バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話16

 
炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/16
 

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バトル6
 
 灼熱の戦い、でも状況はこちらに傾いてきてる、
 問題は相手が次のセットで置くチャージゾーンのカードだ、一体どんなカードが来るのか、僕は止められるのか・・・?
 「リチャージ!」「リッチャージ・・・」
 チャージゾーンのカードを裏にし、山札から一枚引く!
 「ドロー!」「ドッロー・・・」
 引いたカードを一旦手札に移し、二枚を引いて僕は3番とチャージゾーンに、向こうは1番とチャージゾーンに裏側表示で置く!
 「セット!」「セッットー・・・」
 そして、3番と1番のを表に!
 「オープン!」「オーップン・・・!」
 「ダブモンNo.191、道探の伯楽、ハクストク!!」
 向こうの上から一体の戦士が降ってきた、
 黒い全身に、熔岩が冷えて固まったような質感の、複眼を備えた騎士のような仮面、筋肉を模した胸アーマーや背中に甲殻の鎧を持ち、
 ヒラヒラと熔岩まとうマフラーのような副腕を持つ
 「こちらはウツガタボだ!!」
 「ダブモンNo.68、狂暴砂吐の砂型鋳造、ウツガタボ!!」
 砂色のウツボが地中より姿を現した、
 上が少し濃い長い体に鋭い目と口と牙、砂色の肌はざらざらと砂を模しているように見える、僕たちよりも少し大きい程度だが、それでも少し怖いかな
 「さぁ、コストは焔の灯の呪エレメンタルに加え、縛・焔の灯の呪エレメンタルだ、両方ともコストで表になった時・・・」
 「僕はマグマバースパイロエレメンタルパワーにマグマパイロバーストエレメンタルパワー、両方ともコストで表になった時だよ!」
 「つまり・・・」
 「どっちも発動できないって事さ!!さぁ、1番戦闘!」
 マグフラッが吠えて駆け出した!ハクストクが両拳を前に前後に出して立ちふさがる、
 マグフラッが口を横にして円盤を飛ばし、それをハクストクは回し蹴りで弾きマグマに落とすも、そこにマグフラッの拳が叩きつけられていく、
 ハクストクがひねりを加えつつ竜巻ジャンプでマグフラッの後ろに回り込みまたも回し蹴りで熔岩の腕を飛ばそうとするが、
 その直前にマグフラッが前後に回って拳をぶつけようとして刹那、蹴りと拳が拮抗する
 「僕はマグフラッの効果!」「ハクストクで相殺」
 拳と蹴りは互いに弾き合い、マグフラッがその上に新しい円盤を形成、自身を回転させつつ思い切り回転投げ、
 続けて今度は腕と姿勢を下げ、円盤を追い抜く勢いで一気に駆ける、
 腰下の上と下の両面攻撃、一度の蹴りじゃ対処できない、
 が、ハクストクの背中の甲殻の内より、炎が羽のように吹き出し、宙に飛ぶ!
 灼熱の砂ぼこりを上げながらそれは円盤とマグフラッの間を一気に跳び、高き宙に浮遊し、
 一気に右拳を前に出して下に突進、マグフラッを狙う、
 対するマグフラッもその腕を引いて、対抗するように正面から叩きつけて行く!
 「ここだ、僕はマグマエレメンタルパワー!!『マグフラッのパワーを600上げる!!』」
 マグフラッの拳の炎と勢いが増し、ハクストクの腕をへし折りながらその左頬に極当たり!!
 ハクストクが吹っ飛び、爆発!消滅する!!
 だが・・・あまりにも簡単すぎる、マグマエレメンタルパワー・・・
 なぜだ、なぜライゼゴートは相殺しなかった!?
 「ククク・・・」
 ライゼゴートが不気味に嗤う!
 「前のターンのようにはいかんよ・・・」
 ぐ、前のターンのように全滅の二の舞を嫌って・・・でも!
 思いっきり右手を前に出し、宣言!
 「2番戦闘、ライゼゴートに攻撃!!」
 「まかせろぉ!!」
 イグリードがライゼゴートに突進飛行!!
 その右拳を振り上げて行く、
 でも、その前に・・・
 「僕はウツガタボの効果を発動!!『シッタテーヤのパワーを400下げる!』」
 ウツガタボがいきなり目に気合が入るとシッタテーヤの方を向いて砂を吐きかける
 「そうはいかんよ・・・」
 ここでライゼゴートが手札よりヴラァペスティアジュエレメンタルパワーを見せ、人差し指から発生した炎をシッタテーヤにほうる、
 シッタテーヤは砂がかかって急いで叩き落としていると、その炎がシッタテーヤの周りで回転して発生した気流で砂を吹き飛ばした
 「よそ見してんじゃねぇ!!」
 イグリードがその拳を叩きつけるが、ライゼゴートは杖で受け流す
 「いくつもの視点を持つのが指揮官の条件ですよ?」
 いいや、持ててない!
 「僕はパイロヒートエレメンタルパワー!!相殺は」
 「ぐっ、ない・・・」
 「コストにヒートジオエレメンタルパワーを指定!『シッタテーヤのパワーを500下げる!』」
 熱風があたりを駆け抜ける!
 ライゼゴートは思わず両腕で己を守り
 「そこだっ!!」
 イグリードがその両腕に拳を叩きつけ吹っ飛ばす!
 「このっ!」
 追撃に来るイグリードをその本体の部分を杖で的確に突いて弾き飛ばした、
 「くそっ・・・だがな・・・!」
 残った部分は拳を振り上げる
 「シッタテーヤ、3番戦闘!!」
 シッタテーヤが星形で飛び、イグリードの残った体を吹き飛ばす!
 「くそったれ!」
 「いいよ、まだ戦いは終わってない・・・!」
 シッタテーヤがそのままウツガタボに向かう
 「シッタテーヤの効果!」
 シッタテーヤがその体を伸ばし、その手より熔岩のリボンを伸ばす、
 そのリボンはものの見事に僕の手札の二枚を捉え、がんじがらめにコーディネートした、
 「さらに、ヴラァペスティアヴエレメンタルパワーで『パワーを500上げる!』」
 シッタテーヤが再び星形となり、ウツガタボに飛ぶ、
 が、ウツガタボはヒョイと飛んでシッタテーヤの上に乗り、その牙でシッタテーヤの薄い部分に噛みついた!
 ものの見事に貫通したのか、星形から猿型に戻り、噛みつかれた首筋からウツガタボを掴んで取ろうとするがウツガタボはその噛力で離さない、
 「それ・・・」
 が、ライゼゴートの放った火の玉から出た熔岩に口をこじ開けられ、シッタテーヤに熔岩の部分を持たれて放り投げられて、
 そこに、宙に飛んだシッタテーヤの尾っぽが降り降ろされる!
 「おっと、マグマトライルエレメンタルパワーで相殺!!」
 これにいきなり口を振り回してシッタテーヤの目に向かって砂を回す勢いを利用して吐きだし、シッタテーヤの尾本が狂い、宙で空振り!
 そこにウツガタボが着地しつつ、同時に着地したシッタテーヤに跳躍、左肩上より一息に接近、
 一気に首筋を噛みちぎり、シッタテーヤは膝をついて倒れ、爆発!消滅した・・・
 「うぬぬ・・・致し方ない、しかし、条件は満たさせてもらったぞ・・・」
 向こうがトラッシュ彼手札にとって表にしてきたのは・・・ヴラァムーバーエレメンタルパワー?前のターンにヴラァ呪い文エレメンタルで発動を宣言したカードか!?見ると・・・なんと発動条件は味方の全滅!?
 そうか、攻めるのではなく、保険として負けた時のために用意してたのか!
 「さぁ、吹き飛ばせ・・・!」
 熔岩の嵐が吹き荒れる・・・!
 
