バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

リザルト・オブ・アイドル/2

 

リザルト・オブ・アイドル 2
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 目の前に広がる鉄の校門、砂の校庭、大きな校舎、
 「ここが、私立獏幸学園、私の、野望の地!!」
 凸型で上側に大きな丸時計が付いた校舎、校庭を取り囲む、オレンジの煉瓦で構成された塀に、細かい鉄棒柵のような両スライド式の校門、校庭に大きく描かれている直線とカーブで構成された陸上用トラック・・・
 「さぁ、まずは入学式だ~」
 紺色の多重折りスカートと同じ色の上着ブレザーを翻し、内のボタン付き白シャツと首元の赤い布糸蝶ネクタイを誇示し、周りの生徒たちと一緒に意気揚々と校門に入って行く
 ・・・
 「新入生一同~」
 ・・・
 というわけで、入学式も終わり、私は教室の、入ってきた時に決まった窓際後ろから二番目の元の席に戻ってきていた、
 ごく普通の教室、木の床、壁紙の貼られた天井と壁上半分、廊下側校庭側共に窓が上方一面に存在しており、
 正面と後方には大きな緑の黒板があって、私達の座る机は角の丸い木の板に下に金属製の円柱状の四つの足と教科書を出し入れするための前の開いた角カーブの箱状の鉄袋、それに鉄袋左右に付いたフックによって構成され、
 私の座る椅子はそれを小さくして袋とフックを無くし、木端を削り背中に金属の左右の棒と座る場所と同じように角の丸い板で構成した背もたれを追加したものだと思ってもらってよい、
 「え~それでは、一人一人自己紹介をしていってもらおうと思います、」
 前の方で机が縦に伸び、足が角化し、下方、前と左右に鉄板が追加されたような教壇に立つ女性が私達に問いかける、
 少し短めの黒髪を後ろでとっちらけて結び前髪パッツン、おとなしそうな顔立ち、体には黒のスーツとストッキング・・・
 「名前と簡単に自身の紹介を、まずは・・・」
 そうやってあいうえお順に生徒たちが指名され・・・
 「では次、青河 流美(せいが りゅうみ)」
 「はい!」
 廊下際一番前の女の子が席を立つ、真面目そうな顔にロングヘヤー・・・
 「青河 流美といいます、このクラスをきちんとまとめていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします」
 真面目も真面目に頭を下げ、席に戻る
 「さて次は・・・」
 そうやって自己紹介が続いていく、
 無名より悪名、しかし、それを得るには覚悟が必要・・・これを失敗すれば人生を捨てることになるかもしれないわ、
 それでもこれに乗る?悪魔の言葉を信じる?
 でも、あなたならできるよ、私にはそう見える
 わかってるよ、あなたと私の夢は・・・
 「では次、天鈴 思慕(てんれい しほ)」
 「はい!」

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 立ち上がり得意げに、ただひたすらに、暗い影無く、明るく!
 「私、この学園に、アイドル部を作りますっ!!」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

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リザルト・オブ・アイドル/1 妖魔版

 

リザルト・オブ・アイドル 1 妖魔版
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 煌めくステージ!
 「ステージオン!シャイニングサン!!」
 「ステージオン、ダークネスクレスト!」
 茶光黒髪たなびかせ、ピンクと白のミニスカドレスアイドル衣装を揺らし、大跳躍の果てに、この私が舞台右手中央に降り立つ!
 その反対に降り立つは、ダークネスクレストと名乗ったあの少女、
 黒の長髪、陰陽どちらにも変わりうる大き目の目、黒に白の横六芒星を上着nの短袖やミニスカートに重ねモチーフとしたアイドル衣装、
 間違いない、つかさちゃん・・・

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 「さぁ、準備はいいわね、シャイニングサン!」
 つか、ダークネスクレストが得意げに人差し指を真正面から突いて宣言
 「い・・・いつでもいいわよ、ダークネスクレスト!」
 後方に多段踊り場とでっかいバックモニター、下から不思議と光が湧き出るステージで、私とダークネスクレストは
 腰に連なるパス型カードケースからカードを取り出し、相手に見せる!
 「お願い、ブルーリバー!」
 「頼んだわ、オレンジスクラッシュ!」
 
