫」焦りが顔に出ていたか・・・
 「何か忘れものか?」
 「問題無い、大丈夫だ、弟たちにさえ見つからなければ・・・」
 「弟がいるのか?」
 「ああ、少し年の離れた奴らがな・・・」
 「・・・そうか・・・」
 「さ、それよりもお前の仲間だ、探しに行こう!」
 「ああ・・・」
 だがしかし、歩き回っても見つかんないのであるこれがまた・・・
 街中の住宅街を歩き回り川べりとか、ちょっと奥まって緑の生えてるところとかも回ったのだがそれらしい人間は一人もいやしない・・・
 「すまないな・・・この陽気だ、喉とか、乾かないか?」
 「あ・・・ああ・・・」
 側に合った自販機で、ペットボトルに入った水を二つ買って一つを渡す、
 「その鎧で飲めるか?」
 「・・・後で、兜を脱いで飲む、それで、これ、どう飲むんだ?」
 分からないのか?
 「こうだ!」
 ふたを開けて水を一口飲み
 「で、こうすれば・・・」
 ふたを閉め
 「またいつでも飲める!」
 「おお・・・なるほど・・・」
 ピピピ・・・
 ん?スマホ
 「失礼!」
 少し離れて出ると、そこからユウキの声が・・・
 「おい!ジンカイ!!結界が発生して魔怪人が出たぞ!」『おいこら!!何をやってる!!グリーンリアの奴も呑気に寝坊しとるしお前らやる気あんのか!!』
 あいかわらずレッドリアはうるさいな・・・
 周りを見渡すと、確かに広場の方に結界のようなものが・・・
 仕方なく、鎧男に向かって・・・
 「済まない!急用ができた、後は一人で行けるか?」
 鎧男も神妙に俺の方を向き直る
 「ああ・・・さっき、手掛かりらしきものを見つけた・・・」
 「わかった、すまないな、元気でな!!」
 「ああ・・・」
 そして、俺は走り出しながらスマホ向こうのユウキに問いかける、
 「今すぐそっちに向かう、だがその前に訊きたいことがある」
 「なんだ?」
 「・・・グリーンリア、取りに戻っていいか?」
 
 「はぁ!!」
 俺が駆けつけた時、キシケンレッドが最後の戦闘員を斬りつけて倒したところだった、
 「遅くなって済まない!!」
 「後はあいつだけだぜ!」
 みると、そこにいたのは、頭にドリルを乗っけた、岩人形のような奴だ、
 あれか!
 「キシケンチェンジ!緑の騎士、キシケングリーン!一気に終わらせるぞ!!」
 「ドリゴー!!」
 すると、魔怪人が跳躍して頭を地面に叩きつけて両手を抑えにドリルを回転!
 辺りに地響きが起き、俺達が足を取られている間に、魔怪人を中心に一気に砂地獄が広がる!
 止めようと魔怪人を狙うも、地響きのせいで動けず、近づけない!?
 「ちょっと、これじゃ、クレストで狙えないわよ!」
 「このまま砂に埋めていくつもりか!?」
 イエローとレッドの言葉、それに徐々に周りの石像たちや俺たちも砂に足先が入り始めている、
 なるほど、あの砂地獄で周りの人達を巻き込んで結界に引きずり込む気か!?
 だが、いくら振動していると言っても・・・
 「ナイトスラッシュだ!同時に五発撃てばどれかは当たるだろ!」
 「その手があったか、ナイスだ、キシケングリーン!!」
 が、向こうの魔怪人がいきなり頭を抜いてこっちにドリルで宙を突進!
 前方にいる足が埋まり動けない中の皆をかすめて行く!
 「皆!」
 正面から向かってくるあのドリル怪人!
 「このぉ!」『やってやるぞ!!』
 それを剣を縦にして真正面から・・・捕らえた!!
 「『はぁあああ!!』」
 「ド、ドリゴー!?」
 「『たぁっ!!』」
 俺とグリーンリアが力を合わせ、吹っ飛ばした!と同時に、地面が元に戻り、俺達は地中よりはじき出された!
 「やったぜ!」
 言いながら俺は着地!そこでみんなが同様に着地しながらも俺の方に顔を向け
 「グリーン!よくやった!」
 「すまない!」
 「ナイス!」
 「ありがとうございました!」
 「おっし!一気にとどめだ!!」
 ドガァン!!
 そこに、何かの衝撃で地面がえぐられたような岩がこちらに飛んできた・・・!
 思わず剣ではたき落とし、岩が来た前方右手の方を見る
 「誰だ!」
 そこにいて、大剣を振るったポーズから肩に大剣を背負って行ったのは・・・あの時、仲間とはぐれたって言ってた騎士!?