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炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/15

 
炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/15
 
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???5
 
 剣の刃の方に熱気を集め、熱で擬似的に刀身を少し伸ばしそのまま左前に跳んで剣を振り上げ正面の岩を両断!
 続けて右上に跳びつつ次の岩を横に両断して上部分を蹴って跳び越え着地しつつ最後の一個は袈裟懸けに両断してできた隙間を跳び通り、
 それぞれずれた部分が左右に吹っ飛び転がって、その後ろを俺は悠々と歩き出す、そして、異常がないか剣の方を見つつ異常が無いようなので思う存分悦に浸ってしまう
 ううん、切れ味ばっちりだ、
 ・・・こんな使い方してたら絶対にどやされるな、控えよう・・・
 一応、予備の剣・・・つったって普通の鉄の剣だが、はあるのだが、この場所でこいつの能力を確かめておきたい旨もあり、今までこっちのほうを使ってきたのだ、
 本当だ、大体、師匠にも予備の剣ぐらい持てと口酸っぱくして言われてきた、
 その師匠も今頃目的を果たしているだろうか・・・
 最後に口ずさんだ
 「人間とはかくも体力に適性を持つのか、将来、私達の敵にならなければいいが・・・」
 等と言っていたが・・・
 単に種族や住む場所が違うだけのような気がするけどな・・・
 現にダブモン達とは仲良くやっているわけだし・・・
 そんな事を思いながら歩を進めていくと、少し通路がまっ平になっていく・・・
 確かこの先が目標の場所だったはずだ、ちょうど、魔の山の中央に位置する、
 元の熔岩の吹き出る穴の真下、ということになるか、吹き出る時間帯が決まっていて、それははほとんど一瞬なので、それ以外は安全なのである、
 もっとも、今のこの山になってる状況でどこまで安全かは保障できないが・・・
 ん?遠くに見える黄色から横外側が赤くなっていくあれは・・・熔岩の柱!?
 確認のために走って近づいてみる・・・
 この肌が散りつくような熱さ、間違い無い・・・くそっ!あともうちょっとだと思うんだが・・・
 止められないか、試しに剣で熱を吸ってみる、が、冷めて岩化する間にも上から上から熔岩が降ってきて岩が流れ元の状態に戻ってしまう、ううむ、左右の隙間から見るに目標の場所の少し前の広場のような場所に見えるし、本当にもうすぐだと思うんだが、他の道も思いつかない、どうしたら・・・
 