名・獏幸学園アイドル部 青河 流美
概・M モンスター 賃金一・女子力八〇〇 アイドル・ウェザー
発・戦闘前・自任意・次の戦闘まで・条文の頭に指定:次の戦闘に参加する
条・1・このモンスター 2・相手のモンスター、ツインズ
効・1の女子力を六〇〇上げる
文・青っぽい髪をした歌姫系アイドル志望中学生十三歳、
  今日も自身の歌をより美しく歌うため、
  皆に喜んでもらうためにステージに立つ
 
名・鵺立学園アイドル部 橙山 真恵
概・M モンスター 賃金一・女子力九〇〇 アイドル・ウェザー
発・戦闘後・自任意・時限無し・条文の頭に指定:
条・1・6このモンスター 2・6相手のモンスター、ツインズ
  3・手札にある、賃金3以下の女子力持ちのインヴォーク
  4・戦闘を行うカード以外のカードが置かれていない場所一つ
  5・この戦闘で1が2に敗北、もしくは引き分けた時
  略6・この戦闘に参加した
効・3を4に賃金0で設置する、3の次の維持賃金支払いを無視する
文・短めの髪をした快活ヒーローヒロイン系アイドル志望中学生十三歳、
  今日も元気一杯はつらつに仲間と共にステージで精いっぱい頑張る!
 
 床下から二人の女の子が飛び出してきて縦横にくるくると回りながらスタッと一方は流麗に、もう一方は力強く、着地、
 「シャイニングサン?私の出番はまだ先だと聞いていましたけど?」
 私の方に現れたのは真面目そうで青光の長黒髪黒目を持つ少女、というか、私よりとてもとてもとてもまじめな子、
 川をイメージしたベールをリボンの様に腰元にまとめ、青と白の重ねミニスカフリルドレス風アイドル衣装をまとい、頭上右側を青い小型リボンで着飾っている、
 「ダークネスクレスト?早いな、もう私の出番か・・・?」
 対して、ダークネスクレストの方に現れたのは・・・?
 極短めの橙返しの茶髪、同じ色の瞳持つ愛嬌のある顔立ち、女の子的に筋肉質な肉体と日焼けした肌、
 黄色でまとめられたスパッツに腹出しタンクトップ風の上着には黄色で白フリル付きで金縁逆三角アクアマリンの留め具のような物が首元に付いたケープとこちらは留め具のような飾りが右腰に付いたやはり短めのキュートフリルスカートを付けており、
 両の手に黄の指ぬき穴開きグローブを付け、右手首に金縁水色の宝石がはまった腕時計バンド型金ブレスレット、右額に先ほどの留め具のような飾りを付けている、
 何より、あの腹、すさまじい腹筋が見て取れる、腕と足もきちんと鍛えられているのがわかるほどの筋肉、アイドル衣装が無かったら、お前、格闘技大会にでも出るのかという感じすらする、
 「うう・・・これは・・・なんていうか、すさまじい物を感じるわ・・・」
 流美ちゃんがひるんでる!
 「大丈夫だよ、ブルーリバー、私達は筋肉を比べに来たんじゃないの、アイドルとして、歌と踊りとパフォーマンスを比べに来たの!今までの頑張りを思い出して、あんな格闘家崩れに何か負けないんだから!」
 「そ・・・そうよね、うん、その通り!」
 「言ってくれるじゃないの・・・鍛え上げた筋肉は何物にも勝る、歌と踊りとパフォーマンスを生み出す、ダークネスクレスト、次の宣言を」
 「ええ、わかってるわ、オレンジスクラッシュ、歌唱、オレンジオーストラリアドライブを指定!」
 「シャイニングサン!」
 流美ちゃんが後ろの私をチラリと見る
 「わかってる、私は、歌唱 ブルーリバーコントラストを指定!」
 