 「な・・・なんであいつが・・・あ!?頭がグルグルで体がゴツゴツ・・・」
 さっきの魔怪人もドリルで頭がグルグルに巻いていて、体が岩でゴツゴツしているように固く乾燥・・・
 「あいつのことか?!」
 思わず気が付き騎士の方を見る
 が、そんな俺のことなどお構いなしに、グリーンリアは黙り込んでいる、どころか、どこか緊迫した空気が漂ってくる・・・
 『そんな馬鹿な・・・』『嘘・・・だろう・・・』『あいつ、なんで魔怪人の味方なんてしてるの?』『どうしてですか』
 他の剣たちが戸惑うような声を上げる・・・
 『あいつは・・・そんな奴じゃないはずだ・・・』そして、グリーンリアのようやく発した言葉は、普段の態度からは想像できないほどに悲しみに満ちたものだった・・・『答えろ!ブラグダ!!』
 「・・・行くぞ、ドリゴレム」
 しかし、ブラグダと言われたその騎士は・・・何にも答えずに、魔怪人と共に、その場を立ち去ったのだった・・・
 『ブラグダァーーーーー!!』
 
 『多分、結界からは遠く離れられないと思う・・・』
 結界から離れた基地に戻った俺達が最初に聞いたのは、イエローリアのその声だった
 『結界に魔力を送る関係上、どうしたって限界は出てくる、でも、全く離れられないというわけじゃない、そうだと結界に誰も来なくなったら何もできなくなるし・・・』
 だが、そんな声にも、まわりの皆は黙りこくったままだ、
 確かに、あのブラグダとかいうやつ、ほんのちょっと一緒にいただけだが、悪い奴ではないということは、この俺にだってわかる・・・
 「あいつは・・・ブラグダって、どういうやつなんだ?」『あいつは・・・弟のために騎士になったと言っていた・・・』
 俺の思はず発した言葉に、グリーンリアが答える
 「弟の・・・ため?」だから、俺に弟がいるって聞いたときに反応したのか・・・?
 『弟が・・・騎士になりたがっていたそうだ、だが、病弱で、よく病院に入院していた、その為、自分が代わりに騎士になって、弟に夢を見せたいと・・・』
 「グリーンリア・・・」
 『だが・・・だが・・・こんなことをするような奴ではなかった、真面目に職務を遂行し、何かあればその身を持って問題に立ち向かう、勇猛果敢な騎士だった!!そんなあいつが、魔皇帝の軍門に下り、王国を裏切るなど!!』
 『言っては悪いが・・・』レッドリア?『ギャルガやウルフェイは元々問題行動が多かった、ギャルガは礼儀にかけ、騎士の正道に反するようなこともし、ウルフェイは戦いに餓え、模擬試合以外の命懸けの戦いを望むようになっていった、だが、あいつは違う!』
 『毎日、愚直に、真面目に生きていたはずなのに・・・なぜだ!?』
 な!?グリーンリアの声と同時に、いきなり下に白い煙が満ちた黒い空間!?
 「まさか、このようなことになっていようとはな・・・」
 目の前に現れたのは、城壁のようなものが描かれた盾に、頭左右に巻き角を生やしたような兜を付けた騎士!?
 「あんたは・・・?」
 「私はウォル、君達に力を貸しに来た」
 「俺達に!?」
 「だが、その前に少し試練を受けてもらおう、」ウォルがいきなり右手を開きながら前に出す!「はっ!」
 目の前に下から城壁がせり上がってきた!?
 「これを斬り崩し、私に会いに来い、その間に、お前の迷いは晴れるだろう・・・」
 迷い、そうか・・・!
 「はぁあああああ!!」
 俺はいつの間にか右手に握られていた剣を振るい、振るい、振り続ける!!
 剣は徐々に城壁に壁を着け、切り崩していく、俺の迷いと共に・・・
 そうだ、考え込んでる暇なんてないじゃないか・・・!
 本当に信じているなら、何があったのか、どういう考えなのか、確認しに行くしか方法はない、そして、悪に染まってしまっていたのなら・・・
 「はっ!」
 斬り払った一撃が、今まで付けた傷も含め、城壁に向こうに物の見事に穴をあけ、先にいたウォルの姿をあらわにする、
 「どうだい、迷いは晴れたかね・・・」
 「ああ、あいつを止める、何があっても!」
 「・・・グリーンリアとブラグダは生来の気質も似ていてとても仲が良くてね、一緒に任務を受けることも多かった、彼らを仲違いにさせたくない、頼んだよ?」
 「はい!」
 「では、受け取るがいい!!」
 
 「はっ!?」
 目が覚めると元の場所、だが、確かに左手にはクレストの感触が!
