バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

マシーナリーオブアイドル/4

マシーナリーオブアイドル 4
 
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 4
 
 「おっはよー!!」
 私は教室で大きく右手を上げ皆に朝の挨拶をしていた、
 今日は飛び切り気分がいい、なんせ、
 「どうしたの?そんな大きい声出して・・・」
 めんどくさそうに左前の机セットの椅子に座った長髪茶髪の委員長が横向きに顔向け話しかけてくる、
 私と同じセーラー服を着ている、
 って、制服なんだから当然かー
 「って、聞いてよ聞いてよ!」
 思わず委員長に駆け寄る
 「私さ、音楽番組に出るんだよ!8時台の!!」
 「朝・・・じゃないか・・・」
 この期に及んでもこの人はめんどくさそうだけど!!
 「失礼な!大物アイドルの恋條知華(レンジョウ トモカ)も出るんだよ!!」
 恋條知華、私のあこがれるアイドルの一人、あの人がテレビで歌ってるところを見て私はアイドルになろうと
 「ああそう、ところでさ、新しいコスメ買ったんだけど・・・」
 「え?見せて見せて!!」
 「これこれ」
 手元より新しいマニキュアのビンを見せてくれる
 紫とピンクが混ざってる!!
 「あ!見たことない!!」
 「いいだろ~」
 ようやく笑顔を見せる委員長
 「いいな、いいな、どこに売ってたの!?」
 「あ、私にも見せてよ!!」
 そんなこんなで他の子も集まってくる、
 「で、あのボスがさ」
 と、窓際後ろにいる男子たちの話が耳に入る
 あ!そこ、詰まってたとこ!!
 思わず背筋を伸ばし
 「あ!そのボス、どうやって倒すの!?」
 そこの黒髪の男子たちに大声で話しかける
 「あ、おい!」
 「ごめん!」
 私を見上げる委員長の咎めに瞬時に委員長に頭を下げる
 「まったく・・・」
 ため息交じりの委員長からのお許しが出つつそっちの方に移る
 「あ!灼未智!?」
 椅子に座った黒髪おかっぱで目つきの悪い奴が驚いたように声を上げる、
 おそらく、私が来るとは思わなかったに違いない!
 「そのボスでつまってんだよ!どう倒すの!?」
 「あのな・・・」
 左にいた茶髪短身のお調子者っぽい少年が呆れたようにこちらを見て同様の声を出し
 「今度対戦会やらねぇか!?」
 右にいた髪の毛極短で野球少年っぽい少年が話しかけてくる
 「お、いいね~何持ってく!?」
 と、左奥にいた目がまともに見えないほどどのキツイ眼鏡をかけた地味目の少年がこちらに近づき
 「巨大ロボットに乗った話も聴かせてくれよ!!」
 え~えへへ~あのはなしか~
 思わずにやけながらそちらを向き
 「おお!いいぜ!!」
 「授業始めるぞ~」
 先公の声に私を含めた皆が席に戻って行く・・・
 ああ、少年たちの名前を憶えていないわけではない、プライバシーってやつだな、憶えていないわけじゃないぞ、断じて!!
 そうして、帰り際、夕日差す中で学校の校門を出たところで
 「ねぇ、灼未智」
 「ん~」
 カラオケに行くと約束した女子達みんなが先に行く中で、
 後ろから話しかけてくる、
 夕日に反射する黒い髪をリボンで後ろにまとめた娘・・・
 「なんだよ」
 その娘は小学生からの付き合いだ、今回も一緒にカラオケに行く、3人以上のグループでいる時を除き、あまり私以外と話しているところは見たことが無い
 「大きな音楽番組に出るんだよね?」
 大きな黒い瞳で真っ直ぐ私を見てくる
 「あ、そうだけど・・・」
 「灼未智は、そのままでいてね・・・いつまでも、私が一番のファンだから」
 「あ、ああ・・・」
 「じゃ、行こ」
 その娘は校門の前の車道に白いガードパイプ(横に長い長方形の足つき柵で中が横S字のちょっとおしゃれな奴)に隔てられ並行する歩道右の方に駆け出し、私は付いて行く、
 ・・・なんだ?一体・・・?
 