名・歌唱 ブルーリバーコントラスト
概・R リサイクル 賃金零 アイドル・ウェザー
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:次の戦闘に参加する
条・1・自分のモンスター、ツインズ
効・1の女子力を一〇〇上げ、
  1が以下の条件に一つ当たるごとに一〇〇ずつ上げる、
  全部あてはまったらさらに二〇〇
  ・区分アイドル ・区分ウェザー ・賃金 ・女子力
文・川のせせらぎのような美しい歌は、
  美しい声持つ歌姫の元にあって様々な人の心に安らぎと感動を与える
 
名・歌唱 オレンジオーストラリアドライブ
概・R リサイクル 賃金一 アイドル・ウェザー
発・戦闘前・自任意・次の戦闘終了まで・条文の頭に指定:次の戦闘に参加する
条・1・自分のモンスター、ツインズ
効・1の女子力を一〇〇上げる、が、
  以下の条件に一つ当たるごとに二〇〇ずつ上げる
  全部あてはまったらさらに三〇〇
  ・区分アイドル ・区分ウェザー ・賃金 ・女子力
文・力と元気を込めた橙(だいだい)の歌声は、
  みんなに甘さと酸っぱさと栄養を与え、心に活気を与えて行く
 
冥令 司 鵺立学園アイドル部
無し
チャージゾーン
裏:0表:1
 
天鈴 思慕 獏幸学園アイドル部
モンスターゾーン
無し
チャージゾーン
裏:0表:1
 
鵺立学園アイドル部 橙山 真恵 M 賃金一・女子力九〇〇 アイドル・ウェザー
 
FIGHT!!STAGE!!
 
獏幸学園アイドル部 青河 流美 M 賃金一・女子力八〇〇 アイドル・ウェザー
 
 アイドル力は向こうの方が今は上、でも、それは登場時のインパクトに押されているに過ぎないわ、
 全国の学園のサポーターのみんなならわかってくれるはず!
 「歌いましょう、ブルーリバー!」
 私達の歌と踊りが響き渡って行く、
 「Hey!滝のように激しく想い~」
 それは、川が激しく流れるアマゾンの様に、人々を興奮と歓喜に巻き込み、ナイアガラの滝のように激しく落とし、浮かび上がらせる!
 「Rock!熱き願いは誰にも負けない~」
 対し、黒と橙の奏でし歌は、ポップなヒーローのごとく熱を帯び、一転して悲しみからの敵の攻勢を演出、が、実は生きていた味方との連携により、最後の敵を追い詰めていく!
 ううう・・・向こうに押されてる・・・でも・・・
 流美ちゃんに左目ウィンク一つを送る、
 すると、流美ちゃんが前に躍り出る、そう、ここからが流美ちゃんのソロステージだ!
 
名・獏幸学園アイドル部 青河 流美
概・M モンスター 賃金一・女子力八〇〇 アイドル・ウェザー
発・戦闘前・自任意・次の戦闘まで・条文の頭に指定:次の戦闘に参加する
条・1・このモンスター 2・相手の生命力のモンスター、ツインズ
効・1の女子力を六〇〇上げる
 
 「私達の乗るドニは時に無限の可能性を~」
 一転、せせらぎの清流さと濁流の力強さを併せ持つ流美ちゃんの歌が観客ごと、相手を押し切った!
 「ありゃりゃ、判定切れちゃった」
 「ま、しょうがないやね」
 よし、観客たちの私達への支持が80を上回った!
 
鵺立学園アイドル部 橙山 真恵 M 賃金一 アイドル・ウェザー
女子力九〇〇
 
FIGHT!!STAGE!!
 