 『それは・・・ウォルの!?』
 「行こう!」
 俺は立ち上がって座り込んでいる周りの皆を見回し、話す、
 「俺達が、あいつを止めないと、このまま被害を拡大させるわけにはいかない、その後、事情を訊くなりなんなりするしかない」
 「そうだな」
 「その通りだ」
 「仕方無い・・・か」
 「そうですね」
 皆が立ち上がり、俺はグリーンリアに問いかける
 「いいな?」
 『・・・ああ、行くしかあるまい!!』
 
 その二体は割とすぐに見つかった、
 結界の奥の方に引っ込んでいただけだったからだ・・・
 「来たか・・・」
 「ドリゴー」
 ブラグダと魔怪人が俺達を見据える・・・そんな中で俺は一歩前に出て宣言する!
 「ブラグダ・・・お前を・・・止める!」
 キシケンチェンジ!!
 「緑の騎士・・・キシケングリーン!!」
 「赤の騎士・・・キシケンレッド!!」
 「青の騎士・・・キシケンブルー!!」
 「黄の騎士・・・キシケンイエロー!!」
 「桃の騎士・・・キシケンピンク!!」
 騎士剣戦隊!キシケンジャー!!
 「行け」
 キキヤャアア!!
 戦闘員たちが向かってくる!
 「ブラグダは任せたぞ!」
 「わかった!」
 ユウキの言葉に皆が戦闘員を引き受ける中で、俺はブラグダに向かって行く、だが、そこにドリゴレムが向かってくる、
 「ドリゴー!!」
 「お前と遊んでいる暇はない、クレストセット!」
 『ウォールシールド&ウォールハンマークレスト!!』
 目の前に巨大な城壁が現れ、そこにドリゴレムが突撃するが、頭を打って向こうに倒れる、
 さらに、立ち上がりつつ右手と左手の爪を叩きつけてくるが、一向に効果が無い、すると、頭のドリルで穴を開けようとしてきた、だがな!
 「今度はこっちの番だ!!」
 両足を踏ん張って、その城壁を持ち上げ、ドリゴレムを振るい落とし、城壁を一気に叩きつけた!
 「ドリゴ~!?」
 頭のドリルが欠けるほどのダメージであるはずだが、尚も頭を地面に突き刺して蟻地獄を作ろうとしていく、だが、そんな物!
 『ウォールシールド&ウォールハンマークレスト!!』
 一旦跳躍し、あいつの真上に、城壁をまるで横に橋をかける様に砂地獄の上に載る!
 「なんだと!」
 「行くぞ!ブラグダ!!」
 「ドリゴレム!」
 が、そこに通せんぼするかのように下からドリゴレムが飛び出してきた!
 「ドリゴ~!?」
 「この!」
 が再度俺は跳躍、そのウォールハンマーを叩きつけ、今度こそ、ドリゴレムを打ち倒し爆発させ、
 地面が元に戻り皆が飛び出す中で、今度はウォールハンマーを再度振り上げブラグダに叩きつけて行く!!
 「これで!」
 「ぬぅん!!」
 が、ブラグダの大剣に阻まれ、一瞬の対抗・・・直後
 「はっ!!」
 一気に大剣によって城壁が切り裂かれた!!
 その衝撃に吹っ飛ばされる俺!
 「うわぁっ!」
 「グリーン!」
 「グリーン!」
 「グリーン!」
 「グリーンさん!」
 が、いつの間にか戦闘員を倒していたのか、皆が駆けつけ受け止めてくれた、これで百人力だ!
 降ろしてもらい、ブラグダを見据え宣言する、
 「さぁ、今度こそ!」
 「ぬ!」
 しかし、次の瞬間、ドリゴレムが巨大化、その間にブラグダが去って行く・・・
 あ!
 「グリーン、こっちが先だ!」
 「わかってる!グリーンベヒモス!!」
 「レッドドラゴン!!」
 「ブルーサーペント!!」
 「イエローキマイラ!!」
 「ピンクフェニックス!!」
 完成!キシケンオー!!
 すると、ドリゴレムが頭を地面を着けて蟻地獄を発生、それに足が囚われる
 しまった!
 そこに突進してきたドリゴレムのドリルにキシケンオーが喰らい、吹き飛ばされる、
 地上に向かって落ちたキシケンオーに向かい、間髪入れずに砂地獄を発生させようとするドリゴレム、
 「させるか!」
 『ウォールシールド&ウォールハンマークレスト!!』
 立ち上り、右足にクレストが現れ、目の前に大きな城壁の盾が出現・・・俺はこれをボード代わりに上に載って蟻地獄を回避、
 が、向こうはこれを見越してか、一気に頭のドリルを前に出し突進してきた、かすめたが今度は吹き飛ばされないよう何とか踏ん張る、
 しかし、魔怪人は一気に離れ・・・まさか、少し離れた場所からまた蟻地獄を作るか突進してくる気か!?
 「それならこうだ!」
 さらに、キシケンオービークルに変形、梯子から後ろに水を発射!それを推進力とし、城壁をボードとして一気に加速!