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マシーナリーオブアイドル/3

マシーナリーオブアイドル 3
 
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 3
 
 「これが君に乗ってもらう機体だと」
 「黒い・・・」
 大小さまざまな三角系の矢印、一部を三角に切り抜いた三角系の矢印を重ねて人型にしたようなデザイン、
 前に突き刺しそうな装甲で、指も一部を三角に切り抜いた三角系の矢印を縦につなげたような物、
 申し訳程度に三角系の矢印に上が丸い半球体を埋め込んだような頭部にブレード型アンテナが付き、大本の人型フレームは一部赤い光を放つ、
 そして何より真っ黒!!
 「これがアイドルの乗る機体かよ!!スーツも黒いしよ!!」
 私の来ているパイロットスーツは黒と灰色に近い黒のウェットスーツのような物、
 大部分が黒色で両肩から二の腕外側の辺りが灰色に近い黒であり間にオレンジの線が入っている、
 柔らかな素材で衝撃を吸収しつつ体の動きを阻害しない感じ、
 ウー!ウー!
 「なんだ!?サイレン!?」
 ほこりくさいトタン板の広い工場内に
 「さっそく仕事のようだな・・・」
 スーツのおっさんが発す
 警告、人型重機が暴走!工事現場が崩壊!!警重装備科に出動要請!!
 「さっそく、その力を見せてくれたまえ、なに、やり方はわかるはずだ」
 「いいだろ!!」
 機体の胸部が上下に開き、そこそこ広い空間が見える、
 その前にある交差レバー搭載リフトの上に乗ると、
 リフトが上に上昇、機体の出入り口まで来ると入り、
 「そこの横に飛び出た柱みたいなものに背中を合わせるんだ、後はこちらでやる」
 どこからか聞こえる(オペレーターか?)声に従い、奥にある
 横に飛び出た鉄柱に背中を合わせると、
 鉄柱に背中がくっつき鉄柱が上に動き体が浮く!?
 「うおっ!どうなってんだこれ!?」
 「電磁石でくっつけている、問題は無い」
 ほんとに無いんだろうな!?
 どこから聞こえる声に一抹の不安を感じる
 さらに、黒い機体内に外の映像が映る
 「全周囲型モニターだ、すでに出撃できる状態にある」
 足元のリフトはすでに元に戻り横に退避し、正面の工場の大扉が開いていく・・・
 「さぁ、出撃だ!!」
 「いくぞおらぁ!!」
 黒い機体で走り出し、オペレーターの指示に従いしばらく、
 崩れた工事現場に到着する!
 一番ノリィ!!
 剥がれかけたシートのかかった十字鉄骨が組み合わさっている作り駆けの建物、
 さらに、足元に鉄骨が散乱してる・・・
 「なんだてめぇわぁ!!」
 目の前のオレンジの機体から声が聞こえる、
 オレンジの四角いボディに右腕がクレーンの掬う奴の様になっていて両足の先にはキャタピラが付いている・・・
 「酒を飲んでいるような声だな・・・」
 飲酒運転か!?
 「うるせぇ!黙れ!!」
 右腕を叩きつけてくる!?
 左腕で防ぐ!
 コクピットに私ごと衝撃が走る!!
 「武装は!?」
 「無い!!」
 な!?さっきのスーツのおっさんの声!?
 「そのサイズで銃器を作るとなると戦車並みの費用が発生する、よって、武装は存在しない!!その代わりに素手で最大の能力を発揮するようにカスタムされている!!後、犯罪者は殺すな!無事に逮捕するんだ!!」
 ええい!しょうがない!!
 コクピットは・・・多分胴体!!
 なら、はぁああああ!!
 右拳を握り、胴体に叩きこむ!!
 「ぐぉおお!!」
 「ちょっと!?」
 オペレーターの悲鳴が聞こえる、
 「安心しろ、手加減してる!!」
 「本当ですかぁ!?」
 そのまま四肢の付け根を狙い、パンチ!パンチ!パンチ!
 連撃が鉄の悲鳴を幾重にも響かせ
 「そこだぁあああ!!」
 さらに四肢の付け根をそれぞれ狙った縦チョップ二連からの横チョップで完全に四肢を切り離したのだった・・・
 