獏幸学園アイドル部 青河 流美 M 賃金一 アイドル・ウェザー
女子力八〇〇+六〇〇 合計女子力一五〇〇
 
 「でも、退場パフォーマンスは出来るわよね、オレンジスクラッシュ!」
 「あいよ!」
 オレンジスクラッシュが一気に中央に躍り出て、観客の方に向かって右手首のブレスレットの宝石部分をヒーローっぽく左人指し指+中指で押す、そこで響く若い男性の威勢のいい声
 「ソルトスクラーッシュ!!」
 同時にブレスレットの宝石部分が七色にかわるがわる光りながら鳴り響くエネルギーの充填音、
 こ・・・この声・・・
 そこでステージの中央の大奈落から大きな岩塩が射出
 オレンジスクラッシュは一気に後方一回転、塩の真下に出て先ほどと同じようにブレスレットの宝石に触れ
 「ソルトーッブレイク!」
 「はっ!」
 オレンジスクラッシュが竜巻回転を加えながら解き放った跳躍アッパーは、ものの見事に塩塊を捉えて砕き、
 砕けた塩岩も爆発するように弾け、辺りを塩の雪で染め上げて行く・・・
 わぁああああ!!
 もちろん、観客は大興奮、こちらの歌の余韻をあっさり持って行ってしまった・・・
 
名・鵺立学園アイドル部 橙山 真恵
概・M モンスター 賃金一・女子力九〇〇 アイドル・ウェザー
発・戦闘後・自任意・時限無し・条文の頭に指定:
条・1・6このモンスター 2・6相手のモンスター、ツインズ
  3・手札にある、賃金3以下の女子力持ちのインヴォーク
  4・戦闘を行うカード以外のカードが置かれていない場所一つ
  5・この戦闘で1が2に敗北、もしくは引き分けた時
  略6・この戦闘に参加した
効・3を4に賃金0で設置する、3の次の維持賃金支払いを無視する
 
名・アイドルソルトスクラッシュ!
概・I インヴォーク 賃金三・女子力+一五〇〇 アイドル・ウェザー
発・戦闘直前・自動・時限無し・条文の頭に指定:次の戦闘
条・1・がこの札を設置した場所で行われる
  2・に参加する相手のモンスター・ツインズの女子力が三〇〇〇以下だった時
効・2を相手の山札の一番下に置く
文・一撃必殺!ヒロインの繰り出した一撃は、
  魔法の宝石(岩塩)に包んだ標的を砕き、辺りに塩雪を舞い散らす!
 
 そして、オレンジスクラッシュが着地しつつ右拳を振りを上げて己を誇示しヒーローっぽく構え、得意げに笑顔!
 わぁぁぁああああああ!!
 さっきよりも大きな歓声がこだまする・・・
 そんな中でオレンジスクラッシュは名残惜しそうに右手を振りながら向こう側の舞台袖へと去って行った・・・
 くそっ!やられた、
 あの声、間違いなく、三年前の面輪ヒーローの変身アイテムの音声だ、
 無論、そんなアイテムから取ってくるはずがない、新録だろう、
 芸能事務所に所属しているなら、そこから変身アイテムの音声を担当した人を呼んでもらい、数言録音させてもらうことも簡単なはず、ギャラもそんなにかからないに違いない・・・
 私達も昔はその辺りの子供向け番組を毎週のように見ており、そのすぐそばの時間で放映していた面輪ヒーローもついでのごとく見ていた、
 今はもう、その辺りの番組は大人ですら視聴に耐えうるため、中高生でも見ている人間も多い、
 そんななかでそれを意識した演出、綺麗さに特化したもので、それも大真面目、声は記憶に無意識に刻まれている、
 それらの番組に嫌悪感を持っていたとしても、意識する前に絵の迫力に意識を持って行かれている・・・
 つか・・・ダークネスクレストがこちらに向けた嫌味と得意げが入り混じった顔がほんの少しだけ垣間見えたものの、すぐに観客に向けた笑顔に戻る、
 ともかく、ここから挽回しなければならない、この塩雪も、映像とはいえ、どこまで作用するのか・・・、いや、やるんだ、そうじゃないと、司ちゃん、司ちゃん、どうしたら・・・私・・・私はっ!!
 