 振り返る魔怪人が
 「ドリゴー!?」
 一瞬両手を上げて驚く中で、一気に追いかけ、梯子を銃として手に持って水弾を連射し、ドリゴレムにぶち当てる、
 「ドリゴー!!」
 よし今だ!!
 キシケンオーにチェンジし、滑る城壁に乗ったまま・・・
 キシケンオーキングスラッシュ!!
 ドリゴレムをすれ違いざまに上下に分けるように一刀両断して打ち取ったのだった・・・
 
 『ブラグダ・・・』
 夕日を見て、グリーンリアが黄昏ている・・・
 そんな川岸の斜め上方の芝生の上で、俺はグリーンリアを顔の前まで上げ
 「しっかりしろよ、まだ、何の事情も無いって、決まったわけじゃないだろ?」
 『・・・そうなんだが・・・』
 「お前らも信頼する、あんな良いやつが、そう簡単に悪いことなんてしないって・・・」
 『・・・そうだよな、ああ、その通りだ!!』
 「それじゃあ、夕日に向かって叫ぼう、」
 『ああ、ブラグダ、あいつが、悪しきことをしようとしてるなら・・・』
 二人して川の方の夕陽を見る
 「俺が、いや、俺達が!」
 「俺も叫んでやる!」
 ユウキ?!
 思わず振り返ると、ユウキもサトルもマコミもユナも、そして騎士剣のみんなもいた・・・
 『私も一緒に叫ぶぞ、ユウキ、ジンカイ、グリーンリア』
 「仕方が無い、」『私も叫ぶさ』
 「一緒に叫んであげるわ」『私もね』
 「ええ、わたくしも」『私も叫ぶわ』
 「よし、みんなで叫ぶぞ、」皆で夕日に向かって・・・
 「ブラグダ、お前が悪いことしようとしてるなら・・・俺達が!」
 必ず止めてみせるぞーーーーー!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

騎士剣戦隊キシケンジャー/5

騎士剣戦隊キシケンジャー 5
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
f:id:OirenW:20200313215221p:plain
 
 「さぁ、今日はここでソウルクレスト探しだ!!」
 「ショッピングセンターにしか見えないんですけど・・・」
 吹き抜けの天井のある横たわるバナナ型の通路兼広場、その周りには服飾店を始めとした様々な店が並ぶ、
 その店が3階ほどの高さまで通路を伴って並んでおり、壁や床は清潔感のある白い石で構成されている・・・
 『っていうか、あんたらの言うショッピングセンターそのものよここは、こいつと一緒に何度か来たことあるしさぁ・・・』
 私は思わず袖端に着いたイエローリアを顔前まで振り上げ
 「うるさいわ!大体ね、何の手掛かりも無しにソウルクレストやら守護精やら、どうやって探せばいいってのよ!!」
 『確かにね・・・』
 イエローリアがあきれたような声を上げる、
 「ですが、さぼるのはちょっと・・・」
 私は思わずユナの方を向き
 「サボるんじゃない、ついでに買い物するの!」
 ユナの言葉を制止しつつ、私はさらに続ける、
 「そもそも、サトルの言うことを信じるなら、あいつら、自分達の力の後継者探してうろちょろしてるって話じゃない、そんなのどうやって探せっていうの!守護精は守護精で擬態してどこにいるかも簡単にはわかんないし」『ま、あんたが愚痴りたいって気持ちはわかるわ・・・』
 ユナは顔を少し緩めて戸惑い
 「確かにそうですね、でも、他の方々はなんだかんだで真面目に探してるみたいですよ、ユウキさんなんて、何かお調べになってるようですし・・・」
 「ユウキ・・・ああ、あの赤い奴か・・・」
 「ええ・・・ミステリアスな方です」
 「ミ・・・ミ・・・ミステリアス~!?」『ミステリアス~!?』
 あれを馬鹿とか、よくて明朗快活と表現するようなことはあっても、よりにもよってミステリアスと表現する奴がいるとは・・・
 「ともかく、今日はここで、ソウルクレスト探しとウィンドウショッピング、これよ!」
 「別にいいですけど・・・私、今月のお小遣いがあまり・・・」
 ん・・・?
 「お小遣い・・・?ええっと、あんた、実家暮らし?」
 「はい」
 「今年でいくつ?」
 「17です」
 「えっ!?」
 て、てっきり、他の奴らも成人ずみっぽかったからこいつもと思ったんだけど・・・
 『そーそー、こいつ、女子高生よ、ちゃんと学校にも通ってる』
 ピンクリア、マジ・・・?