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炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/14

 
炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/14
 
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探索5
 
 満たされた熔岩の池を見て僕は口を開いた
 「誰か熔岩の中行ける人いる?」
 「無茶言うな」
 「同じく」
 「私も行けるわけないじゃない」
 「僕もダメ」
 「いくらダブモンだろうとこればっかりはな」
 「です」
 「私、熔岩になんて入ったら即死だわ・・・」
 そりゃ人間も一緒だって・・・
 「ええっと、心当たりがないわけではないんですけど・・・」
 「俺だな」
 あ、イグリード、思わずそちらの方を向く、熔岩の中行けるのか・・・
 「だが、ネクポッダの泳ぐスピードにはかなわんぞ?逃げられたらそれで終わりだし、打ちのめされる可能性もある、俺だって、万能じゃないんだ」
 だよねぇ・・・ううんと・・・
 「少し、根気のいる案なら・・・」
 そう言って、僕は思いついたことを話し始めた・・・
 ・・・しばらくして・・・
 予想してたより早い目にネクポッダが熔岩から顔を出す、
 周りを見渡すが、誰もいない、といっても、僕達は気付かれないように遠巻きから見ているだけだが・・・
 そうして様子を見つつ、もう少し上に顔を出していく、真上から岩が降りてくるのもわからずに・・・
 そして、その岩がネクポッダの首を捉え、熔岩から引きずり出した!!
 「つかまえたぁああ」
 ネクポッダが思わず見ると、そこにあったのは熔岩を顔の周りに張り付かせたイグリードの濃い顔である、
 当然のごとく、ネクポッダは泡を吹いて気絶した・・・
 ・・・そうして・・・
 「案外簡単でしたね・・・」
 「でしょ!僕の案が良かったからだよ!!」
 周りが黙り込む中で僕は得意げに言い放った、
 ネクポッダは僕達の側で気絶したまま、熔岩より離されてここにいる、
 いや、誰でも思いつける案とか言わないでよ!僕が考案したから、失敗したら当然、僕が責任を受ける形になるんだから!!
 「とりあえず起こすぞ、おい!」
 イグリードが頬をひとたたきすると、とたんに目を覚ますネクポッダ、
 驚き逃げようとするも、イグリードに尾っぽを掴まれ逃げられない
 「落ち着けよ、俺達はただ先に進みたいだけだ、道ふさいでる熔岩をどうにかしてくれたら解放するよ」
 ネクポッダは本当かと言わんばかりの目を少し細めた疑わしい視線をイグリードに向ける
 「黒幕のこと、言うなって言われてんだろ?大丈夫だ、先に進ませてくれたら訊きやしない」
 「・・・」
 疑わしい目は収まらない
 「本当だ、だから、とっととこの先に進ませてくれ」
 「・・・」
 ネクポッダはゆっくりと熔岩の方に視線を向け
 「行ってくれるのか?」
 「・・・」
 ゆっくりだが確実に、その首を縦に振ったのだった、
 ・・・後は簡単だった・・・
 イグリードが尾っぽを掴んだままのネクポッダと共に熔岩の中に侵入すると、ほどなく熔岩の水位が下がって中ほどに岩の橋が現れていき・・・
 「もういいぞ」
 上がってきたイグリードの声に、僕達は慎重に橋に足を踏み入れ歩を進め、このエリアを脱出したのだ、
 「結局、どうなってたの?」後ろ右のイグリードに視線のみ向けて話しかける「熔岩の中?」
 「なに、ネクポッダが熔岩に溶けにくい岩を形成して、川をせき止めていたんだ」
 なるほどね・・・
 そうして火山の洞窟なような通路を歩く先に、底が近いのか、ある程度広い場所に出て、あれは・・・
 「熔岩の・・・柱・・・」
 そう、熔岩の巨大な柱が、僕達の行く手を阻んでいたのだった・・・
 
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