冥令 司 鵺立学園アイドル部
山札:29枚 手札:3枚 ライフカード:5枚
チャージゾーン:1枚 トラッシュ:1枚
モンスターゾーン
無し
 アイドルソルトスクラッシュ! I 賃金三・女子力+一五〇〇 アイドル・ウェザー
 
VS
 
天鈴 思慕 獏幸学園アイドル部
山札:29枚 手札:4枚 ライフカード:5枚
チャージゾーン:1枚 トラッシュ:0枚
モンスターゾーン
獏幸学園アイドル部 青河 流美 M 賃金一・女子力八〇〇 アイドル・ウェザー
 
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リザルト・オブ・アイドル/1

 

リザルト・オブ・アイドル 1
 
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 煌めくステージ!
 「ステージオン!シャイニングサン!!」
 「ステージオン、ダークネスクレスト!」
 茶光黒髪たなびかせ、ピンクと白のミニスカドレスアイドル衣装を揺らし、大跳躍の果てに、この私が舞台右手中央に降り立つ!
 その反対に降り立つは、ダークネスクレストと名乗ったあの少女、
 黒の長髪、陰陽どちらにも変わりうる大き目の目、黒に白の横六芒星を上着nの短袖やミニスカートに重ねモチーフとしたアイドル衣装、
 間違いない、つかさちゃん・・・