 「あの・・・?そういうマコミさんは普段は何を?」
 「私?私、美容師!」
 「美容師さんですか?」
 「の、卵ね、今、大学卒業して専門学校に通ってる」
 「はぁ・・・そうですか・・・」
 『割と年離れてるわよね・・・』
 私は思わず再度イエローリアを振り上げる
 「イエローリア、そういうあんたはいくつなのよ・・・」『ま、人には話したくないこともあるわよね~』
 「あんた今剣でしょ・・・ま、いいわ、とにかく出発よ!!」
 そんなわけで、女四人、連れ立ってショッピングモールを回る、
 服や靴を見たり、食べ物を買ったり、服を合わせたり・・・あまり物は買えてないが、私もビンボーだしね!!
 そんな中で皆で一階中央の椅子に座って休憩など取り始め・・・
 『いやー、やっぱり見るだけでも楽しいわね!』
 『ですね~』
 「そういえばさ、異世界のファッションとかどうなってるの?」『あら、知りたい?』
 いや、まぁ、単なる素朴な疑問だけどさ、イエローリア
 『言うほどの物じゃないです、普段着でリボンを着けたり、香水をふっかけたり、ささやかなものよ、そもそも、忙しかったし・・・』
 『ピンクリアはまだいいにしても、私なんて、男衆に付き合って宴会で暴れたりも珍しくなかったし』
 『私は、あまり暴れたりはしなかったですから』
 「じゃじゃ馬ってやつかしら・・・」『昔っからよく言われてたわ・・・』「騎士団でどういう立ち位置にいたのかよくわかるわね・・・」
 『でも、楽しいわ、剣としてでも、こうして騎士団以外のとまた買い物できておしゃれについて語り合えるなんて・・・』『騎士団に入ってからというもの、他の人とあまり交流が無くてね・・・』
 「おしゃれ・・・そうだ!」ユナの目が見開き輝き私の方を向く「剣にリボンを巻きましょうか!」『ユナ、それはさすがにちょっと・・・』
 キャー、ウワー!!
 悲鳴・・・!
 「外の方からです!」『微小の魔力を感じるわ・・・』
 「ということは・・・」『可能性は高いわね、行ってみましょう!』
 皆に連絡しつつ表に出ると、石になった人々と・・・そこにはギャルガが、魔怪人を伴ってそこにいた・・・
 のたくる蛇の頭を持つ、不気味な一つ目と白肌と石のような魔道士の衣装・・・
 その魔怪人と共にゆっくりとギャルガがこちらを向く
 「来たか・・・」
 「二人とも!」
 「待たせたな!」
 「戦いの前に間に合ったか!?」
 よし、三人も合流できた!
 「皆、変身だ!」
 おう!
 ユウキの音頭より、剣を引き抜き変身する!
 騎士剣戦隊、キシケンジャー!
 「やれ」
 ギャルガの一言に、戦闘員たちが走り込んでくる、魔怪人とギャルガは様子見!?
 それなら、邪魔な雑魚をやっつけてから!
 剣を振るい、いきなり接近してすれ違いざまにい一体!そのまま目の前にいたものを縦斬りに伏し、そのまま前進しつつ三体目を突きで飛ばす、
 よし、これで三体!
 「今だ、やれ!」
 と、あの魔怪人の一つ目から光線が!?
 慌てて避けると、後ろにいた戦闘員に当たり・・・そいつが石と化した!?
 「なんですって」『どうなってるの!?』
 目線をうっとぉしそうに宙に外すギャルガ
 「けっ、外したか・・・」
 「ギャルガ!」
 そこに戦闘員を倒し駆けつける残り四人
 「どうなってるんだ!?」
 ユウキの指摘に今度はギャルガは右手を魔怪人の肩に二度ほど当て叩き
 「こいつの名はメドプレパス、この一つ目に結界を内封し、石化する光線を発射することができるのさ・・・!」
 「メドォーサ!!」
 と、魔怪人が目から石化光線を発射!私達は転がるように別れ、そのまま追撃で連射してくるメドプレパスから離れ、木陰に隠れる、
 「うぅ、どうすればいい?イエローリア、っていうか、思わず逃げちゃったけど、石化の魔術なら私達には効かないんじゃ・・・」『ううん、あれは結界の物とは違って、マーキングして無理矢理魔力を送り込むタイプっぽいからねぇ・・・』
 「それ、どう違うの?」『例えば、布とか口に当ててたら、煙とかある程度吸い込まなくて済むじゃない?でも、家に壊れた水道管を入れたらそこから水が出て家が水浸しになるじゃない』
 「わからないようなわかったような・・・とにかく、当たったらだめなんですね?」
 『そうね、石化しちゃうかもしれないわ・・・』
 「じゃあ、結局どうしたら・・・」『そうねぇ・・・あ、光線型の魔術なら、鏡とかで反射できるんじゃないかしら、光のような魔術を放つなら、ある程度光の性質を併せ持つから・・・』
 「それなら、これはどうでしょう?」
 と、キシケンピンクが出してきたのは、鏡の様になったスマートフォン!?