 「やっぱりさ、黒一色ってのはなぁ・・・」
 パトカーが到着し、ヘルメットかぶった現場作業員が引きずり出され逮捕される中で、
 遅ればせながら来た他の白黒に両肩に赤サイレンを付けた機体を見ながら
 私はごちる
 ちなみに私はパトカーが来た時点で下に降りている、
 内臓式の長縄梯子で・・・
 おかげで私の機体は私が見上げる中、青空を背景に胴体から梯子を垂れ流している・・・
 「よし、決めた!!」
 「何が決まったんですか?」
 「うおっ!?」
 首のコントロール装置から声が!?
 「何を驚いているんですか?というか、勝手に機体から出ないでください・・・」
 私は驚きながらも声を出す
 「こいつにも通信装置付いてたんかい!?」
 「そうです」
 まぁ、他にも機体の色んなコントロール操作できるからそう言うこともあるのかもしれないが・・・
 「とにかく、今決めた!私の機体右頭部辺りにハートを矢で射貫いたようなペイント付けてくれ!!」
 「はぁ!?なんでそんな・・・」
 「その方がアイドルらしくてかわいいだろう!!」
 「余計にゴツくなる気が」
 「何か言ったか!?」
 「いえ何も・・・」
 「いい話だ、その要望、私が上に伝えておこう」
 スーツのおっさん?!
 コントロール装置からスーツのおっさんの声がいきなり聞こえる!?
 「いいんですか!?」オペレーターの戸惑う声
 「構わん、どうせ何かデザインの差別点が必要だったところだ、イリーガルである黒色にしてみたはいいが、それだけでは不十分だろう」
 「おっし!約束だからな、おっさん!!」
 「期待するなよ?上層部がOK出したらの話だ」
 「わかってらい!!」
 そのまま私は、高笑いを上げたのだった・・・
 
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マシーナリーオブアイドル/2

マシーナリーオブアイドル 2
 
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 2
 
 「え・・・?」
 なんで?私が・・・?
 「理由は君の横に座っているそれだ」
 え?私の横に座ってるってこの白い機械人形が?
 私が右側を向くとそこにいた人型黒ベースに各所に女の子の体型を模した白アーマーを付け青緑の宝石眼と白いツインテールパーツを持つ白い機械人形が同じように右を向く、
 「君が首に付けているチョーカーはその神経シンクロマシンニクルのコントローラーだろう?」
 声をかけられ私は姿勢を戻す
 「そうだけど・・・?」
 簡単に言えば今私が付けているこの黒いチョーカーを付けて体を動かすとこの機械人形が私と同じ動きをするのだ
 「そうです、それを使ってダンスをするのがうちの慕路、灼未智(シタイミチ ヤミチ)の売りですから」
 後ろで立って控えるマネージャーがフォローを入れると目の前の灰スーツの男はさらに目に力を入れ私を睨む
 「その反応速度が他の同じ神経シンクロマシンニクルよりもかなり早く、ほとんどラグが無い」
 へー
 スーツの男以外の皆が理解できず呆然と動きが止まる
 実際他所とほとんど同じ気がするんだが・・・
 「理解していないようだが話を進める」
 あ・・・はい・・・
 「私の所の巨大神経シンクロマシンニクルはその白い人形と同じ原理で動いている」
 あ、そうなんですか・・・
 「それだけ機構の動きが鈍くなる故、一つのラグが大きな影響を及ぼす」
 ・・・
 「そのため、そのラグが少なくなればより素早く動け、ロボット利用犯罪者たちに対処できるというわけだ」
 へー、ほー、ふーん・・・
 わからん!!
 「お話は分かりました」
 背後たらのいきなりの声に私はその発言者を見上げる
 いつもの黒グラサンが光っているように見える!
 ま・・・マネージャー?!わかったのか!?さすがだぜ!!
 「しかし、それだけだとうちのアイドルを貸し出すメリットが無い、ただ働きで平和に貢献しろと?」
 そのマネージャーの声に顔が自然とスーツの男の方に戻る
 「無論、給与も出そう、そして、我々警重装備科のアイドルへの仕事もそちらに優先的に回し、サポートしよう」
 「乗った!!」
 ようやくアイドルとしての仕事の話が来て、私は嬉々として言葉を発していた
 顔からは笑顔がこぼれているに違いない
 「おい!それはおそらく最初からそのつもりで・・・」私を見降ろすマネージャーはマネージャーを見上げる私を見て、「はぁ、わかった、ここからは私達で話す、お前は口出しするなよ」
 戸惑い吐き出すように瞬きしながらため息つきつつ釘を刺したのだった・・・
 
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