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 「さぁ、準備はいいわね、シャイニングサン!」
 つか、ダークネスクレストが得意げに人差し指を真正面から突いて宣言
 「い・・・いつでもいいわよ、ダークネスクレスト!」
 後方に多段踊り場とでっかいバックモニター、下から不思議と光が湧き出るステージで、私とダークネスクレストは
 腰に連なるパス型カードケースからカードを取り出し、相手に見せる!
 「お願い、ブルーリバー!」
 「頼んだわ、オレンジスクラッシュ!」
 床下から二人の女の子が飛び出してきて縦横にくるくると回りながらスタッと一方は流麗に、もう一方は力強く、着地、
 「シャイニングサン?私の出番はまだ先だと聞いていましたけど?」
 私の方に現れたのは真面目そうで青光の長黒髪黒目を持つ少女、というか、私よりとてもとてもとてもまじめな子、
 川をイメージしたベールをリボンの様に腰元にまとめ、青と白の重ねミニスカフリルドレス風アイドル衣装をまとい、頭上右側を青い小型リボンで着飾っている、
 「ダークネスクレスト?早いな、もう私の出番か・・・?」
 対して、ダークネスクレストの方に現れたのは・・・?
 極短めの橙返しの茶髪、同じ色の瞳持つ愛嬌のある顔立ち、女の子的に筋肉質な肉体と日焼けした肌、
 黄色でまとめられたスパッツに腹出しタンクトップ風の上着には黄色で白フリル付きで金縁逆三角アクアマリンの留め具のような物が首元に付いたケープとこちらは留め具のような飾りが右腰に付いたやはり短めのキュートフリルスカートを付けており、
 両の手に黄の指ぬき穴開きグローブを付け、右手首に金縁水色の宝石がはまった腕時計バンド型金ブレスレット、右額に先ほどの留め具のような飾りを付けている、
 何より、あの腹、すさまじい腹筋が見て取れる、腕と足もきちんと鍛えられているのがわかるほどの筋肉、アイドル衣装が無かったら、お前、格闘技大会にでも出るのかという感じすらする、
 「うう・・・これは・・・なんていうか、すさまじい物を感じるわ・・・」
 流美ちゃんがひるんでる!
 「大丈夫だよ、ブルーリバー、私達は筋肉を比べに来たんじゃないの、アイドルとして、歌と踊りとパフォーマンスを比べに来たの!今までの頑張りを思い出して、あんな格闘家崩れに何か負けないんだから!」
 「そ・・・そうよね、うん、その通り!」
 「言ってくれるじゃないの・・・鍛え上げた筋肉は何物にも勝る、歌と踊りとパフォーマンスを生み出す、ダークネスクレスト、次の宣言を」
 「ええ、わかってるわ、オレンジスクラッシュ、歌唱、オレンジオーストラリアドライブを指定!」
 「シャイニングサン!」
 流美ちゃんが後ろの私をチラリと見る
 「わかってる、私は、歌唱 ブルーリバーコントラストを指定!」
 アイドル力は向こうの方が今は上、でも、それは登場時のインパクトに押されているに過ぎないわ、
 全国の学園のサポーターのみんなならわかってくれるはず!
 「歌いましょう、ブルーリバー!」
 私達の歌と踊りが響き渡って行く、
 「Hey!滝のように激しく想い~」
 それは、川が激しく流れるアマゾンの様に、人々を興奮と歓喜に巻き込み、ナイアガラの滝のように激しく落とし、浮かび上がらせる!
 「Rock!熱き願いは誰にも負けない~」
 対し、黒と橙の奏でし歌は、ポップなヒーローのごとく熱を帯び、一転して悲しみからの敵の攻勢を演出、が、実は生きていた味方との連携により、最後の敵を追い詰めていく!
 ううう・・・向こうに押されてる・・・でも・・・
 流美ちゃんに左目ウィンク一つを送る、
 すると、流美ちゃんが前に躍り出る、そう、ここからが流美ちゃんのソロステージだ!
 「私達の乗るドニは時に無限の可能性を~」
 一転、せせらぎの清流さと濁流の力強さを併せ持つ流美ちゃんの歌が観客ごと、相手を押し切った!
 「ありゃりゃ、判定切れちゃった」
 「ま、しょうがないやね」
 よし、観客たちの私達への支持が80を上回った!
 「でも、退場パフォーマンスは出来るわよね、オレンジスクラッシュ!」
 「あいよ!」
 オレンジスクラッシュが一気に中央に躍り出て、観客の方に向かって右手首のブレスレットの宝石部分をヒーローっぽく左人指し指+中指で押す、そこで響く若い男性の威勢のいい声
 「ソルトスクラーッシュ!!」
 同時にブレスレットの宝石部分が七色にかわるがわる光りながら鳴り響くエネルギーの充填音、
 こ・・・この声・・・
 そこでステージの中央の大奈落から大きな岩塩が射出
 オレンジスクラッシュは一気に後方一回転、塩の真下に出て先ほどと同じようにブレスレットの宝石に触れ
 「ソルトーッブレイク!」
 「はっ!」
 オレンジスクラッシュが竜巻回転を加えながら解き放った跳躍アッパーは、ものの見事に塩塊を捉えて砕き、
 砕けた塩岩も爆発するように弾け、辺りを塩の雪で染め上げて行く・・・
 わぁああああ!!
 もちろん、観客は大興奮、こちらの歌の余韻をあっさり持って行ってしまった・・・
 そして、オレンジスクラッシュが着地しつつ右拳を振りを上げて己を誇示しヒーローっぽく構え、得意げに笑顔!
 わぁぁぁああああああ!!
 さっきよりも大きな歓声がこだまする・・・
 そんな中でオレンジスクラッシュは名残惜しそうに右手を振りながら向こう側の舞台袖へと去って行った・・・
 くそっ!やられた、
 あの声、間違いなく、三年前の面輪ヒーローの変身アイテムの音声だ、
 無論、そんなアイテムから取ってくるはずがない、新録だろう、
 芸能事務所に所属しているなら、そこから変身アイテムの音声を担当した人を呼んでもらい、数言録音させてもらうことも簡単なはず、ギャラもそんなにかからないに違いない・・・
 私達も昔はその辺りの子供向け番組を毎週のように見ており、そのすぐそばの時間で放映していた面輪ヒーローもついでのごとく見ていた、
 今はもう、その辺りの番組は大人ですら視聴に耐えうるため、中高生でも見ている人間も多い、
 そんななかでそれを意識した演出、綺麗さに特化したもので、それも大真面目、声は記憶に無意識に刻まれている、
 それらの番組に嫌悪感を持っていたとしても、意識する前に絵の迫力に意識を持って行かれている・・・
 つか・・・ダークネスクレストがこちらに向けた嫌味と得意げが入り混じった顔がほんの少しだけ垣間見えたものの、すぐに観客に向けた笑顔に戻る、
 ともかく、ここから挽回しなければならない、この塩雪も、映像とはいえ、どこまで作用するのか・・・、いや、やるんだ、そうじゃないと、司ちゃん、司ちゃん、どうしたら・・・私・・・私はっ!!
 
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