 『あれ?これってこんな画面にもできるの?マコミ?』
 「私はたまに使うけど・・・」
 「ミラーアプリです、鏡のようにすることができるんですよ」
 そう言って、ユナが応えてくれた
 「なら、それでやってみよう、ダメだったら、その時はその時!」
 キシケンピンクと共に、広場に思い切って出る
 「あいつら、何をする気なんだ・・・?」後ろからサトルの声が聞こえるが、ま、見てなさいって!
 「来たな・・・やれ!メドプレパス!!」
 「メドォーサ!!」
 キシケンピンクが前に出て、そのスマホをビームに当てるように出すと、
 スマホからビームが反射する!
 「なに!?」
 「メドォーサ!?」
 そのビームはメドプレパスに当たり、ものの見事に石化させる、
 が、その石化が砕けたかと思ったら、そこからいきなりビームがこっちに三連射して微妙に角度を変えて三方向に!?
 「へっ!メドプレパス自身の魔力なのに、メドプレパスに効くとでも思ったのか?」
 だめ、避けきれない!
 『ソードアンドシールドクレスト!!』
 いきなりキシケンレッドが前に出て、透明な盾でビームたちを防いだ!
 「なんだ、こいつで防げるんじゃないか」『驚く必要性なかったな!!』
 「おし、このまま行くぞ!」
 そして、キシケンレッドがメドプレパスに突撃!
 「メドプレパス、パワーショットだ」
 「メドォーサ!!」
 今度はいきなり大きなビーム、それは盾をいとも簡単に砕き、キシケンレッドを石化させた!
 「キシケンレッド!」
 「キシケンレッドさん!!」
 「ふははは!!あっけなかったな!まずは一人だ!!そして、やれ!」
 続けてのビーム、くそ、避けるしか
 「どけ!!」
 『バタフライアンドサンダービークレスト!!』
 今度はキシケンブルーが私達をどかすように突き飛ばし、そのまま蝶の様に舞い避ける、
 「これなら行ける!」
 キシケンブルーが駆ける、何度もメドプレパスがビームを打つが、その度に舞い避けた、
 「メドプレパス、ラピッドショットだ」
 「メドォーサ!!」
 今度は目からマシンガンのような連射!!
 「何!?」
 驚きつつも舞い避けようとするも
 「ぐわっ!」
 踵に当たり石化していく
 「そこだ!」
 が、キシケングリーンがいつの間にかメドプレパスの左手まで回り込み一気に斬りかかる!
 しかし、メドプレパスのビーム一発であえなく石に・・・
 「ははははは・・・!不意を突いたようだったがこれで三本だ!!」
 『一旦引こう、マコミ』
 「私もそう思います」『敗北するなら、逃亡したほうがいいわ』
 うう・・・致し方無い・・・
 一旦後ろ向きつつ走り去ろうと
 「逃がすか!」
 「メドォーサ!!」
 メドプレパスが追撃のビーム連射!?
 「きゃ!」
 それを背中から受けるキシケンピンク!?
 思わず振り返って立ち止まる!
 「キシケンピンク!?」
 「逃げてください、早く!!」
 ぐ・・・
 そこから私は・・・一気に逃げ出したのだった・・・
 
 入り込んだのは人けのないさっきのショッピングセンター
 恐らく、さっきの騒動で人が逃げたのだろう・・・
 そのさっき座ってた椅子の前に立ち考える・・・
 ・・・どうすればいい?あいつに勝って、皆を助けるにはどうすれば・・・
 『これは・・・おそらくだけど・・・』
 腕を気だるげに中ほどまで上げ、イエローリアに視線を落とす・・・
 「どうしたの、イエローリア?」
 『あいつ・・・あの目に攻撃さえ加えれば、どうにかできると思うの・・・』
 「なんで?そう思うの?」息を切らしながら質問する私
 『ギャルガのやつ、言ってたでしょう?あの目に結界を収束させてるって、あの目が一番魔力を放出させてるの、だから、あそこから石たちに石化の魔力を送って、石化した人々の生命力を魔力として回収して石化の魔力に当ててるんだと思う・・・』
 なるほど、でも、どうするの?
 ショッピングセンターで銃器を撃つような作品を私は知ってるわ、でも、それは米国が舞台、ここは日本、銃はここでは売っていない・・・
 「お困りのようね?」
 気が付くと、暗い空間に下に白い煙が・・・?!これは、試練の間!?
 「私の力が必要みたいね・・・?」
 目の前に騎士が現れた、全身鋼の甲冑だが、胸の膨らみと少しだけスカート風になった部分が女性であることを主張し、
 兜左には六角形の鉄の鏡のような兜飾りを付け、
 その盾は、鏡の破片をモザイクアートの様に張り付けた象徴的なものだった、
 「初めまして、私はラーレク、ソウルクレストを託せる人を探しているの」
 「話は聞いてるわ、」そこから私は思わず叫んだ「非常時なの!力を貸してちょうだい!!」
 「それじゃ、ちょっと試練を受けてもらいましょうか、何、すぐに終わるわ、運が良ければね、ふふふ・・・」
 すると、ラーレクの姿がいくつにも分身・・・いえ、これは・・・鏡!?一面に鏡の迷路!?
 「試練は簡単、この鏡の迷宮から私を見つけ出せばいいの、でも・・・」
 鏡のラーレクがボウガンを向けて来たかと思ったら、そこから発射された光弾が、私の足元に当たって弾く音を響かせた・・・
 「私の跳弾に当たらずに・・・ね!」
 私は、ひるむわけにもいかず、そこから走り出した、
 だが、試練は一筋縄ではいかなかった、
 鏡をたどって行けば見つかるかとも思ったがまったくみつからず、それでもなお、向こうからの光弾は来る、
 それをどうにか避け進む
 おかしい、光弾が来てるってことは、その先にラーレクがいるはずだが、行けども行けどもたどり着くことが無い、
 「うふふ・・・早くこっちにいらっしゃい」
 うるさい!今探してるとちゅ・・・あれ、足元に違和感が・・・
 これ・・・さっき銃撃された時にできた傷・・・?まさか、最初の場所に戻ってきた!?
 そうでなくても撃たれ避けたどこかの場所に戻ってきたのは間違いない・・・
 落ち着け、まわりにラーレクが写ってるってことは、その先にラーレクがいるってことは・・・
 よく考えれば・・・
 私は、鏡に拳を叩きつける、鏡はいとも簡単に割れ、向こうの空間があらわになった、そうだ、そういう事だ!!
 私は一心不乱に鏡を破壊する、拳、手刀、回し蹴り、鏡にその身が切られようと、
 ラーレクは多分、鏡を適時動かすことで身を隠したり、跳弾を調整してたりしてたんだ、だから、まともに探したって見つかりっこない、
 だったら・・・
 そして、最後の一枚を叩き割った時、
 「見つけた!!」
 思わず、その両手でラーレクを捕まえていたのだった・・・
 
 「いやーこうも簡単にキシケンジャーを捕らえられるとは、実に愉快だ、はっはっはっ!!」
 「メドォメドォメドォ」
 ギャルガとメドプレパスが広場で笑う
 「じゃ、早速、剣たちを回収・・・あれ、とれない、石になっているせいか、とれない!!」
 しかし、ギャルガがいくら力を込めても石化したキシケンレッドの剣が取れることはなかった、続けて、別のキシケンジャーの方をめぐっていくが・・・
 「こいつも、こいつも、こいつも!!」
 意味を理解していないのかメドプレパスはギャルガを見て小首をかしげる
 「メドォ?」
 「っち、石になってるから固まって取れないんだな、なら・・・砕いてでも回収するまでだ!!まずはこの桃色のから」
 キシケンピンクの剣持つ手の腕に向かい、その蛇腹剣を振り上げる!
 「待ちなさい!!」
 「ああん!」
 ギャルガがこっちを向いて剣を振り下ろすのを中断、
 間一髪間に合った!
 「お前は・・・」
 「キシケンチェンジ!!」
 イエローリアを引き抜き変身!!
 「黄の騎士、キシケンイエロー!!」
 「へっ、最後の一人がようやく来たか、やれ、メドプレパス」
 「メドォーサ!!」
 「させない、クレストセット!!」
 『ミラーデブリ&リフレクショットクレスト!!』
 メドプレパスが目からビームを放つとほぼ同時に、私は、鏡の破片をばら撒く、
 鏡の破片達は宙に浮かび、ビームを複雑に反射し、ギャルガに向かって撃ち返した
 「うどわっ!」
 飛び退くギャルガ、ビームは地面に当たって消滅してしまった・・・
 「ええい!メドプレパス!連射とパワーショットだ、撃ちまくれ!」
 「メドォ!!」
 メドプレパスがビームを撃ちまくるが、それらすべてが鏡に当たり向こうに弾き返る
 「うどわわっ!」
 「メドドッ!」
 二体が後ろに飛び退く、
 さぁ、今度はこっちの番!
 『ミラーデブリ&リフレクショットクレスト!!』
 クレストから発射された光弾、だが、メドプレパスはさっと左手に避けた
 「は!ただの光弾なら、とっとと避けられるぜ、なんせ目がいいからな、目が!」
 「メドォメドォ!」
 自慢げに声を上げるメドプレパス・・・でもね!
 「それならこれは!」
 私は、光弾を連射し、それが鏡の反射に囚われ、鏡たちの中にあり続ける、
 「なんだと!?」
 「はっ!」
 それらを同時に発射すれば、メドプレパスの目に一発が着弾!
 「メドォーーーー!!」
 同時に、みんなの石化も解け、こちらに駆け寄ってきた
 「イエロー!やったな!」
 「すまなかった!」
 「すごかったぜ!」
 「ありがとうございます!」
 「ええいお前ら、このままで済むか!戦闘員ども!!」
 ギャルガの声に戦闘員が向かってくるも私達の敵ではない、一気に斬りかかり、ほんの少しの間に戦闘員たちは全滅した
 「一気に行こう!」
 「おうよ!」
 「ああ」
 「うん」
 「はい」
 私の音頭に皆が横一列に並び剣を構える!
 ナイトソードスラッシュ!!
 私達が放った斬撃は、ものの見事に二体を爆散した、
 かのように思えた、が、
 「ちぃい!剣に傷が付いちまった!!」
 ギャルガの方は少し遠いところで蛇腹の剣を体に巻き、生き延びていた・・・
 だが、傷がついたということは、何発か当てれば・・・
 「メドプレパス、暴れてこい!!」
 両掌を合わせると、メドプレパスがいきなり巨大化!
 「じゃあな!」
 ギャルガが逃げる!?でも、今は・・・
 メドプレパスが右足を振りおろし、まわりに地響きを起こす・・・!
 「仕方無い・・・イエローキマイラ!!」
 「レッドドラゴン!!」
 「ブルーサーペント!!」
 「グリーンベヒモス!!」
 「ピンクフェニックス!!」
 そして、皆が集まったところで合体!
 完成!キシケンオー!!
 って、合体して見たはいいものの・・・
 「メドォメドーーーォ!」
 周りに石化ビームを乱射してくる、慌てて避けるが、これじゃ近づけない!!
 「ええい!どうすんのよ!クレストさえ使えればどうにかなるのに!!」
 『使えるぞ』
 ・・・レッドリアの言葉に、まわりが凍りつく・・・って、何度も似たようなこと繰り返す必要はない!!
 「もう!後でこいつの全機能たっぷり説明してもらうからね!!イエローリア!!」『任せなさい!!』
 「『クレストセット!!』」「『ミラーデブリ&リフレクショットクレストはっ!!』」
 気合の掛け声とともに剣に付けたクレストを前に出すと、左腕、キマイラの所にミラーデブリ&リフレクショットクレストが張り付く、
 「それ!」
 振るうと、クレーンより鏡の破片が宙を舞い、メドプレパスのビームを弾いて返していく、
 でも、このままだと危険ね、なんて、それなら・・・!
 一旦分離し、ビークルとなり、再度合体!
 完成!キシケンオービークル!!
 そして、梯子より水弾連射!!
 鏡に反射して、メドプレパスの予想だにしない方向から弾が撃ち込まれ、最後の一発がその眼を撃ち抜いた、
 おし、今だ!!
 「みんな、ごにょごにょ・・・合わせてね!!」
 「わかった!」
 「しょうがないな・・・」
 「おっしゃー!」
 「行きましょう!」
 「それじゃあ、みんなで・・・」
 右手を開きながら思い切り前に出す!
 キシケンオー!キングスプラッシュショット!!
 力を溜めて巨大化した水弾が全てを吹き飛ばしながら突き進み、メドプレパスを捕らえて爆破、消滅させたのだった・・・!
 
 「おっしゃー!どうよ!」
 思わず降りて変身が解け、皆も向けて指をV字に立てる私
 「どうよってなぁ」
 「ま、いいんじゃないか、調子に乗ってるうちは」
 「ははは・・・」
 「ありがとうございました」
 男三人は少しあきれながら、ユナだけが、礼儀正しく頭を下げた
 「何よ、ユナ以外感謝してないじゃない、そうだ!ちょっと買い物していきましょうよ!もちろん、自分の分は自分で出すこと!!」
 「はー、ま、ちょっとぐらいならいいか」『お前ら、もうちょっと緊張感をだな・・・』
 「ちょっとだけだぞ」『この辺りでの買い物はしたことないから楽しみだな』
 「じゃ、俺もちょっとだけ」『面白そうだ』
 「それじゃあ、皆さんと買い物の続きと」『行きましょうか!!』
 
 「けっ!後ちょっとだったのによ・・・」
 いつもの高層駐車場という場所でゴチル、あ~あ、ウルフェイもいなくなったから、次の魔鉱石が送られてくるまで暇だな~っと、
 「そんなにサボってる暇はないんじゃないのか?」
 え・・・?その声!?
 思わず顔を上げてみると、重厚な鎧に身を包み、デカい斧剣で武装した大きな騎士が一人歩いてきた・・・!
 「お前、なんでここに!?玉座の間に残ってたんじゃ!?」
 「失敗続きはよくない・・・」
 そう言ってそれは制するように頭を少し横に振り、再度俺を見据える
 「私は騎士として、主の望みを果たす、それだけだ・・・」
 その鎧から覗く瞳が、月星光を反射する大地の様に共に鈍く輝きを放った、気がした・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――